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アルティアリアスキル  作者: 二宮響
1/1

パズルって恐ろしい…

この度は私の小説を開いてくださりありがとうございます!

少しでも興味を持ってくださったと思わさせていただきます(笑)

小説を書くのは初めてなので色々と至らぬ点や読者様を不快にさせてしまうかもしれませんが、

温かい目で読んでいただけると幸いです!


「なんでこんなことになってんだよっ!?」


俺は今、さっきまで仲良くデート(?)をしていた

きれいな金色の髪と、青く澄んだ目をしている美少女に殺されそうになっている。


「さっきまであんなに仲良くしてたのに何で!?」


と俺は肩で息をしながら彼女に問いかける。しかし返ってきたのは

説明の言葉ではなく、彼女の冷徹な殺意に満ちた双眸と二本の俺の血で汚れた

ナイフだった。


「―――っ!」


俺はその攻撃を息を止め、感覚で避けようとしたが、鋭利なナイフの切っ先が

俺の肩と太ももを掠め、浅く傷つける。


「さっきからそれ痛いてーんだよ!?」


これで何度目かわからないその痛みに耐えながら俺はそう叫んだ。

だが叫んだところで状況は変わらない。

何か解決策はないか、なけなしの脳みそをフル回転させていると、

彼女の、桜の花びらのように美しい色をした形の良い唇が、

≪どす黒い≫狂気に満ちた笑みを浮かべた。


「何笑ってんだよ!?」


と再度俺は彼女に問いかけた。しかしやはり彼女は何も言わず、

その代わりにあの冷徹な殺意に満ちた双眸とナイフが再び飛んできた。


しかしさっきと違う点が一つ。

それは二本のナイフが今度はしっかり俺に刺さっていたこと。


「え……?」


俺は今まで味わったことのない痛みに困惑した。

痛みの出所を探し出すのに10秒も要するほどに。

そして俺はようやく痛みの出所をみつけた。


「なん…で…俺の…背中に…刺さっ…てるん…だよ…」


そこで俺の意識は彼女のどす黒い笑みとわけのわからない痛みに

突き落とされるように深い混沌の中に吸い込まれていった。


*************************************


ピーンポーンピンポンピンポンピンポン


「月中さーん、月中さんいますか―?お届け物でーす」


「はわぁー…誰だよこんな朝早くから。まだ朝の11時だぞ」


「もー誰だよってお届け物ですよ、お・と・ど・け・も・の!!!」


「おーありがとな。でも俺何か頼んだっけな?

 それに人が寝てるときに無理やり配達に来るのはなー」


「無理やりってこれが僕の仕事ですし、

 11時にもなって寝てる人の方がおかしいですよ!」


「あ、すいません。そうでしたね。いまハンコもってきますね」


「なんですかその対応はー!いきなり敬語とかひどいじゃないですかー」


俺とこんなくだらないやりとりをしているのは、

爽やかな顔立ちなのにどこか男らしい顔の山内翔(やまうちかける)だ。

翔はよく俺が利用している【numazon】で配達員のアルバイトをしている。


「ほい、ハンコ!料金はいくら??」


「えーと…… あれ、もう料金は支払われてますよ。」


「え?払った記憶ないんだけどな。

 まあ払われてるならいっか 毎度毎度ありがとな」


「いえいえ。ぜひ今後ともうちを御利用してくださいね」


「おうよ」


バタン


「ふぅー、いくら親しいからってイケメンの相手は疲れるなぁ。

 さ、宅配便でも開けますかね」


俺は自分で何を頼んだか忘れていたため少しわくわくした気持ちでそれを開けた。

すると中から封筒と透明なコインが1枚出てきた。


「なんだこれ?封筒はいいとしてこんなコイン頼んだ覚えないぞ?」


頼んだ覚えがないので翔に電話して返品しようと思ったが

箱の中を見るとまだ何か入っている。

それは6種類のマークの絵が描かれた少し装飾の凝った

ルー○ビックキューブのようなものだった。


「お、なんだこれ? ルー○ックキューブか?

