表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

【Lv.1の童貞探偵】異世界で俺の性魔術解析が世界の穢れの記録を暴くが、魔王に童貞を独占予約されました

掲載日:2025/10/28

【Lv.1の童貞探偵】異世界で俺の性魔術解析が世界の穢れの記録を暴くが、魔王に童貞を独占予約されました

序章 ∣ ミステリーツアーと清浄な呪い


久我奏太は、触れたものの記憶を読み取り真実を暴くサイコメトリー能力を持つ探偵である。しかし、この力には致命的な制約があった。事件の「呪いの核心」となる深遠な真実を引き出すためには、女性の胸を「揉み込む」という、極めて倫理に反する行為が不可欠なのだ。この能力は、奏太にとって「真実を知るための光」であると同時に、彼自身の「倫理と童貞としての自意識を破壊する呪い」でもあった。触れるたびに、彼は「経験」という名の猛毒に侵される。


豪華客船「オリエンタル・クイーン号」のダイニングサロン。重厚なクリスタルシャンデリアの光が、血と酒で汚れたベルベットの絨毯を不気味に照らしている。久我奏太は、呼吸を乱しながら現場の中央に立っていた。彼の頭は、まるで沸騰しているかのように激しく脈打っている。事件解決のため、彼はすでに数名の女性の胸に触れて【サイコメトリー】を発動した後だ。その都度、肉体組織に深く刻まれた過去の愛憎、裏切り、そして絶望の「穢れの記憶」が、洪水のように童貞の清浄な精神に流れ込み、彼を内側から蝕んでいた。この行為こそが、彼にとって呪いだった。脳細胞が悲鳴を上げている。


久我の探偵相棒のユウキが、息を呑むような緊張感の中、最終的な証拠の品を犯人の女の前に突きつけた。


「犯人は、あなただ!動機は、亡くなった被害者への嫉妬と、満たされない自尊心。それは、久我さんのサイコメトリーによって、あなたの胸に深く刻まれた穢れから導き出された真実です!」


女は、端正な顔をゆっくりと歪ませ、嘲りの笑みを浮かべた。


「よく分かったな、久我奏太。その童貞のくせに、人の業の深さだけを覗き見る、忌々しい『清浄な呪い』で」


女は、ドレスの裾に隠し持っていたブロンズ製の鈍器を抜き放ち、雄叫びと共に奏太の頭部をめがけて振り下ろした。


「ッ、久我さん!」


ユウキの制止も間に合わず、鈍器は奏太の頭の側面を直撃した。


ガァンッ!


激痛が、脳を貫く雷鳴のように響き渡る。奏太は膝から崩れ落ちた。


「久我さん、大丈夫ですか!?」ユウキの焦った声が、分厚いガラス越しのように遠い。


「う、ユウキくん……もうだめだ……」


視界は、鮮烈な赤と、怨嗟の穢れの記憶が混じり合った濁流に呑み込まれ始める。鈍器で打たれた頭部の物理的な痛みと、サイコメトリーで溜め込んだ精神的な穢れが、臨界点を超えて結合した。船内の華やかな光が歪み、空間そのものが激しいノイズを上げて引き裂かれるような感覚が、全身を襲う。


意識が途切れる直前、奏太の脳裏を過ったのは、この地獄のような呪いから「逃れたい」という、童貞らしい切実で純粋な願いだった。


第一章 ∣ 異世界転移とLv.7の戦友


見知らぬ森の中。目を覚ました久我奏太は、全身に走る激しい頭痛と吐き気で、まずは泥まみれの地面に片膝をついた。周囲は鬱蒼とした森で、昼間だというのに薄暗い。空気は湿気を帯び、鼻腔を突くのは、土と腐葉土、そして異様に生々しい、濃い体臭のような匂いだった。


「おい、大丈夫かよ、久我?」


ガサガサと音がした方を向くと、元大学の同級生だったヤマトが、血の気が引いた顔で丸太のようなものを熱心に掘り返していた。ヤマトは大学時代より明らかに傲慢で、顔全体に不規則な肌荒れが目立ち、不健康な様相を呈している。


「あれ? 久我か!お前、なんでここに?」ヤマトは振り返り、掘っていた道具を放り投げて、目を丸くした。


奏太は混乱したまま問い返す。「ヤマト……大学の時の同級生じゃないか。元気か」


ヤマトは、奏太の童貞らしい整った顔立ちを眺め、鼻を鳴らした。


「俺はもうここにきて二年だよ。クソみたいな場所だ。魔王城の近くの街にある娼館で、細々と清掃・雑用まがいなことやってる。生活はギリギリだ。まさか、お前みたいな綺麗なお坊ちゃんが、この地獄に墜ちてくるとはな」


奏太は鈍い頭痛に耐えながら、目の前の現実を受け入れられずにいた。「はぁ。なんでここに……いや、その直前に女に(事件の真実を)告白したんだけど、女に振られて(真実を否定されて)さ、鈍器で頭を殴られてさ。なんか頭痛くなって、そしたらよ……」


ヤマトは、奏太の言葉の「告白」「女」「振られた」という単語だけを拾い上げ、目を輝かせた。


「おいおいおい!マジかよ久我!お前も俺と同じで振られてばかりか!」


ヤマトは感動したように奏太の肩を乱暴に叩いた。


「やっぱりお前、童貞のくせに顔だけ良くて中身が地味だから、女は逃げるんだ! 俺もそうだった!金持ちなのに、このぶ男の顔と中身で、向こうじゃ散々だった!まさか、この異世界で、俺と同じ苦しみを抱えた戦友に会えるとはな!勝手に意気投合させてもらうぞ、久我!」


「そりゃあ、お前、顔も頭も良くて、性格も良いのにもったいないよな。大学の時もそうだったけど、女の子苦手で、向こうじゃ童貞だったんだろ?」ヤマトは、先輩風を吹かせ、自身の状況を自慢げに語りだす。「お前は確か小説家になったんだったよな。文学部の中でも文才、並外れてたもんな。最近は、ミステリー作家を活かして探偵業もやって有名らしいな。俺の方だけど、金持ちになりたくて、向こうじゃ一応銀行マンやってたわ。せっかくモテる職業についたのに、この顔で振られてばかりよ。だが、安心しろ。こっちでようやく卒業した!笑」


ヤマトは顔を近づけ、低い声で囁いた。


「いやぁ、女ってのは良いぞ。こんなに気持ち良いとはなぁ……人間、な!」


ヤマトはそう口にしながら、鼻の下をこすり、苦々しい顔で右の頬をさすった。その皮膚の下には、わずかに治りきっていない傷跡が見て取れる。


「……チッ。見てるだけでよ、我慢できなくなるんだよ。クソッ、娼婦館で、あんなに良い女(経験値)を眺めてるだけなんて地獄だ。この間も、無理やりやろうとしてさ。一番レベルの低い、Lv.45の娼婦相手に襲いかかったんだ。そしたらよ、パンチ一発で。グァンッ!と。Lv.7の俺は、そのまま気絶して、3日後に教会で目ぇ覚ましたわ」


ヤマトは吐き捨てるように言葉を続けた。


「娼婦強すぎるんだよ! 俺みたいな雑魚(Lv.7)じゃ、金払っても経験させてもらえねぇ。この異世界じゃ、純粋な経験人数がそのまま戦闘能力に直結するんだ。Lv.45の娼婦なんて、それだけの数と質の経験を積み重ねた歴戦の猛者だ。金で体を売ってるんじゃない、彼女らはレベルアップのための戦闘者なんだよ」


奏太は困惑と嫌悪で首を振った。「いや、ヤマト、その……人間って?」


ヤマトは、その醜い顔に深い絶望を滲ませ、力なく首を振った。


「人間はもう無理だ。あいつらはLv.7の俺なんか相手にしねえ。だからよ、違うよ、モンスターだよ! ほら、そこにいるだろう。スライム! 形は女だが、あれなら抵抗が少ない。レベル1からでも相手にしてくれるんだ。気持ち良いぞ!」


(経験って、人間じゃないのね。...人間じゃなくても、いいのね)


奏太は、この世界のシステムが、人間同士の愛憎や絆ではなく、単なる性的な行為の数をレベルとしてカウントしているという、あまりにも皮肉で、悍ましい事実に直面し、静かに吐き気を催した。それは、彼の倫理観の根底を揺るがす、「経験」の価値の歪曲だった。


