八月十四日
「転がりながら~
頭部は~
2,3m先の~
自分の首の断面を
見てい~たよ~
体中を巡る~
哀れな血液たちは~
自由を求めて
空へと飛び立~つよ~」
歌っていた。
七月二十七日に訪れてたライブハウスで、無料配布されていた2曲入りのカセットテープに収録されていた『断頭台』というタイトルの歌。MDにダビングして、あの日から、ずっと、繰り返し聴いていた、彼女が殺害された日に手に入れた、歌。
歌いながら、明け方、公園と小学校と中学校に、『箱舟』の動物のイヌの頭蓋骨とウサギの前足と、さっき切断したばかりのネコの頭部を、それぞれ、『Lazarus』と記載したカードと共に放置してきた。
聖書には、ラザロという名前の人物が二人いる。キリストの奇跡によって、生き返った男。そして、貧困と病に苦しみながらも、信仰を続け、天に召す事が出来た男。
僕はラザロになろうと思った。
再び、話題になれば、彼女の存在が、人々から忘れ去られない様な気がした。
そして、ラザロの行動を模倣すれば、彼女の頭部を探し出せる様な気がした。
僕は、ラザロとして黄泉がえった。二人目のラザロになった。