 でもルー○ックキューブにしては色がねぇな」


と、この立方体に疑問を覚えつつ観察してみるとあることに気づいた。


「なんだこれ?何かのマークか?」


謎の立方体にはよくゲームでありそうな属性を表すもののようなマークが

6種類刻まれていた。

一つ目は≪闇≫を、二つ目は≪炎≫を、三つめは≪剣≫を、四つ目は≪歯車≫を、

五つ目は≪光≫をそして六つ目は≪空白≫を表していた。


「色じゃなくマークをそろえるルー○ックキューブかぁ。

 まあ、なんにせよ俺にルー◯ックキューブを渡すとはいい度胸じゃねえか」


と、俺月中波人(つきなかなみと)は一人で意気込んだ。

俺は小さいころから何をやっても長続きしなかったが唯一、

パズルの類は大好きで暇さえあればずっとやっていた。

なのでかなり得意なほうだと自負していた。


しかし


「なんだこのルー○ックキューブもどき、何回やっても面が揃わねえ。

 もうかれこれ5時間以上やってるけど、全然解けねぇ…… 

 一回休憩すっかー」


時間を忘れるほどあのルー○ックキューブもどきをやっていたせいか我に返ると

どっと疲れがのしかかってくる。その疲れを味わいながら

俺はあることを思い出した。


「あ、そういえば封筒あったよな。あれ開けてみるか」


中を開けてみると中には一枚の手紙が入っていた。


「ふむふむ、なになに?」


手紙にはこう書いてあった。




 ツキナカナミト様へ


 この度はアエンデの危機に際し、ご助力くださる決心を

 してくださったこと心より感謝いたします。


 しかしアエンデにおこしいただくにあたりまして本当にナミト様が

 

 我が国を救える方なのか簡単なテストをお送りしました。


 中に入っているその立方体の形をしたものは『ルブ』というもので

 

 6種類の同じ絵柄を一面に揃えていくゲームです。


 しかしこのルブは普通にやるだけでは絶対にクリアできないので次のヒントを


 見ながら解くことをお勧めします。




 昔々少し変わった村がありました。


 そこには≪炎≫と≪剣≫と≪闇≫と≪歯車≫と≪光≫の5人が住んでいました。


 この五人はとても仲が良く誰かが困っていると決まって皆で助け合いました。


 しかしある日≪空白≫がこの村に引っ越してきました。


 すると突然≪炎≫は≪闇≫と≪剣≫は≪歯車≫と仲が悪くなり一切相手の顔を

 見ようとしませんでした。


 残された光は皆の仲裁に入りますがうまくいかず、

 いつしか仲間外れにされてしまいました。


 すると≪光≫は原因を作った≪空白≫を嫌いになってしまいました。












 ヒントは以上です。 それではご健闘をお祈りいたしております。




手紙はここで終わっていた。 

俺はこの一見したらただのいたずらのような手紙の内容に

戸惑いながらもわくわくしていた。


「どう見てもいたずらだが挑戦状叩きつけられてやらないってのはないよなぁ……

 っていってもただそのままやるんじゃクリアできないって

 手紙に書いてあったし、まずはヒントを解読してやりますか」


と俺は再度意気込み、ヒントの解読に取り掛かった。


「えーと、まずはこの、

『すると突然≪炎≫は≪闇≫と≪剣≫は≪歯車≫と仲が悪くなり

 一切相手の顔を見ようとしませんでした』の所だけど

 一切顔を見ようとしないってことは相手に背中を向けるってことでいいのかな」


 と俺は考え、ルブを手に取り、≪炎≫と≪闇≫≪剣≫と≪歯車≫をサイコロで言う、

 1と6、2と5、3と4のようにそれぞれ逆の面に配置するようにそろえた。


 すると、ルブが淡い光を放ちだした。


「お、光ったぞ!?これは正解ってことか! 

 しっかし、いたずらにどんだけすごい仕掛け使うんだよ」

 

と俺は手順が正解だった喜びと仕掛けに対する感心と呆れの入り交ざった感情を

抱きつつ、次の答えを探し出すためヒントの解読を再開させた。


「今、≪炎≫と≪闇≫≪剣≫と≪歯車≫をそろえたから残ったのは≪光≫と≪空白≫か。

 んでヒントを見ると

『≪光≫は原因を作った≪空白≫を嫌いになってしまいました』

 って書いてあるし≪光≫と≪空白≫を逆の面に配置すればいいのかな」


 カチャカチャカチャカチャ


「あとはここをこうすれば揃うはず……! よし!できた!」


俺は面を揃えられた達成感と何が起こるのかという好奇心を感じた。


しかし、


「あ、あれ? さっきまで光ってたのに光が消えた?」


面をそろえた瞬間ルブから漏れていた淡い光が一瞬にして

ルブに吸い込まれるように消えていった。


「んーこうだと思ったんだけどなー…もう一回ヒント見返してみるか」


ヒントを見返したが不自然なところや気になるところはなかった。

強いて言うなら最後の分の下に空白があったことだが、

そんなの気にしていたらきりがないと無視していた。


しかしヒントと()()()()()をして30分ほど経過したとき

俺はあることを思い出した。


「ん?そういえば宅配便に入ってた透明なコインって何に使うんだ? 

