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心地良い夢の中で生きながらえて



「進歩だね!」


「うん、すごい事だよ」


「ハルコちゃん、偉い!」


「……え?」



正直ややこしい事になったと自覚していただけに、戸惑った。

これが相楽などであれば「また面倒臭い事が増えた」と言われそうなものだ。

いや、彼の場合は彼本人がやれと言ったのでそんな文言お断りではあるものの、それくらいの事を言われる覚悟をしていたから余計に、驚いたのだ。



「どうして、アナタ達は私に優しいんですか?

今回の事は正直怒られるのも覚悟してました。

今まで以上にややこしい事をしてしまったと言う自覚もあるし、何よりこの子を生み出した事を私は自分で恐れています。

アナタ達は私がノウンしたノーア達の暴走を尻拭いしている人達なのでしょう?

どうして……」



じわりと涙が目の端に集まったけれど、日向の言葉に肩を躍らせた。



「だってハルコちゃん、寂しそうだもん」


「え?」


「こんな大事1人で抱えられるはずないじゃない?

言ったでしょ、私達はハルコちゃんの味方だって。

それに今回の事に限ったら相楽くんがせっついたのだし責任なら彼にもあるよ、ね?相楽くん」



部屋の隅に正座している彼は話しを聞いていた様で、不服そうながらも「ハイ」と頷いた。



「それに悪い事ばかりじゃないよ。

今回僕らは今まで以上に成果を期待している」


「成果?」


「暴走したノーアに取り憑かれたサラリーマンの彼、無事に生きて正気を取り戻したらしい」


「本当ですか?」



ノーアの心臓を破壊する事は、今まで死と直轄した解釈だったはず。

それが無くなってくると言う事は救える命が増えると言う事だ。

単純に考えると当たり前なのに言われて初めて気付かされた。



「だから悪い事ばかりじゃないんだ。

今まで出来なかった事が出来る様になる、ハルコちゃんが勇気を出してくれたから改善出来る一歩なんだよ?

もちろん見える目がハルコちゃん1人だけと言うところは何か策があればとは思うけれど、0か1かと言われれば1の方が良いに決まっているからね」


「それを思うと、ハルコちゃんを保護出来た事は僕達にとってハッピーでしかないんだよ。

縛り付けるようで窮屈な思いをしているかもしれないけれど、改善はして行くつもりだからなんでも僕に相談して欲しい」


「もちろん私も居るからね、高城先生に言えないデリケートな事は任せて!

私も隊員寮で暮らしてるからなんだって力になるよ」



力強いその言葉に励まされつつ、私は私のままここに居て良いのだと気付いた。

子猫は無邪気に私の指にじゃれついていて、そう言えばこの子はどうすれば良いかと問い掛けた。



「ハルコちゃんのお部屋に小さなベットでも作ろうか?

猫ちゃん用のクッションがあった気がするぞ〜」


「なんでそんなのあるの?」


「昔日向ぼっこしに来た猫が居て、先生良く餌をあげたりしていたからじゃないかな?」


「そうそう、レナさんに匂いが付く!って怒られながらね〜」



くすくす笑う高城は「ちょっと待っててね」と言って談話室を出て行く。

私はと言うと、ノーアを抱きながら部屋の隅で反省している相楽に近付いた。



「……なんだよ」


「お礼、言って無かったと思って」


「お礼?」



目を丸くした相楽に「ありがと」とノーアに視線を送りながら呟いた。

あの時遊歩道で助けてくれた事と、この子を確立出来た事に対してのお礼のつもりだった。

しかし、怪訝そうな表情の相楽を見て「やっぱり良い」と撤回して、ノーアを相楽の膝に残して戻る。



「なんなんだよ、どうするんだこの猫」


「ノーア、噛んで良いよ、その人すっごく噛みごたえあると思う」


「本当?」


「あるわけないだろ!」



相楽は次の瞬間「いてえ!」と叫んだ。

日向と緒方、そして私は高城がペット用のクッションを抱えて「何しているんだい?」と不思議そうに首を傾げらのを見てまた笑うのだった。

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