ヤマトはスライムを指さし、再び自慢げに胸を張るが、その瞳はすぐに潤んだ。


「まあ、本当は人間が良いんだけどな……くそっ!」ヤマトは小さく呻き、溢れた涙を拭った。彼の胸にあるのは、レベルアップへの渇望か、人間という「経験値」への届かない憧れか。


そしてヤマトは、急に真顔に戻り、周囲を警戒しながら奏太に告げた。その眼差しは、先ほどの情けなさとは打って変わって、冷酷で現実的だった。


「いいか、久我。ここはな、貴様らの元いた世界とは違う。ここは、文字通り、経験人数がレベルになる世界だ。だからこそ、Lv.7の俺でも、Lv.1の貴様でも、スライムやゴブリン相手に経験を稼いで生きていけるんだよ。分かったな、Lv.1の童貞探偵」 ヤマトは、自身がLv.7であることの威厳を見せつけるように、荒々しく鼻を鳴らした。


「久我、テメェはLv.1の雑魚だろ? いいか、先輩のレベル上げを見てろ。レベル上げどうやるか、見てろよ!」


ヤマトは、持っていた魔道具を地面に叩きつけ、呪文を唱えた。モヤの中から現れたのは、淡いピンク色の、女性の姿を象った透明なスライムだった。その姿は、いかにも最低レベルの経験値であることが見て取れた。


「ヒヒッ!これでも経験人数1だ!これでレベルアップだ!」


ヤマトは、そのぶ男の醜い顔を歪ませながら、スライムに飛びかかった。奏太は思わず目を背けたが、遅かった。


ヤマトがスライムと行為に及ぶ、おぞましい「穢れの記録」が、奏太の脳内へ強制的に流れ込み始める。


奏太は、この時初めて、自身の能力の変化を自覚した。


(現実世界で【サイコメトリー】と呼んでいた俺の能力は、どうもこちらでは【性魔術解析】という、最強クラスの呪文みたいだ……!もちろん、女性のみの対象だが、過去もすべて見れるし、この世界では、特別に相手の弱点を見極められる能力に変質している!)


しかし、奏太の視界には、スライムは透明であるため、ヤマトの小さなブツが、スライムの内部で情けなく上下に揺れ動く様子が強制的に映し出された。


ヤマトは顔を紅潮させ、無理やり快感の声を絞り出す。


「うっ、気持ち良い!あっ、あっ!」


というものの、行為は全く成就しない。ヤマトは明らかに遅漏で、必死に体勢を変え、時間を稼ごうとしているが、スライムは微動だにしない。


数分後、ヤマトは顔面蒼白になり、ぐったりとスライムの上で倒れ込んだ。


「くそっ! 中折れだ! 全く行かない……!もうだめだ!」


ヤマトは心底悔しそうに、スライムから身体を離した。


「今日はこれまでだ。もう感触に慣れすぎて、いくのに調子良くても1日以上かかるんだ……クソ」


ヤマトは涙目で、情けなく地面に唾を吐いた。


「人間とかエルフなら速攻なのにな!レベル7の俺を満足させられるのは、もう人間以上の高レベルの経験値しかいないんだよ!最低レベルのスライムごときに、俺の貴重な経験値を割いてるのがムカつく!」


ヤマトの情けなさと、レベルへの俗物的な焦りが、奏太の【性魔術解析】に、汚れた感情の塊として深く刻まれた。童貞の奏太は、ヤマトの性的な挫折と屈辱の記憶までも共有させられ、全身に悪寒が走った。


「くそっ、この気持ち悪さ……」


奏太は、ヤマトの情けない穢れの記憶を打ち消すため、衝動的に行動した。彼は力尽きて横たわるスライムに近づき、震える手で、そのプルプルとした透明な胸部にそっと触れた。


「【性魔術解析】!」


スライムの過去は驚くほど清浄で薄いものだった。ただの生命体としての記憶と、ヤマトの醜い欲望を受け止めた直後の極度の嫌悪感が、奏太の頭に流れ込んできた。


奏太は、スライムの感情を読み取り、愕然とした。


(スライムもヤマトのこと気持ち悪かったんだな……!しかも、小さいから全く入った感なかったみたいだ。だから、ヤマトの醜い欲望と遅漏に、生命体として純粋な拒否反応を示していたんだ……!)


奏太は、スライムが抱いた純粋な嫌悪感という、最も根源的な心を共有した。その瞬間、スライムは、奏太の童貞の清浄さと、自身と同じ嫌悪感を共有したことで、彼を同族と認識した。


解析を終えたスライムは、突然、ヤマトとは正反対の「清浄さ」を感じ取ったかのように、奏太の足元に体を寄せた。


「ふに……」


心を共有したことで、スライムは完全に奏太になついたのだ。これは、もはや単なる解析ではない。奏太は、【性魔術解析】によって、対象の心を完全に理解し、仲良くなるという、モンスター使いに近い特殊な能力を、無意識に手に入れていた。


奏太は、自分の能力が敵を倒す「弱点を見極める」手段になることを確信したが、その思わぬ副作用に戸惑った。


しかし、ヤマトは奏太の行動を見て、血走った目で叫んだ。


「おい、久我!何勝手に俺のスライムを懐かせてやがる!テメェ、レベル1のくせに俺より先に……!」


ヤマトは、スライムの裏切りと、奏太への嫉妬が、再び奏太の脳内に醜い記録を刻む。ヤマトは、スライムが奏太になついた事実に耐えられず、地団駄を踏んだ。


ヤマトがスライムに嫉妬し地団駄を踏む傍らで、奏太は、ヤマトの情けない醜態と、Lv.1である自分の無力さを改めて痛感していた。


(この世界で、Lv.1の童貞で、しかも【性魔術解析】という呪いを抱えたまま生き残るには……)


奏太の思考は、即座に結論に達した。


(仲間が必要だ。この世界は弱肉強食すぎる。ヤマトのLv.7では、スライム相手でも中折れして泣き言を言う始末……ヤマトじゃ話にならん)


第二章 ∣ 裏技の起動とLv.9501の最強の仲間


奏太が向かったのは、ルイーダの店――ではなく、街の片隅にある、やけに豪華な「転生者向けサポートセンター」だった。


受付には、豊満な体つきの、陽気なエルフの美女が座っていた。奏太は、彼女がこの施設の中核を握る人物だと直感し、そして、【性魔術解析】の唯一の発動条件を思い出した。


「すみません」


奏太は躊躇しつつも、探偵の冷静さと童貞の勇気を振り絞り、彼女の服の上から、そっとその豊かな胸部に触れた。


「きゃっ!」


エルフの美女は、驚きの叫びを上げると同時に、その長い腕を大きく振りかぶり、奏太の頬に渾身の激しい平手打ちを食らわせた。


バチンッ!という乾いた衝撃音と共に、奏太は床に吹き飛ばされた。チート特典どころか、能力発動の代償として壮絶な痛みと、エルフの「純粋な怒り」の記憶を頭に焼き付けられた。


しかし、奏太は激痛に耐えながら、床に這いつくばったまま、解析結果に愕然とした。


(【性魔術解析】完了!このエルフ、転生者サポートセンターの裏の管理者だ!この施設は、「童貞」という純粋な魂を持つ転生者が来るのを待っていた! そして、彼女の心の奥には、『純粋な魂を持つ者には、一人だけ特別なチート特典を与える』という、隠された『裏技のシステムデータ』の記録が刻まれている……!)


