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冒険への呼びかけ

構築こうちく「コウチ」剣士けんしはフリーランスのエンジニアである。

ある日突然、彼は思いがけない提案を受ける――壊滅的な戦争によって荒廃した異世界へ送られるというものだった。


彼に与えられた使命は二つ。

人々が新たな文明を築く手助けをすること、そして「冒涜ぼうとく」と呼ばれる存在を滅ぼすことである。

日本のとある都市。今夜もまた、いつもと変わらない夜だ。

街の通りを、一人の若い青年が買い物袋を手に家へ向かって歩いている。彼の頭の中にあるのは、ただ日常的な悩み事ばかりだ。

その考えも、家の扉を開けるために立ち止まった瞬間、いったん途切れる。

部屋の明かりをつけると、彼の姿が見える。

白い肌に、ワイン色の虹彩を持つ少し疲れた目。髪は茶色で、毛先はわずかに赤みがかった明るい色をしている。服装はごく普通だ。シャツに上着、ズボン、そしてスニーカー。

???

「ただいま……」

軽くシャワーを浴び、買ってきた物――つまり夕食の準備を少し済ませたあと、彼は作業机へ向かう。

机のライトをつけると、その上にあるものが見える。

それは建築設計の図面。そしてその上部には、設計者の名前が書かれていた。

構築こうちく「コウチ」ケンシン

我らが友人コウチは、フリーランスの土木エンジニアだ。

彼は設計を作り、それを興味のある相手に売っている。

現在、彼の仕事は少し低迷気味だが、それでも続けている理由がある。

それは情熱だ。その情熱が、彼に夢を追い続けさせている。

もっとも、この瞬間に関して言えば、彼の体はむしろベッドに倒れ込みたがっているのだが……。

コウチは鉛筆を手に取り、設計の続きを描こうとする。

しかしその直前、彼のまぶたが重くなり始める。

一度。

二度。

そして三度目に瞬きをしたとき――

気が付くと、周囲の景色が変わっていた。

彼は真っ白な空間に立っていた。

机も鉛筆も消えている。

しかし不思議なことに、さっきまでの眠気は完全に消えていた。

代わりに、混乱が頭の中を満たしている。

コウチ

「なっ!? ……な、何だこれ!?」

周囲を見回しても、何もない。

――ただ一つ、銀色の球体を除いては。

他に手がかりもないため、コウチはその球体に近づくことにした。

近づくにつれて、球体の細部が見えてくる。

大きさは、彼の胴体ほどもある。

さらに近づいたとき、半ば無意識の衝動のように、彼はその球体に手を触れてしまった。

するとその瞬間――

球体の内部に、いくつもの映像が浮かび上がる。

そこには、

深い森の風景、

崩れた遺跡、

雪に覆われた地域、

そして火山地帯。

しかし、どれも見覚えのない場所だった。

コウチ

「……ここは、どこなんだ?」

???

「本当に美しい場所だろう?

残念なことに、今ではすっかり荒廃してしまったがね……」

コウチ

「!?」

コウチは驚いて周囲を見回す。

声は聞こえた。

だが、どこから聞こえたのか分からない。

数秒後、鼓動が落ち着き始めたころ、彼は再び球体の方を見る。

するとその背後に、人影が見えた。

のぞき込むと、そこには一人の男が立っていた。

中背で、白い肌。

長い白髪に、黄金色の瞳。

顔には眼鏡をかけている。

衣服は、淡い色の着物と羽織。

???

「やあ、若者よ……」

コウチ

「あなたは……誰なんですか?

それに、ここは一体どこなんです?」

???

「私の名はソラエモン。

信じるかどうかは君次第だが……私は神だ。

会えて嬉しいよ、少年。」

コウチ

「神……?」

ソラエモン

「信じられないなら、後ろを見てごらん。」

コウチ

「後ろ……?」

半信半疑のまま、コウチは振り向く。

すると――

そこにもソラエモンが立っていた。

コウチ

「いつの間に……!?」

慌てて前を見る。

そこにも、やはりソラエモンがいる。

コウチ

「二人いる!?」

後ろのソラエモン

「左を見てみなさい。」

コウチが左を見ると、そこに三人目のソラエモンがいた。

さらに左を見るよう促されると、四人目。

混乱したコウチがあらゆる方向を見ると、

すべての方向にソラエモンが現れていた。

コウチ

「わ、分かった! 分かった!

もう信じます! ……でも、ここはどこなんです?」

ソラエモン

「ここは世界と世界の狭間だ。」

コウチ

「じゃあ、どうして俺はここに?

まさか……突然死んだとか!?」

ソラエモン

「い、いやいやいや!

