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朝
気付けば朝になっていた
頭の上に青空が重くのしかかる街の朝だ
だが目の前の庭や路は日の陰りに覆われ
各々の仕事に専念しているみたいで僕は
彼らを横目に散歩する
雑木林を横切り
田園を横切り
眠気を横切り
風を横切り
陶酔
ああ
そして
僕の体は影からはみ出てやがて
すみれ色の青空の下で
せわしく動く既に疲弊した影たち
ロンドンブリッジの亡霊の彼らに休日は無い
だが影はせわしく
僕は彼らの横顔を見ることができないまま
彼らに混じって歩き
灰色の道を進んで交差点を右に曲がり
更にまた灰色の道を進む
その先にあるカフェーで
ミルクティーとクロワッサンを頼んだ
「いいかね全ては必然なんだ
何故なら偶然は不条理だからだ
世界はそう出来ているのさ」
そう隣の席の影は言って
空のグラスを眺めていた
まだ7時半だ