エルフの美女は、床に倒れる奏太を、高貴な瞳で見下した。


「汚らわしい。いきなり他人の胸部に触れるなんて、Lv.1の童貞にすら許されない行為よ」


彼女は、口元を扇子で隠しながら、ふと真顔に戻った。その瞳には、侮蔑と同時に、異質なものへの強い興味が滲んでいる。


「……ただし、貴方の魂の『清浄な記録』は、確かに本物だわ。私の管理するシステムが、貴方のような『純粋な器』を認識している。仕方ないわね。この特典は本来、もっと立派な勇者様に与える予定だったのだけれど」


エルフの美女は、吐き捨てるように、しかし耳元に囁くように続けた。


「いい? 特別よ。貴方みたいに、いきなり胸を触ってくる『変態童貞』にチートを渡すなんて、私も気が進まない。でも、システムエラーを起こされたら困るから。一人だけ、貴方専用の『特別裏技』を起動させてあげる。感謝なさい」


奏太は、解析で読み取った「裏技の起動パスワード」を、腫れ上がった口元から絞り出した。


「くっ……!合言葉は……『清浄なる記録者』!」


その瞬間、エルフの美女の表情が一変した。彼女の豊満な胸部から、眩い光が放たれ、その光が空中でイケメンの男の形を成した。


「久我様、お呼びでしょうか」


男は、イケメンで、筋骨隆々。そのレベルは常軌を逸したLv.9500。彼こそが、奏太が童貞という「清浄さ」と、エルフの心の「裏技のデータ」を解析したことで得た、レイジという名の最強の仲間だった。


エルフの美女は、鼻を鳴らし、そっぽを向いた。


「フン。本当に呼び出したわね、あの童貞。……ま、私が見込んだ『清浄な穢れを記録する器』だもの。せいぜい、この世界を面白くしてちょうだい。レイジ。彼がちゃんとやっているか、逐一私に報告するのよ」


その言葉は、奏太の今後の行動が、エルフの管理者によって密かに監視され続けることを示唆していた。 その瞬間、エルフの美女の表情が一変した。彼女の豊満な胸部から、眩い光が放たれ、その光が空中でイケメンの男の形を成した。


レイジは、平手打ちを食らって床に倒れている奏太の前に跪き、まるで神を崇めるように頭を下げた。


「レイジ、魔王討伐までお供いたします。そして、久我様の『清浄な童貞』と『穢れを記録する呪い』が、この世界の真実を明らかにするでしょう」


レイジの強烈なカリスマと忠誠心に、ヤマトは顔を青くし、小さく呻いた。


「ちっ、運だけはいいな、あの童貞探偵め……」


ヤマトは、最強のレイジがLv.1の奏太に絶対服従している光景を見て、嫉妬と打算を同時に働かせた。しかし、その虚栄心は、レイジの圧倒的なレベル(Lv.9500)を無視して爆発した。


ヤマトはレイジの前に仁王立ちになり、威圧感を出そうと必死に胸を張った。


「おい、久我!俺もいるぞ!俺はLv.7だ!最強のレイジと、俺の汚い経験値を合わせれば、向かうところ敵なしだ!この最強の男を利用するために、俺もパーティに加わってやる!」


そして、レイジに向かって、顎を突き出した。


「いいか、レイジ!俺の方が久我より、2年先輩だし、レベルも上だ! 俺の方が先にパーティ入ってるから、レイジお前は俺より下だからな! 俺がこのパーティの勇者だかんな!」


Lv.9500のレイジは、Lv.7のヤマトの鼻先に笑みを浮かべ、「はいはい」というように生返事をした。その生返事の中に、ヤマトへの深い侮蔑が滲んでいることに、ヤマト自身は気づかなかった。


こうして、ぶ男で弱いヤマト(Lv.7)は、奏太のおぞましい呪いとレイジの規格外の強さを利用するため、パーティに強制的に加わったのだった。


レイジは、相変わらずLv.1の奏太を丁重に扱いながら、ヤマトを従えて王城へと向かった。


王都の中央にそびえ立つ王城は、威厳に満ちていたが、王の間に通された三人を待っていたのは、その威厳とは裏腹に、過度な経験による疲労で顔がやつれた中年男性の国王(Lv.110)だった。この国王もまた、この世界のルール、すなわち「経験値」の囚人であることが見て取れた。


「おお、勇者よ!よくぞ参られた!」


国王は形式的な歓迎の言葉を述べたが、その視線は、後方に控えるLv.9500のレイジに釘付けになった。


「Lv.9500……!まさか、この時代に、これほどの『穢れの記録』を抱えた者が現れるとは……」


国王は、レイジのレベルが表示されたステータスプレートを見るや、過度な経験による精神的負荷で全身を小刻みに震わせ、平伏した。レイジのレベルは、この世界の歴史において、もはや神話級の「業の深さ」を意味していたのだ。


国王は震える手で、奏太とヤマトのレベルも確認した。


「しかし、この二人はわし(Lv.110)より、弱いのでは……?」


国王は、Lv.1の奏太とLv.7のヤマトの低さに疑問を呈したが、すぐにレイジの圧倒的なオーラに飲み込まれた。


「ま、伝説の剣士レイジが復活したとなれば安心じゃな!この世界は、高レベルの存在が全てを支配する!」


「どうか、魔王を討伐していただきたい!報酬は惜しみません!」


国王は、金貨が山積みになったトレイをレイジの足元に押し出すように差し出した。その額は、奏太が現実世界で小説を書いても、ヤマトが銀行マンとして一生働いても稼げないほどの、途方もない大金だった。


その金を見たヤマトは、即座に目を血走らせた。


「おい、久我!見たか!これが勇者の報酬だ!俺たちがこの金で何をするか、わかるよな?」


ヤマトは、レイジがこの大金をレベル上げのための女性や道具に使うことを瞬時に見抜き、その穢れた経験を共有することに、すでに興奮していた。


レイジは、金貨には目もくれず、「すべて久我様のために使います」と恭しく金を受け取った。


国王はレイジの献身に喜び、さらに提案した。


「そうじゃな……。伝説の剣士レイジ殿、そしてLv.1の清浄な久我殿のために、レベルアップのための女の子を用意しようかね」


「それ!」国王は指を鳴らした。


その瞬間、部屋の扉が開き、女性達が列を成して入室してきた。彼女たちは皆、露出度の高いバニーガールの衣装を身に纏っている。その肉体美と、経験によって鍛え上げられたレベルの高さが、見ただけで感じられた。


「バニーちゃん達10人! 皆、経験豊富で可愛いじゃろ!」


「うっひょぉおお!」


ヤマト(Lv.7)は、その光景に興奮し、鼻血を噴き出しそうになった。彼の醜い欲望が、奏太の脳内を直接叩く。


国王はレイジに向かって言った。「この城の隣の宿屋の大部屋を使って良いぞ!朝まで存分に励んで、レベルを上げ、魔王を討伐してくだされ!」


レイジは、バニーガールたちを一瞥したが、興味があるのはあくまでも「経験値」と、その「穢れ」の記録を久我奏太に捧げることだけだった。


レイジは、まず奏太に恭しく頭を下げた。


レイジが「では、仕方ないですね。久我様、」と、まるで奏太に気を使っているかのような優しい声で語りかける。


「貴方の『清浄な記録』を汚す穢れを、周囲に撒き散らすわけにはいきません。私一人で全て引き受けましょう。どうぞ、お気遣いなく」


ここでレイジは、冷静に国王に尋ねた。


「陛下。ありがとうございます。しかし、レベルアップの効率を最大限に高めるため、道具アイテムが必要となります。街の専門店を教えていただけますか?」


「おお!もちろんだとも!」


レイジは、王からもらった依頼金の中から大量の金貨を手に取り、一旦パーティを離れた。数十分後、彼は重そうな革袋を提げて戻ってきた。 宿屋の一室。レイジが中身を広げると、そこには黒光りするバイブ、鞭の先端に蝋が垂れたSMムチ、そして大量のアロマキャンドルと蝋燭といった、レベルアップのための道具アイテムが所狭しと並べられた。


「久我様、今宵、レベルアップに励みます。私の穢れの記録は、すべて久我様の『清浄なる記録』として還元されるでしょう。どうぞ、耐えてください」


レイジはそう告げると、バニーガールたち全員と、それらの道具を引き連れ、「私が全部いただき、レベルアップに励みます」と宣言し、隣室の扉を閉め、防音の魔法陣を起動した。


その夜、宿屋の一室。奏太とヤマトは、文字通り「レベル9500の地獄」を見た。


奏太とぶ男のヤマトの隣の部屋から、レイジが「せっせと女とやりまくる」たびに、膨大な「穢れの記録」が、まるで下水道の汚水が、勢いを増して童貞の精神に逆流するように、奏太の脳内に流れ込んできた。


「気持ちいい!」「ああん!もっと強く!」「レベルが上がるぅ!蝋燭が熱い!」「私のレベルも上がっていくわ!」


地獄だった。レイジの凄まじい経験と、相手のバニーガールたち(Lv.数十~百超)の快感、恍惚、そして「経験値稼ぎのプロ」としての魂の叫びが、奏太の脳内の「童貞部位」を、直接、鈍器のように、一晩中叩き続けた。