 結局あれだけ使ってないけど」


コインのことを思い出しコインを手に取ってみると何かうっすらとコインに

何かが書いてあった。

俺は目を凝らし持てる最大の視力を使いコインを覗き込んだ。

すると掠れてはいるが文字が刻まれていた。


「この、コイ、ンを、かみ、に、かざ、せ? このコインを紙にかざせ?

 紙っていうとこのヒントの紙しかないよな」


俺はコインに言われるがままコインを紙にかざした。

すると今まで何もなかった最後の文との空白に文字が浮かび上がってきた。


「うおおおお!すげえ!文字が出てきた!? なになに?

『しかし≪光≫は完全≪空白≫を嫌いになれず心の中に仲良くしたいという気持ちが

 少し残りました』か。


「やっぱり素直に答えは教えてくれないか。 まあでも進展はあったしいっか 」


俺は進展があったことに喜びを感じつつ、再びヒントの解読に取り掛かった。


「えーととりあえず浮かび上がってきた文章をまとめると、

 ≪光≫は≪空白≫を嫌いになり切れず少しだけ

 仲良くしたい気持ちがあるってことだよな? んで今まで通りに行くと

【仲が悪くなる=相手の真逆の面に配置する】だったから

≪光≫と≪空白≫の面に一つ、相手の面を、配置するみたいなかんじでいいのか?」


俺はルブを手に取り≪光≫と≪空白≫以外の面を最初の推理通りに配置し、

≪光≫と≪空白≫の面の真ん中にお互いのマークが入るように組み替えた。

するとルブが先ほどの数十倍はあろう青い光を放ちばらばらに飛び散った。


「うわっ!? 何が起きたんだ?」


ルブが放った光で目がくらみ、周りが見えないまま俺はそう叫んだ。

その後徐々に視力が戻り部屋を見渡すが特に変わった様子はない。


「本当にただのいたずらだったんだな。

 まあ楽しませてもらったし翔には何も言わないでおこう」


その後俺は夕飯を食べ、風呂に入り、達成感と風呂の余熱に抱かれながら

心地よい眠りについた。


そして次の日事件は起こった。


「ふわぁー… あれ、まだ朝の8時か。 暇だし朝飯買いにコンビニでもいくか」


ガチャ


玄関を開けた途端俺は固まった。

なぜなら玄関を開けた先には、いつもの見知った道路と、

そこを走る車の影は全くなく、その代わりにリザードマンやエルフ、

ドワーフなどのゲームでおなじみの種族や、手のひらサイズの小人や()()()()

身長5mはあろうかという巨人など様々な種族が目の前を歩いている

城下町のような場所に出たからだ。


「……え?え?え? 待って待って待って、ここどこ? 

 映画の撮影でもしてんの??」


俺は状況が呑み込めず、この後数秒放心状態になり、

そのあと一つの答えを見出した。


「これはきっと夢だ夢。うん。きっとそうだ。だからこうやって

 自分のほっぺを思いっきりつねっても痛くな……

 痛ってええええええええええええ! 嘘だろ!?夢じゃないのか!?」


夢じゃないことを確認し再びパニックに陥りかけたその時

俺の頭に一縷(いちる)の望みが浮かんだ。


「そうだ!後ろにある俺の家の扉をくぐれば帰れるはず…!」


俺はこの一縷(いちる)の希望にすがるように後ろを向いた。しかし案の定、


「扉が、ない……」



ここから彼、月中波人の長い長い異世界生活セカンドライフが幕を開ける……!!

アルティアリアスキル第一話「パズルって恐ろしい…」を最後まで読んでいただき

ありがとうございます!


今後、後書きでは他愛のないどうでもよいことを書いていくので

時間があったら読んでいただけると嬉しいです!


今回はこの一話を書いてて思ったことを書きます!

それは登場人物がしていることを上手く言葉で説明することがもの凄い難しいということです。

以前テレビでアナウンサーの方が映像無しで、お題に出されたシチュエーションをアドリブで

頭の中で考えてリポートをするというようなコーナーがあったのを思い出して

あれはとてもすごいことなんだなぁと思いました。

正直小説は頭の中にきちんとした流れがあれば書けると思っていたので自分の甘さを

痛感しました(笑)これからもっと頑張っていきたいと思います!

ではまた第二話でお会いしましょう!最後まで読んでいただきありがとうございました!

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