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教会に来た者

作者: 杉野原 清

この作品を松田先生に捧げる・・・

 日本の中部地区にある小さな教会

朝が来た、また何も思い出に残ることのない1日を迎えるのか?それは神のみぞ知る世界・・・

今日も教会の窓を酔酔神父が開けた

酔酔神父「おぉ、神よ・・また今日が来たことを感謝しています・・・」

すると入口のドアが開き、泣きながら男が入ってきた

教会の中央に立ち、男は泣きじゃくりながらこう言う

男「ちくしょう・・この野郎!!!俺の雪を返せよォォォおおおおッッッッッ!!!!!」

酔酔神父「何用ですかな?」

男「ちくしょうッ」

酔酔神父「私でよければお話を伺いましょう」

男「うあああああああああああッッッッ」

酔酔神父「と・・とにかく落ち着きなさい」

30分後、ようやく男が落ち着いた


 男「ブツブツ・・・」

酔酔神父「さぁ、いって御覧なさい」

男「俺の彼女・・雪が・・・病気で・・亡くなったんだ・・・・・婚約もしていたのに」

酔酔神父「それは災難でしたなぁ」

男「雪はもうこの世にはいない・・・」

酔酔神父「たしかに、この世にはいませんな」

「でもあの世では、あなたをきっと見ているはずです」

男「あんた、まさか天国何てものを本気で信じているのか?ばかばかしい・・・」

酔酔神父「それは私の自由です」

男「なら、何故雪は見てるのじゃなくて俺に会ってくれないんだよッッッ!!!」

酔酔神父「天国はいい所です。何故ならこの世に戻られた方は誰一人として存在しませんからな」

「厳しいこの世より天国で会いたい人とお会いするのが天国でいる誰もが思っていることです」

男「じゃあ俺が死ねばいいのか?」

酔酔神父「それはいけません、人はこの世で何かを成す為に神から指令を受けて生まれてきたのです」

男「じゃあ犯罪者とかはどうなるんだよ」

酔酔神父「たしかに犯罪は神の命に背く、だから刑が施されるのです」

男「じゃあそいつは地獄行きだな」

酔酔神父「いいえ、それは違います、地獄という者はあの世には存在しません」

男「はぁ?意味わかんねぇよ!!!」

酔酔神父「刑を施されたものは皆その罪から解放されるのです」

男「ちっ、なんだか物知りなじぃさんだな」

酔酔神父「それよりあなたは普段どの様な仕事を成されているのですか?」

男「俺は年齢=無職なんだよ」

酔酔神父「人に無職と言う言葉はありません、必ず人を幸せにする仕事していると思っていなくても実は成しているものなのです」

男「???」

酔酔神父「では医者とはどうでしょうか?」

男「まじかよ」

酔酔神父「病気とは、神の命を受け、この世に生まれた者を蝕む邪悪な存在悪魔が我々に解き放った壮大な試練なのです」

男「・・!!」

酔酔神父「神は喜びますよ・・」

男「ありがとうじぃさん、あんた胡散臭い神父だったけど俺、何だか勇気が出てきたよ・・・金にもなるしな」

酔酔神父

「たしかに現実は厳しいです、ですがきっと、報われ日が来ます」

「幸運を祈ります」


 あれから十数年、私は、医師を務めさせていだ抱いています。

お金のことよりも患者さん達の明るい笑顔が見たくて現在ボランティア活動をさせていただいています。

一日とは、一生生きる中で記憶に残らない日がほとんどですが、

あの日のことは今でも覚えています。

ありがとう、酔酔神父・・・

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