「くそっ……!止めろ……!これ以上、俺にLv.9500の記憶を押し付けるな……!俺はLv.1なんだ!脳がパンクする!」奏太は童貞の呪いによる精神的な苦痛で悶え、枕に顔を押し付け、「清浄」の涙を流す。


隣で聞いているヤマトも、レイジの圧倒的な「経験値」の差に耐えられなかった。


「ううっ、羨ましい……!なんで俺にはできないんだ!Lv.7の俺じゃ、スライム相手でも中折れするのに! あいつは一体何人相手にしてやがるんだ!?しかも、バイブとムチ使ってLv.9500かよ!汚ねぇ!」ヤマトは嫉妬と劣等感で布団を噛みちぎり、「俗物」の涙を流す。


奏太は童貞の呪いによる精神的な苦痛で、ヤマトは圧倒的な経験格差と、自分はスライムしか相手にできないという屈辱で、二人は揃ってベッドで顔を覆い、男泣きに泣き崩れた。


長い、地獄のような夜が明けた。


朝方、レイジの部屋から「ドサッ」という重い音が聞こえた後、奏太の脳内には、疲労困憊したレイジと10人の女性が11Pの快感の限界で共に涙を流し、完全に燃え尽きた様子が、鮮明な映像として記録された。その映像は、地獄絵図のような快感と疲労の果ての、どこか神々しい昇天の瞬間のようにも見えた。


「クソが!まだ続くのか!」


レイジのレベルはわずかLv.9500からLv.9501へと、気の遠くなるような上昇を見せた。一方で、奏太の精神は、大量の穢れの記録を処理しきれず、完全に摩耗していくのだった。


朝の邂逅と穢れの残滓


奏太は、昨夜の精神的疲労でぼんやりとしながらも、洗面所に向かおうと部屋の扉を開けた。その瞬間、扉の前に一人のバニーガール(Lv.78)が立っていた。彼女は、昨夜の激しいセッションを終え、心なしか清々しい疲労感に包まれていた。


「あ、あの……おはようございます。久我様ですね?」


奏太は、Lv.1の童貞として、露出度の高いバニー姿の女性に声をかけられただけで緊張し、顔を赤くした。


「は、はい……」


「レイジ様から、あなた様が『この世界の希望』だと伺いました。昨夜は、私たちがレイジ様のレベルアップに協力させていただきました」


バニーガールは、奏太の警戒心を解くようににっこり笑い、恭しく頭を下げた。


「あの、少しだけ、あなた様の『清浄な記録』に触れさせていただけませんか? 私は、Lv.78まで『穢れ』を溜めてしまったので……」


バニーガールは、祈るような目で奏太を見た。奏太は、彼女の言葉の意味を完全には理解できなかったが、彼女の顔にはレイジと同じく、過剰な経験によるどこかやつれた疲労が見て取れた。


「あ、ああ、どうぞ……」


奏太が許可した瞬間、バニーガールは大胆にも、彼の右手を掴み、自身の大きく露出した胸の上に押し当てた。


「っ!?」


奏太の童貞の脳が警鐘を鳴らす間もなく、彼の「清浄な記録」に、彼女の「穢れの記録」が、津波のように逆流してきた。


【性魔術解析 Lv.78の記録を受信】


奏太の脳内に、昨夜の光景が超高解像度の映像と、強烈な体感として再生される。


――黒光りする「漆黒の電動王バイブ」が唸りを上げる!


――「女王の嘆き(SMムチ)」の先端の蝋が溶け、熱と痛みが快感に転じる瞬間!


――Lv.9500超えの男の圧倒的な経験と、10人の女性たちの快感の波が部屋を満たす!


彼女がレイジによって、経験値稼ぎのプロとして限界まで引き出され、快感と昇天の極致で涙を流し、魂が震える瞬間が、奏太の脳の「童貞部位」に直接刻み込まれる。


「う、あ……ぁあ……!」


奏太は、バニーガールの胸から手が離せない。自身の「清浄な記録」に、他人の、それも多人数参加型で高レベルの性的快楽の「穢れ」が、熱い鉄塊のように流れ込んでくる強烈な経験に、彼の精神は完全に耐えきれなかった。


「……ッッッ!!!」


奏太の童貞の精神と肉体の許容量を遥かに超えた「Lv.78の穢れの記録」を受信した結果、彼の鼻から、二筋の鮮血が勢いよく噴き出した。


奏太はバニーガールの胸から手を離し、後ずさりながら、手の甲でとめどなく流れる鼻血を抑えた。


その瞬間、バニーガールの身体が小刻みに震え、「ひゃんっ……!」と、予期せぬ甘い声が漏れた。奏太の清浄な右手が、彼女の最も敏感な部分を、偶然、もしくは魔術的な必然で撫でてしまっていたのだ。


奏太の脳内には、彼女の「Lv.78の経験をもってしても知らなかった、究極の快感の秘孔がそこにある」という、解析結果が流れ込む。そして、彼女の目が、穢れが浄化され、清浄な力を浴びたことによる特別な感情で潤み始めた。


「ん、んん……!ち、違う……これは……!久我様……あなた様の『清浄』な手……なのに……ッ! なんだか、あなた様には、特別な力があるみたい……!」


彼女は、Lv.78の熟練した肉体が、Lv.1の童貞の純粋な力による刺激に、全く抵抗できないことに驚愕し、腰をくねらせた。そして、その童貞の純粋さに、急速に懐き始めたのだ。


「あぁ……ありがとうございます、久我様。やはり、あなた様の『清浄な記録』は、私たちの穢れを一時的に浄化してくださいます。おかげで、またしばらく経験値稼ぎを頑張れそうです!」


バニーガールは、快感と、浄化による安堵、そして新しい「ご主人様」を見つけたかのような、複雑な視線を奏太に送りながら、爽やかに礼を言うと、そのまま廊下の角へと消えていった。


「く、くそっ……!なんだこれ、サイコメトリーなのか!?俺は、他人の経験の残滓で、脳が焼かれるのか……!しかも、鼻血を出した俺に懐き始めただと……!?」


奏太が鼻血を拭いながら、自分の能力が童貞にとって最も残酷な形で発動することに青ざめていると、隣で聞いていたヤマトが、目を血走らせて叫んだ。


「おい、久我!見たか!あの女の胸を触っただけで、お前、Lv.78の快感の記録を浴びたんだぞ!あれが『レベルアップのための道具』を使われた女の快感なのか!?羨ましい!俺にも触らせろ!」


