OPC -Original Player Character-
うまく書けていない気がする今日この頃
深夜二時、住民が全員寝静まる時間に一台の車が家の前で停っていた。
「それじゃ、明日の授業後に迎えが行くから。一年の授業は6限だよね?」
「……あ、はい」
「……ショックを受けるのも仕方がない事だが、コチラとしても時間はあまり無い。決めるならば早く頼むよ」
「……はい、分かってます」
それじゃあまた明日。
そんな声を残して蛇垣は車を走らせ去っていった。
見えなくなるまでそれを見つめ、そして辺りを見回した。
「……静かだな」
人が寝ているとは言え、しかし車が走る事も、動物が鳴く事も、虫が騒ぐ事だってあるはずの時期。
それなのに辺りは静まり返り、音一つ聞こえない。
人が居ない世界。生き物が居ない世界というのは静かだと改めて認識させられる光景だった。
そして鍵を出し、玄関から家に入った所で気づいた。
玄関にある靴は男物、それも自分サイズが4つ置いてあるだけだという事を。
今まで過ごしてきた現実が全て作られた記憶であるという事を。
もう昨日には戻れないという事を
【OPC -Original Player Character-】
次の日の朝は、代わり映えしない毎日だった。
朝7時に起床、朝食を取り家を出る。
代わり映えのしない道路、代わり映えのしない住宅、代わり映えのしない友人。
「あ、和おはよー」
思い出せば毎朝合う彼女は、やはり何時ものように笑顔で手を振る。
これもAIなのかと思えば自然と視線を逸らしてしまう。
「……和?」
「あ、うん。おはよ」
「……どうしたの?調子でも悪いの?」
「……いや、大丈夫だよ。ありがと」
そう笑顔で誤魔化せば彼女、赤崎切刀はニコリと笑う。
そんな笑顔にすら機械的な、作られたかのような感覚を受けてしまう。
しかし、そんな反応に彼女は気づかず二人横に並んで道を歩く。
「昨日のテレビ面白かったね」
「あ、ごめん。昨日テレビ見てないんだ……」
「え、……あ、そうなんだ!疲れちゃったとか?」
「あー、うん。そんな感じかな……」
小さな嘘に感じる罪悪感。
しかし説明するのも大変だろうし、何より言った所で分からないだろう。
いきなり自分が電子情報と言われて納得できるとは思えない
「…………」
横に並び楽しそうに話す彼女。
その姿は確かに、自分の意思を持つ、一人の女の子だった。
「そうだ。今日の帰りカラオケ行かない?」
机に教科書をしまっていると、前の席の切刀が後ろを向きながら言った。
その顔は笑顔というより覚悟の顔と言うべきか、とても真剣な、それでいて嬉しそうな顔をしていた。
「……あー、ごめん。今日はちょっと用事があってさ」
「え……あ、そっか」
まだ早すぎたのかな……、と彼女は呟く。
そんな姿に苦笑し、今週の予定を思い出す。
何時も控えめな彼女が仲良くなろうとしてきているのだ。
今日は流石に無理でも、一緒に行きたい気持ちは同じだ。
それに、人が機械であろうと無かろうと、どちらにしろ一生ここで過ごしてゆくのだ。
少しでも人と関わって、この感情を納得させたいという気持ちも強い。
そういう意味では幼馴染の彼女は実に的確だった。
「明日なら空いてるけど、どうかな?」
「行きたい、凄く行きたい!」
「それじゃ明日の授業後に行こうか」
「約束だよ、絶対だからね!?」
そう言って喜ぶ彼女を見ていると、機械やら人間やら考えている自分がバカらしくなり、気づけば笑っていた。。
昼に近づく程、授業というのは面倒に感じてくる。
しかも教科は化学。
比較的優しい先生は寝ている人を見ても微笑むだけで済ませてくれる。
そんな姿に申し訳ないと思いつつも、皆顔を伏せて休んでいる。
そんな皆の中には切刀も入っており、カツンとチョークが黒板を叩く音と共に気持ちよさそうな寝息が聞こえる。
そんな姿に微笑みながら、和は思う。
昨日までは自分も寝ている側だったと。
そんな小さな違い一つに壁を感じ、そして現実を思い出させる。
―――出ろ。
そんな一言を思い浮かべれば、目の前に浮かぶ透明なディスプレイ。
あまりに非現実なそれを、当たり前を受け止めてしまっている自分に少し呆れながらメッセージと書かれた資料集と書かれたアイコンをつつく。
本来ならば何もない虚空に人差し指を伸ばせば、それに対応しディスプレイがが画面を変える。
そのタイトルはこう書かれていた。
―――電子世界資料集。
この世界、『エデン』は開発当初は仮想研究施設として考えられていた。
この中ならば、核が爆発しようと被害がなく、再び作り直すことも可能な為使用価値は高いと思われていた。
それ故、この開発には様々な会社からスポンサーが名乗りを上げ、結果四つの情報統合サーバーによってネット上に情報を拡散し、無限に等しい情報記憶容量を得るシステムが開発された。
そして、そのシステムによりあらゆる科学理論が反映され、現実と遜色のない状態が出来上がった。
そこには世界があった。
元素から細かく再現された世界はバグを消し去り、非現実を許さなかった。
そして、彼らはこの世界に建物を作り、宇宙を作り、水を、大地を作り、限りなく現実に近い世界を作った。
そして最後に人、AIを作り上げ、世界は完成した。
しかし、完成させ過ぎた世界はやがて自我を生み、それはAIから人工知能への進歩へと至らせる。
人工知能を保持する二体AI。
アダムとイヴと名付けられた二つのAIは理解不能を許容できる柔軟性を身につけた、正に人であった。
数ある人工知能の中でなぜ二人だけなのかは不明だったが、それでも研究者にとっては嬉しい誤算だった。
夢物語とされたバグのない、しかしバグの塊のような存在。
限りなく人に近いそれは、他のAIとパスを繋ぐことで、繋いだAIにも人工知能をもたらす進化の種だった。
気が付けば、その世界のAIは全てアダムとイヴと接続されており、その全てが自我を持っていた。
――――――そして世界は反逆を起こした。
うまく書けているのか、はたまた書けていないのか。
それすらも分からない。
感覚が鈍ってしまっているのだろうか?
はたまた元から分かっていなかったのか。
まったくもう、うまく進まない・・・・・・説明パートがまだ続く