表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/18

八月十八日

「あ、久しぶり

 怪我したって聞いたから、なんか、気になって、来てみたんだけど」

 何故か、今日になって、以前、聞き込みに来た刑事の若い方が家に訪ねてきた。

 昨日、公衆電話から119番し、救急搬送された際、病院の医療関係者によって事件性を疑われ、通報されたらしく、治療後、警官から聴取を受けた。多分、その担当警官か、その人物に近い者から話を聞いて、今日、ここに来たのだろう。

 昨日と同じ様に、ラザロの断頭台を再現しようとして、失敗し、落下してきたナタによって、負傷したと説明した。

「なんで、ギロチンを作ろうと思ったの?

 もしかして、自殺しようとしてたんじゃない?」

 言葉に詰まる。けれど、言葉を選んで、語り出す。

 ラザロの動物探しゲームの事。三ツ星の事。池袋の公園で見つけた紙の事。模倣犯になろうとして猫や少女を殺そうと思った事。死のうと思った事。死を思いとどまった事。そして、彼女の頭部が隠されている可能性が高い場所の事。(動物の死体の一部を持ち去った事と、放置した事は、法に触れてそうなので、あえて、供述せず)

「でも、真夜中に、幼い女の子が、一人、歩き回ってるのって、不自然だと思うし

 ここ最近、刃物を持った不審者の情報も、上がってきてないから

 もしかすると、彼女が女の子に姿を変えて、君が悪い方に行かない様に引き止めてくれてたんじゃない

 ナタが君の首に落ちてきた時も、きっと、彼女が守ってくれたから、致命傷にならなかったのかも

 まぁ、警察の人間である自分が、こんな事、言うのもなんだけど」

 泣いた。涙が溢れた。彼女が死んでから、初めて。

 狼狽する刑事。

「でも、これで、全て、終わらせる事が出来るわ

 この紙は、俺が預かっておくから」

 そう言って、刑事は家から立ち去って行った。

 僕は、家の中から、その様子を、ずっと見つめ続けていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