ヤマト(Lv.7)は、鼻血を噴き出して悶える奏太を見て、逆に「高レベルの快感を浴びて鼻血を噴く」という行為そのものに、羨望と嫉妬を覚えるのだった。


その直後、レイジが隣室から戻ってきた。彼は疲労の色一つ見せず、爽やかな笑顔を浮かべている。


「久我様、ヤマト殿。おはようございます。今宵も無事、レベルアップと穢れの記録の回収が完了いたしました」


レイジはそう言って、昨日買い込んだバイブ、SMムチ、蝋燭などのアイテムを、器用に磨き始めた。


奏太は、昨日からの精神的苦痛と、今しがた浴びたダイレクトな快感の記録でぼんやりとした頭で、その道具をまじまじと見つめた。


「レイジ、それは……何だろう?」


ヤマトも、朝の光の下で輝く黒光りしたアイテムの造形を見て、目を輝かせた。


「お、おい久我!何この武器!?すげぇ厳つくて強そうだぞ! 俺が娼館で毎日磨いているこの道具を、いつか使ってみたいと思っていたんだ!」


ヤマトはそう叫ぶと、レイジが磨いていた巨大なバイブを手に取ろうとした。


「ふぁ!?」


奏太も、その奇妙な形状のアイテムを、つい「魔力のこもった特殊な鈍器」だと勘違いしていた。


レイジは、二人の純粋な疑問に対し、親切丁寧にその「武器」の性能を説明し始めた。


「これは武器ではありません、ヤマト殿。レベルアップ効率を極大化させるための補助アイテムです」


レイジは、巨大なバイブを手に持ち、真面目な顔でスペックを語る。


「この『漆黒の電動王』は、振動による攻撃力補正が攻撃力150に匹敵します。主に女性の快感耐性を削り、短時間で経験値を吸い出すためのアイテムです」


次に、鞭の先端に蝋が垂れたSMムチを持ち上げた。


「そしてこちら、『女王の嘆き』。これは物理的な魔力が魔力120に相当します。痛覚と快感を同時に刺激することで、より深く穢れの記録を引き出します」


レイジは、次々と道具を指し示していく。その言葉は、まるでゲーム内の最強装備の解説のようだった。


「で、これが、視覚と温度で精神を揺さぶるアロマキャンドルのセットです。特にLv.3000以上の高レベルの女性に対して有効で……」


奏太とヤマトは、レイジが夜な夜な行っている行為の具体的すぎる詳細と、その道具のスペックを真剣に語られている現実に、二度目の衝撃を受け、言葉を失った。


ヤマトの顔は、驚愕と、アイテムを使えなかった悔しさで、青と赤に染まっていた。彼は震える手で、漆黒の電動王バイブを指さした。


「そ、そんなすごい武器なら、俺たちが持てば……」


レイジは、それまで真剣だった表情を一瞬で緩め、優雅に笑った。


「ああ、残念ながら。これらの道具は、ただ、レベルが低いと使えません」


レイジは、トレイに並べられたアイテムを指でなぞった。


「これらのアイテムは、使用者の『穢れの記録』の総量、すなわちレベルに応じて、使用に必要な耐久力と精神力が設定されています。Lv.7のヤマト殿では、せいぜいこの『入門用ローション』でしょうか。ヤマト貴方が毎日、娼婦小屋で道具を手入れしていることは知っていますよ」


レイジは、『漆黒の電動王』(バイブ)を棚に戻しながら、奏太とヤマトに向かって、心底残念そうに、しかし優しく告げた。


「これが、まぁイカせまくりで凄いんですよ。ここに置いとくのでぜひ使ってみてください。って、あ、2人とも装備できませんでしたね(笑)」


Lv.9501のレイジの爽やかな笑顔が、Lv.1の童貞探偵とLv.7のスライム経験者の二人を、決定的な絶望の淵に突き落とした。ヤマトは、憧れの高レベル経験アイテムを目の前にして、手も触れられないという屈辱に、完全に打ちひしがれた。


第四章 ∣ Lv.500の清浄さとLv.7の崩壊


地獄の夜が明け、レイジによる「武器」の解説と「低レベルお断り」宣言に絶望した奏太とヤマトは、宿屋の一室の淀んだ空気に耐えられず、裏にある小さな森へ空気を吸いに出た。


奏太は童貞の呪いで全身が重く、ヤマトは昨夜の「経験格差」による劣等感で、ぶ男の顔がさらに陰鬱になっていた。


森の奥深く、木漏れ日が差す一角で、二人は一人の女性と遭遇する。長く伸びたプラチナブロンドの髪、透き通るような緑の瞳、そして人間離れした華奢で完璧な美しさを持つフェアリーだった。その存在感は、見る者を圧倒し、ステータスプレートにはLv.500と表示されていた。


「Lv.500……!王様(Lv.110)を遥かに超えている!」


レベル7のヤマトは、そのレベルを一目見るや、疲弊していた顔が一瞬で血走った。


「おい、久我!見ろ!美人なフェアリーだぞ!あの経験値があれば、俺は一気にLv.500は確実だ!レイジに並べる!いや、俺が真の勇者になる!」


ヤマトが強引に近づく前に、奏太の【性魔術解析】の衝動が理性を打ち破った。奏太は、このLv.500の強者の穢れの記録が喉から手が出るほど必要だった。


「すまない!」


奏太は、平手打ちを覚悟で、ヤマトよりも早く、フェアリーの雪のような白い胸部に、指先で触れた。


「【性魔術解析】!」


「きゃっ、誰!」


フェアリーは、驚愕と同時に、反射的な怒りを込めた強烈な平手打ちを奏太に放った。


バチンッ!


奏太は、顔の骨が軋むような激痛と共に、地面に倒れ伏す。しかし、Lv.500のフェアリーの「清浄な心」と、彼女の過去の記録が、奏太の脳内に流れ込んできた。彼女は、「レベルを上げるために迫ってくる低レベルの男たち」への純粋な嫌悪感と、厭世観を抱いていた。


(解析完了!このフェアリーは、究極の清浄さを保つあまり、汚い経験値を持つ存在に対して極度の嫌悪感を抱いている!彼女の弱点は、穢れによる精神的ダメージだ!)


さらに、解析の深層で、奏太の童貞の清浄さが、フェアリーの純粋な魂と一瞬だけ共鳴した。彼女の心に、「この男だけは、汚れたレベルアップを目的としていない清浄な異物」という認識が刻まれた。


ヤマトは、奏太が先に触れた行為に、驚愕と嫉妬でわめいた。


「おい、久我!テメェ、何しやがる!俺が先だ!」


ヤマトは醜い欲望を剥き出しにした。


「おい、フェアリー。ウホッ、俺とやらまいか?俺はLv.7だぞ。お前を最高に気持ちよくしてやる!俺の7のテクニックを見せてやる!」


フェアリーは、ヤマトの醜い欲望に満ちた瞳を、冷淡で侮蔑に満ちた目で見下ろした。


「失せなさい、穢れた獣。貴方のレベル7の浅い経験など、私には不要です。貴方の穢れの記録は、私のLv.500の清浄さを汚すだけ」


フェアリーは、ヤマトの顔を素手で軽く平手打ちした。その一撃は、Lv.500という高レベルのフェアリーの純粋な魔力が込められており、レベル7のヤマトの肉体を、横の巨木に叩きつけるに十分な威力を持っていた。


ヤマトは「ぐあっ!」という情けない声を上げ、Lv.7という経験値を誇った上での敗北という屈辱を味わいながら、そのまま地面に倒れ伏し、死亡した。


奏太は、すぐさまヤマトの亡骸を抱きかかえた。


「ヤマト!くそっ……!」


フェアリーは、ゴミを払うように手を一振りし、その完璧な美しさには微塵も動揺の様子を見せなかった。しかし、彼女の視線は、ヤマトの穢れを抱きかかえる奏太に向けられた。


(この男……Lv.1の童貞のくせに、穢れを嫌悪する私に、自らの命を顧みず触れてきた。彼の心に宿るのは、真実を知るという純粋な探究心のみ。あのヤマトのような下劣な欲望の穢れは微塵もない。彼の清浄さは、私の魂と共鳴する……)


フェアリーは、静かに一歩、奏太に近づいた。


奏太は、ヤマトの遺体を抱えたまま、警戒の目で彼女を見上げた。彼女の美しさが、ヤマトを瞬殺したほどの強大な魔力を秘めていることを、彼は肌で感じていた。


「久我奏太……貴方の『清浄な記録』は、本当に美しかった」


フェアリーは、そう呟くと、膝をついて奏太の顔に近づき、彼の唇に、雪のような冷たい感触のキスを静かに押し当てた。


「っ……!」


奏太の頭に、彼女のLv.500の清浄な感謝と、童貞の魂への親愛の記録が、微かな光として流れ込んできた。それは、サイコメトリーで触れた愛憎や穢れとは全く異なる、「清浄な共鳴」の経験だった。


「貴方は、私の『穢れ』を読み取りながらも、あの下劣な獣とは違う。穢れのない貴方には、私が受けた屈辱と、この森の清浄さを守ってくれたことへの感謝を刻みましょう」


フェアリーは、優しい瞳で奏太を見つめた。


「さあ、教会へお戻りなさい。貴方は、まだ汚れてはいけない。また会える日を楽しみにしているわ、清浄なる記録者」


奏太は、キスされた唇に呆然としながら、ヤマトを抱きかかえ、転がるように教会へと逃げ戻った。低レベルの世界では命は軽く、回復魔法も格安だ。


奏太は教会で格安の蘇生費を払い、横たわるヤマトの遺体を前にして、昨夜に続き、またも男泣きに泣いた。


Lv.7のぶ男が、Lv.500の美しさに完敗したという、精神的な屈辱とレベルの絶望的な格差。そして、Lv.500の女性からキスをされるという、清浄な童貞探偵としての優位性が、奏太の【性魔術解析】に、また深く刻み込まれるのだった。


