8/10
君は、その鏡の中から微笑む君を
別名「裸婦画」
何が言いたいのか分からないけれど、何かしっくりこなくて不安になるかもしれない羅列。
女がその中で微笑んでいる。
裸の女だ。
その画布に映し出されるのは、裸の婦人であった。
廊下の突き当たりの部屋、常にカーテンの引かれた薄暗い洋室にそれは飾ってある。
子供の頃からそこにいて、あせることなく微笑んでいた。
――いったい、誰なのだろう。
瞳には、今もその女しか描かれていない。
それは本当に描かれたもの?
――その女は、誰なのだろう。
その裸の女を見つめている。
それは本当に映っていたもの?
――そこに映っていたのは、
それは、生き物なのか。
瞳に写るその姿を、いつまでも。
絵の中、鏡の中、瞳の中に。
老いることのない人形は、いつまでも鏡の前で見つめている。