違う違う! 君は死んでいない。

私がここに連れてきたんだ。」

コウチ

「じゃあ……どうして俺を?」

ソラエモン

「それは、君が見たあの球体の映像に関係している。」

コウチ

「もう少し詳しく説明してもらえます?」

ソラエモンはゆっくり語り始めた。

「まず、私のことを少し話そう。

私は旅をする神だ。世界から世界へ渡り歩き、その世界を知り、そしてまた旅立つ。

しかし、ある世界に到着したとき……

初めて例外が起きた。

その世界の名は――ティエラスタル。

私はそこを深く愛するようになり、その住人たちにも特別な愛着を抱いた。

そして初めて、そこに永住する決断をしたのだ。」

コウチは、ソラエモンの言葉に込められた深い愛情を感じ取っていた。

ソラエモンは続ける。

「しかしその世界には、大きな問題があった。

**“インフェルナル”**と呼ばれる存在だ。

その起源は誰にも分からない。

だが彼らの目的だけは明らかだった。

混沌、争い、死、破壊。

彼らは他のすべての種族を憎み、争いを楽しむかのように各地で戦争を引き起こした。

そしてついには――

世界全体を巻き込む大戦争を起こした。」

神々の争いにも匹敵するほどの戦いだった。

だが最終的に、彼らの傲慢さは彼ら自身を滅ぼした。

インフェルナルは――完全に滅びた。

コウチ

「……それって、ハッピーエンドじゃ?」

ソラエモン

「そうとも言える。

だが、その戦争は千年続いた。

無数の罪なき命が失われ、

多くの国家が地図から消えた。

現在、生き残った者たちは小さな孤立した集落で暮らしている。

……そして私は、彼らを助けることができない。」

コウチ

「神なのに……?」

ソラエモン

「これを見てくれ。」

彼は横にポータルを開いた。

そしてその中に手を入れる。

数秒後、手を引き抜いたとき――

その手は死体のように腐敗した姿になっていた。

コウチ

「なっ!? 大丈夫なんですか!?」

ソラエモンの手が再生する一方で、球体の映像が変わる。

そこには巨大な建造物が映っていた。

城塞のような構造物が、

ブルジュ・ハリファすら子供の遊具に見えるほどの高さの塔を囲んでいる。

ソラエモン

「これは**“冒涜ブラスフェミー”**と呼ばれる建造物だ。

これが放つ瘴気は、私にとって致命的だ。

さらに、私が作り出した力の顕現をすべて破壊してしまう。」

コウチ

「……つまり、俺に代わりにやってほしいってことですね。」

ソラエモン

「若きコウチよ。

私に力を貸してくれないか?」

コウチ

「……神の使命、ですか。

急すぎて、ちょっと怖いですね。」

コウチは数日考える時間を求めた。

ソラエモンはそれを受け入れ、

戻るための転移宝石を渡した。

その後の日々、コウチは考え続けた。

現実の生活は、どこかくだらなく感じられた。

仕事もうまくいかない。

そして次第に、ある思いが大きくなる。

もっと大きな目的。

10日後。

コウチは再び白い空間に戻ってきた。

コウチ

「ソラエモン様。

……あなたの提案を受けます。」

その言葉に、神は大きな喜びを見せた。

準備が始まる前に、コウチは一つ質問した。

コウチ

「どうして……俺なんです?」

ソラエモン

「しばらく前から君を観察していた。

君の創造力と可能性を見ていたのだ。

……それに、怒らないでほしいが――

もっと良い候補はすでに他の神に取られてしまっていてね。」

コウチ

「……なるほど、正直ですね。」

ソラエモンは三つの光の球を作り出し、それらを一つに融合させた。

それをコウチへ差し出す。

「これは私からの贈り物だ。

触れれば体に取り込まれる。」

コウチが触れると、光は彼の体に吸収された。

光が収まると――

彼の服装が変わっていた。

濃い青の服。

赤茶色の革の胸当て。

同じ素材のベルトとブーツ。

黒い指なし手袋には、手の甲に金属板。

コウチ

「おおっ!

めちゃくちゃかっこいい!」

ソラエモン

「それだけではない。

君の体には魔力源を作った。ティエラスタルに適応するものだ。

時間が経てば完全に君の一部になる。」

さらにもう一つ。

「繁栄と守護の祝福も与えた。

将来の家族、そして子孫にも及ぶだろう。」

コウチ

「……ありがとうございます。」

ソラエモンは最後にポケットから小さなものを取り出した。

コウチ

「それって……てるてる坊主?」

ソラエモン

「かわいいだろう? 私が作った。」

「これは私が視覚と会話を共有できる人形だ。」

「ティエラスタルを観測する力が限界に近いのでね。」

コウチ

「なるほど、連絡用ですね。」

すべての準備が整った。

ソラエモンはティエラスタルへの門を開く。

ソラエモン

「準備はいいか、コウチ?」

コウチは深く息を吸う。

そして――

迷いなくポータルへ踏み込んだ。


続く…


最初の章ですが、その前提があなたを惹きつけることを願っています...

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