第五章 ∣ 汚れた勝利とLv.5000の仲間

ヤマトがLv.500のフェアリーに瞬殺され、ローション臭くなって蘇生を終えた翌日、レイジは宿屋で奏太に語りかけた。


「久我様。ヤマト殿がLv.500という浅はかな経験値で命を落としたのは、私にとって重大な教訓となりました」レイジは深く反省したように頷いた。


「低レベルな者たちが、無駄な経験を積み、その命を落とす……。この負の連鎖を断ち切るには、最高効率の『経験値』を一刻も早く手に入れる必要があります」


レイジはそう言うと、一枚のチラシを奏太の前に突きつけた。そこには、魔王城近くの闘技場で開催されるという、「天下一武道会」の文字が踊っていた。


「この武道会の優勝賞品は、『伝説の経験値』と呼ばれる女性、ユリア(Lv.5000)です。彼女は、Lv.5000の強大な『穢れの記録』を持つだけでなく、その記録はレイジの最後のレベルアップに必須なのです」


「ユリアを獲得するためか。しかし、なぜLv.9501の貴方が直接出場しないんだ?」奏太は尋ねた。


レイジは、悲しそうな顔で首を振る。「久我様。私はLv.9501。天下一武道会のレベル制限はLv.500までなのです。私の穢れたレベルでは、ルールに則って戦うことすら許されません」


そしてレイジは、奏太の顔を両手で掴み、その童貞の瞳を覗き込んだ。


「久我様、よろしいでしょうか。貴方様には、ぜひユリア殿を獲得していただきたいのです。彼女こそが、私の最後のレベル上げに、どうしても不可欠な最高の経験値なのです。」


「だが、俺はLv.1の童貞だぞ!戦えるわけがない!」


レイジは奏太の顔を掴んだまま、残酷な真実を叩きつけた。


「心配ご無用!貴方には【性魔術解析】がある!相手の弱点、過去のトラウマ、そして快感の秘孔さえも瞬時に見抜ける!闘技場の女性戦士は、皆、『経験』を積むために戦っています。貴方の清浄なる童貞の力で、彼女たちの心の盾を破壊し、打ち負かしなさい!」


「卑劣だ!そんな手段!」奏太は絶叫した。


「卑劣こそ、この世界で最も効率の良い『経験値稼ぎ』です!」


レイジの計画に、ヤマトが口を挟んだ。


「お、おい!レイジ!俺もいるぞ!Lv.7の俺が、そのユリアってヤツを奪い取ってやる!」


しかし、レイジはヤマトを一瞥し、軽く鼻で笑った。


「ヤマト殿、残念ながら。貴方は『レベルが少し高すぎる』ので、出場できません」


「な、なんだと!?」ヤマトは激昂した。


レイジは優雅に説明する。「先ほども申し上げたでしょう? この武道会のレベル制限はLv.500まで。Lv.1の久我様は出場できますが、Lv.7のヤマト殿は、残念ながら『レベルが高すぎて、大会の品格を損なう』と判断されます」


「ち、ちくしょう!そうか、俺のLv.7の経験値は、この程度の大会には『高レベル』すぎて出られないのか!」


ヤマトは、顔面の醜態を歪ませながら、「レベル制限に引っかかったのは、俺の経験値が豊富だからだ」と、内心の「Lv.500超えの強敵相手に勝てるわけがない」という恐怖を、必死に誤魔化した。


ヤマトは、優越感と安堵で胸を張り、奏太に嫉妬の眼差しを向けた。


「くそっ、童貞はいいな、レベル制限に引っかからない」


こうして、奏太は、Lv.1の童貞でありながら、「闘技場唯一の童貞戦士」として、強制的に武道会へ出場させられた。ヤマトは、安全な観客席から、Lv.7の虚勢を張り続けるのだった。


武道会は、トーナメント方式で進められた。奏太の戦術は、極めて卑劣かつ非人道的だった。


一回戦:Lv.150の女戦士(貧乳のトラウマ)


対戦相手は、Lv.150の女戦士。全身を重厚な鎧で纏い、男勝りな性格で知られる彼女は、開始と同時に自慢の大剣を構えた。


奏太は、彼女の強烈な殺気を回避しながら、大剣の届かない一瞬の隙を突き、防御の上から彼女の胸に触れた。


(触った!硬いな……!?)【性魔術解析】発動!


奏太の脳内に、彼女の過去のトラウマが洪水のように流れ込む。それは、幼少期から男扱いされ、貧乳であることへの深いコンプレックス。そして、彼女が鎧の下に秘めている、誰にも言えない秘密のフェチは、「実はフリルのついたウサギ柄の可愛いエッチな下着」を身に着け、優しく扱われたいという、男勝りな外見とのギャップに苦しむ乙女心だった。


大剣を振り下ろす彼女に対し、奏太は解析結果を叫ぶ代わりに、童貞の清浄な魔力を手に込めた。


「貴女の『真実の記録』は、その重い鎧の下にある!解放するぞ!」


奏太は、触れた胸部から魔力を流し込み、【性魔術解析】の副作用として彼女のトラウマに関連する身体部位(鎧)を強制的に分解・解除する。


カランッ!カシャンッ!


鋼鉄製の重い鎧が、一瞬でパーツに分解され、地面に音を立てて散乱した。


大観衆の視線が、鎧の下に晒された彼女の肉体、そしてフリルのついたウサギ柄の可愛いエッチな下着に、一斉に集中する。


「な、なっ……!私の下着が、なぜ……!?」


彼女の最も深い秘密、貧乳のコンプレックスを覆い隠すための重厚な鎧、そして乙女の欲望の象徴であるエッチな下着が、数万の観衆の目に晒された。


女戦士ユキの男勝りな精神は、究極の羞恥心によって完全に崩壊した。彼女は、大剣を取り落とし、両手で小さな胸とエッチな下着を必死に隠しながら、その場にうずくまって泣き崩れた。


「うわあああ!見ないで!見ないでえええええ!」


精神崩壊して棄権!勝利!


観衆とレイジが勝利に沸く中、ユキは顔を真っ赤にして立ち上がり、渾身の力で奏太の頬をバシッと平手打ちした!


バチンッ!


「エッチ! この変態童貞!私の、私の清浄な秘密を暴きやがって……!」


彼女は羞恥に震えながら、小さな胸を隠しつつ、大剣ではなく砕けた鎧の破片を拾い上げ、顔を逸らして奏太に吐き捨てた。


「ふ、フン!これで借り一つだからな!別に、お前の清浄な童貞の力に、少しだけ、ほんの少しだけ興味を持ったわけじゃないんだから!」


彼女はそう言い残し、急いでリングを去っていった。その足取りは速かったが、観衆に晒されたエッチな下着への羞恥と、奏太の清浄な魔力への戸惑いが入り混じっていた。


解説席のレイジ(Lv.9501)は、優雅に拍手した。


「素晴らしい。肉体的な戦闘力ではなく、精神の最も汚れた部分、そして隠された肉体的な羞恥心を突き、棄権させる。これぞ、久我様の『清浄な呪い』の正しい使い方です。しかも、敵に平手打ちまで食らって懐かせるとは、さすがです、久我様!」


第二回戦:Lv.499の獣人族格闘家(絶頂による敗北)


対戦相手は、Lv.499の獣人族格闘家。しなやかな肢体に、キュートな猫耳が揺れる女性で、その胸には程よいハリのあるおっぱいが、試合開始前から激しく揺れていた。彼女の視線は獲物を狙う猫そのもので、戦意に満ちていた。


試合開始のゴングが鳴るや否や、獣人族は野獣のようなスピードで踏み込み、鋭い爪を構えた。


「行くにゃん!喰らいつくにゃん!」


奏太は、開始直後から、その超速の打撃に晒された。そのスピードは、Lv.1の奏太では捉えきれるものではない。彼の脳裏に、レイジの言葉が響く。


(ヤバい!触れないと殺される!俺のレベルでは、まともに戦えない!)


奏太は、死を覚悟でカウンターに体を滑り込ませ、猫耳格闘家の強靭な胸部、揺れる乳房に指先を触れさせた。


「【性魔術解析】発動!」


「ふにゃっ!?」


一瞬の接触で、獣人族の過去の経験値の記録が奏太の脳に奔流となって流れ込む。快感の総量、弱点となる秘孔、そして羞恥心の閾値――。


解析の結果、彼女の「最も快感を感じる秘孔」は、胸のちょうど中央、乳首の付け根、大胸筋の際にある一点であることが判明した。そこは、普段の訓練で筋肉によって硬く守られ、触れられることのない『経験値の聖域』だった。


「ひっ、卑怯にゃん!」


獣人族が怒りの鉄拳を振り下ろすよりも早く、奏太は、その強烈な打撃を紙一重で避けながら、彼女の秘孔、すなわち乳首の付け根を、童貞の、しかし正確無比な指先で、連続して突いた!


ツン、ツン、ツンッ!


「ひゃぁあああ!や、やめ、やめてにゃん!触らにゃいで!あん、そこは……ダメ、ダメにゃあああ!」


奏太の指先が、彼女の秘孔を正確に抉るたびに、彼女の肉体は激しい痙攣に見舞われた。Lv.499の経験によって鍛え上げられた強靭な肉体も、『純粋な快感』という名の攻撃には全くの無防備だった。


奏太は、冷酷な探偵の顔で、獣人族を見据えながら、指の動きを止めない。


「お前はもうイッている。その快感耐性は、Lv.1の俺の指には耐えられない」


「イッ、イッて、ないにゃん!く、ぐぬぬ……!ぁううううううっ!」


彼女の猫耳はぴくぴくと震え、可愛い顔は一気に情欲に染まり、目の焦点は失われた。強烈な快感の波が、彼女の戦意を根こそぎ奪い去る。


獣人族は、大観衆の前で「にゃあああああああああああああ!!」という悲鳴にも似た絶叫と共に絶頂し、全身から力が抜け、そのまま白目を剥いて前のめりに倒れ伏した。戦意喪失!奏太の勝利!


リングに倒れ伏した獣人族は、しばらくして我に返ると、顔を真っ赤に染め、身体を震わせた。彼女は、自身を絶頂敗北させた奏太を、複雑な目で見上げた。


「く、久我……!貴方の指、汚れてないくせに……なんで、あんなに気持ちいいにゃん……」


彼女は身体を起こすと、大観衆の視線に気づき、慌てて立ち上がった。そして、照れ隠しをするように猫耳をひくつかせながら、大股でリングの出口へ向かう奏太の背中に向かって、戸惑いの声を上げた。


「……待ってにゃん!私を貴方の指でもっと触ってにゃん! 次は、ちゃんと戦ってから、私の経験値で汚して、もっと、もっと気持ちよくしてほしいにゃん!」


その言葉は、屈辱ではなく、奏太の清浄な指から受けた快感への純粋な興味と強いリクエストだった。


解説席のレイジ(Lv.9501)は、興奮を抑えきれずに叫んだ。


「あいつ、挿入なしで女を行かせるとは! 流石だ、久我様!Lv.1でありながら、Lv.9501の私をもう凌駕している! 相当な『経験値テクニック』の実力者ですよ!童貞がもったいない!しかも、完全に次の予約を取っていますね!」


観客席のヤマト(Lv.7)は、その光景を見て、嫉妬と屈辱で顔面を掻きむしった。


「くそっ、俺はスライム相手でも中折れするのに!童貞のくせに、何で触るだけで女を倒せるんだ! 卑怯だ!卑怯すぎるぞ、久我!」


三回戦(決勝):伝説の経験値・ユリア(Lv.5000相当)


解説席のレイジ(Lv.9501)は、興奮を抑えきれずに立ち上がり、備え付けのマイクを掴んだ。その瞳は、己のレベルアップの成就を確信した狂気に満ちていた。


「貴公ら!お待たせいたしました!最終戦の前に、この大会の真の景品をお見せしよう!」


レイジは、リングサイドに立つ銀髪の美しい魔法剣士を指し示した。彼女は、防御力の低い布地のローブに包まれた豊満な巨乳を持ち、そのステータスプレートはLv.1と表示されていた。


レイジは、声をさらに魔力で増幅させ、闘技場全体に響かせた。


「彼女こそ、この武道会の真の優勝賞品、ユリア(Lv.5000)です!彼女は特殊能力により、その基礎力と魔法力でLv.5000と言っても過言ではない強さです!ただし、彼女は純粋な処女であることが判明しています!」


観客は、その美しさとレベルの高さに騒然となった。


レイジは、ユリアを指さし、その皮肉なルールを自ら解説した。


「なぜ景品である彼女がリングにいるのか? それは、究極の経験値は、単に受け身ではいられないからだ! 彼女は『Lv.1の処女』でありながら、Lv.5000相当の力を秘めた『清浄な器』! その『景品としての価値』を最大限に高め、そして、彼女自身、『この清浄なる器を、誰に捧げるか』を選ぶ権利を得ている!」


レイジは、奏太とユリアを交互に指さし、勝ち誇ったように笑った。


「つまり!久我様!貴方が彼女を打ち破れば、『清浄な器』のユリアは、敗北の屈辱によって、貴方の『最も清浄な穢れ』を受け入れる!彼女の清浄さが、貴方の勝利を待っているのだ!」


レイジの解説は、「景品は、打ち破られることで、最も価値が高まる」という、この世界の歪んだ経験主義の真理を、俗悪なエンターテイメントとして大衆に叩き込んだ。


ユリアは冷たい瞳で奏太を見つめた。


「私は、Lv.1の童貞である貴方の『清浄な力』を欲しています。私を景品として獲得するに値するか、この私自身で、貴方を試させてもらいます」


彼女は、「景品としての自分の価値」を自ら高めるため、そして「清浄な主人」を得るために戦う、という矛盾した動機を持っていた。


奏太は、彼女の柔らかそうな胸に触れるふりをして近づいた。彼女は「処女であること」を誇りに戦っていた。


奏太は、彼女の魔法を避けるふりをして急速に近づき、彼女の豊満な胸部を両手で素早く掴んだ。


【性魔術解析】を発動!


Lv.1の処女である彼女の記録は、驚くほど清浄だった。しかし、その清浄さの奥底には、「本当は、この世界で最も強い男に、自分の清浄さを捧げ、その経験を穢れとして受け入れたい」という、秘かに憧れている経験の記録が存在した。


奏太は、大観衆に向かって、彼女の処女の悲願を暴露した。


「ユリアさん!貴女が本当に欲しいのは勝利ではない!貴女は、本当はレイジのようなレベル9500の男に、あの道具バイブで激しく扱われたい! 貴女の清浄な精神の檻を打ち破りたいと、心の底で願っていた!そうでしょう!」


「あああ……!」


ユリアは、自らの清浄な精神の崩壊に耐えられず、その場に泣き崩れて棄権。卑劣な勝利!


解説席のレイジは、狂喜乱舞し、「久我様、最高です!」と叫んだ。 (なお、この後、当然、ユリアはレイジが美味しくいただく予定です)


優勝の景品として、ユリアのステータスが、奏太の仲間として正式に登録された。彼女のレベルは、武道会出場時と同じくLv.1(潜在価値:経験値Lv.5000相当)のままであった。ユリアは、冷淡な眼差しでレイジを見据え、その後に奏太を見つめた。


「久我さん、私を助けてくれてありがとう。でも、私はあの男レイジの駒になんてならない。Lv.9501の穢れた道具になど、絶対になりません」


ユリアは、奏太の清浄な童貞の力を理解し、レイジの俗物的なレベルアップの野望を阻止するため、奏太の仲間になることを選んだ。


「久我さんの清浄な力こそ、この世界の穢れた経験主義を打ち破る唯一の希望です」


かくして、パーティは奏太(Lv.1)童貞探偵、レイジ(Lv.9501)伝説の剣士、ユリア(Lv.1 経験値Lv.5000相当)魔法戦士、そしてヤマト(Lv.7)自称勇者の4人となった。レベルがバラバラな、異色の魔王討伐パーティの誕生だった。


第六章 ∣ 究極の穢れの記録とLv.9999の誕生

――にも関わらず。


その夜、宿屋の一室。ユリアは、「レイジの駒にはならない」と奏太に誓ったその舌の根も乾かぬうちに、レイジの隣室のベッドにいた。


「レイジ様、今宵も参りました。私のLv.5000の経験値を、存分に召し上がってください」


ユリアの瞳は、昼間の「穢れへの嫌悪」とは裏腹に、「高レベルな経験」への渇望に満ちていた。


レイジは、ユリアが処女であるため、そのLv.5000相当の清浄な器に穢れを刻むことで、自身がLv.9999へとカンストする最大の経験値を得られることを知っていた。


レイジはユリアを優しく抱きしめ、囁く。


「ユリア殿。久我様の手前、清浄な建前は必要です。ですが、心配ご無用。貴女のLv.5000相当の究極の処女経験値は、Lv.9501の私でなければ、到底受け止めきれない。そして、貴女にとって初めての経験(穢れ)は、最高の快楽として刻まれるでしょう。さあ、「清浄なる記録者」には内緒で、レベルアップに励みましょう」


「……は、はい。レイジ様……!」


ユリアの顔に、初めての経験への緊張と、経験値上昇への期待が入り混じった複雑な表情が浮かぶ。


そして、隣室では、奏太の脳内にLv.9501とLv.1(Lv.5000相当)による、史上最悪の「穢れの記録」が、下水道の汚水のように逆流し始めた。


「ああん!もっと!もっと強く!レベルが!」「ユリア殿、その叫びこそが最高の経験値です!」


奏太は、清浄なヒロインの誕生を信じていた自身の精神が、最も残酷な裏切りによって粉砕されるのを、ただ受け入れるしかなかった。


夜が深まるにつれて、隣室の「穢れの記録」は激しさを増していった。ユリアのLv.5000相当という膨大な経験値が、レイジのLv.9501に吸い尽くされていく。


そして、夜明け前。隣室から、ユリアの絶叫と共に、空間が歪むような強烈な魔力の波動が噴出した。


「レイジ様、レベルが、レベルがLv.5000に上がるッッ!そして、レイジ様もカンストするッッ!」


その瞬間、奏太の脳内に流れ込む「穢れの記録」は、もはや濁流や汚水という次元ではなかった。それは宇宙の業、人類の全ての堕落と快楽を凝縮した、純粋な「穢れのエネルギー」そのものだった。


奏太の視界には、レイジのステータスプレートがLv.9999で固定されるのが見えた。同時に、ユリアのレベルがLv.5000に跳ね上がるのが見えた。


カンスト。


レイジは、ついにこの世界のレベルの頂点に到達した。その究極の穢れを記録した奏太の童貞の精神は、臨界点を超えて炎上するような激痛に襲われた。


「うわぁあああああああ!!」


奏太は、宿屋の床を叩きつけ、絶叫した。このLv.9999の誕生によって、彼の「清浄な呪い」は、この世の全ての穢れをその身に刻み込んでしまった。彼の頭は、Lv.9999の記録の重みに耐えられず、爆発寸前だった。


奏太は、清浄なヒロインの誕生を信じていた自身の精神が、最も残酷な裏切りと、究極の穢れによって粉砕されるのを、ただ受け入れるしかなかった。


第七章 ∣ Lv.7500の火炎竜とLv.7の強制婚約

レイジのLv.9999到達という究極の穢れの記録に脳を焼かれながら、パーティは魔王城へ続く古代遺跡を進んでいた。レイジは無敵の笑顔で前進し、ユリア(Lv.5000)は「穢れへの嫌悪」という建前を捨ててレイジに恭順し、ヤマト(Lv.7)は、Lv.9999の隣で「俺はLv.7だぞ!」と虚勢を張ることすらできず、小刻みに震えていた。奏太(Lv.1)は、極度の精神的疲弊でゾンビのようだった。


遺跡の最奥で、パーティは巨大な雌の火炎竜(Lv.7500)と遭遇した。


「久我様!貴方の【性魔術解析】の出番です!このドラゴンの『穢れの記録』を暴き、弱点を突きなさい!」レイジが指示した。


「分かった……」


奏太は、死んだ魚のような目で、ユリアの前に立った。ユリアは一瞬たじろいだが、すぐに覚悟を決めたように豊満な胸部を突き出した。


「久我さん!私のLv.5000の記録を使って!」


「いや、ユリア。その必要はない」


奏太は、Lv.7500の雌竜に向かって、Lv.1の童貞とは思えない猛スピードで突っ込んでいった。竜は、その小さな人間の行動に驚き、炎のブレスを放つ。奏太はそれを間一髪で回避し、巨体を持つ竜の胸部へ飛びついた。


竜の攻撃をかわし、奏太の指が、巨大な炎を纏う竜の乳房ドラゴンズ・オッパイに触れた。


【性魔術解析】発動!


竜のLv.7500という膨大な経験値が、津波のように奏太の脳に逆流する。奏太は激痛に耐えながら、竜の「穢れの記録」の核を解析した。


(竜の過去の記録……!世間は『逆鱗』と言うが、竜の急所は『乳輪』だったのか!?この竜は、実は極度の恥ずかしがり屋で、童貞の勇者に求愛された過去がある!彼女の最大の弱点は、純粋で清浄な求愛だ!)


解析が完了した瞬間、レイジが竜の弱点である「清浄さ」を、即座に「最も汚れた手段」へと転換した。


「ヤマト!お前の出番だ!」


「ひっ!?俺が、Lv.7で、Lv.7500の竜にどうするんですか!?」


「いいか、ヤマト!お前は『Lv.7という浅い経験しかないぶ男』の羞恥心を、全力で恥ずかしくなるように晒せ!それが、この竜の精神に最も大きなダメージを与える!お前のレベルの低さこそ、究極の兵器だ!」


「うわあああ!」ヤマトは半泣きになりながら、レイジに突き飛ばされ、竜の前に転がされた。


レイジの指示に従い、ヤマトはLv.7の浅い経験値を、Lv.7500の竜に向かって全力でアピールした。


「お、おれは、Lv.7だぞ! スライム相手に中折れする、この世界で一番情けない男だ!俺の汚い童貞卒業記録を、全公開するぞ!」


ヤマトは、Lv.7の汚れた経験を、己の肉体の醜態と共に晒した。その醜悪なレベルの低さと、悲しい経験の記録は、Lv.7500の竜の「清浄さ」を根幹から揺さぶった。


「や、やめろ!そんな汚いレベルの男の醜態を見せるな!こんな粗チンを見せられるなんて!羞恥心で死ぬッ!」


火炎竜は、「レベルの低さ」と「醜い性」への極度の嫌悪感から、羞恥心と怒りで自らの炎を制御できなくなり、口から暴発した火炎で自らを焼き尽くし、絶命した。


「フン。究極の穢れ(Lv.9999)には、究極の清浄(Lv.1)が、そして究極の浅さ(Lv.7)が効く。理論通りだ」レイジは満足そうに頷いた。


竜を倒し、瓦礫の奥から現れたのは、囚われていた姫様イシュタル(Lv.1000)だった。


姫は、血に塗れた奏太の清浄な童貞の顔を見るや、その美貌を輝かせた。


その瞬間、息を吹き返したヤマトが、顔面の醜態も気にせず、胸を張って姫の前に躍り出た。


「お、お嬢さん!このドラゴンは俺が倒したんだぞ!自称勇者ヤマト様とは俺のことだ!俺と付き合って欲しい!」


姫は、ヤマトのぶ男の顔と、Lv.7の浅い経験値に満ちた卑しい欲望を、冷淡な視線で一瞥した。


「え!?キモ、嫌なんだけど。ごめんなさい」


姫は、ヤマトのプロポーズを虫ケラを払うかのように即座に拒絶した。


そして、姫はヤマトを完全に無視し、奏太の方を向いた。


「あ、こちらが素敵な本物の勇者様ですね。貴方と比べると、あれは、こぶんかなにかでしょ」


姫は、Lv.7のヤマトを一言で「こぶん」と断定し、奏太の清浄さに目を輝かせた。


「ああ……!レベル1の貴方が、真の英雄。貴方の清浄さこそ、この世界の希望!Lv.9999の男など、穢れた化け物に過ぎません」


姫は、レイジとユリアの存在を無視し、奏太の前に跪いた。


「私、久我さんに全てあげます。私と結婚してください。私のレベル1000の経験と全てが、貴方を最強の王にするでしょう。私を『清浄な貴方の経験』にして!」


奏太は、姫の真摯な瞳を見つめた。Lv.1000という経験値は魅力的だったが、【性魔術解析】の呪いの代償を、これ以上愛する者に負わせるわけにはいかなかった。


「申し訳ありません、姫様。僕、童貞なんで……そして、誰とも結婚する資格はありません」


その言葉は、姫イシュタルのLv.1000という自尊心を完全に粉砕した。彼女は、Lv.1の童貞に拒否されるという、この世界で最大の屈辱を味わったのだ。


ヤマトは、姫に拒否されただけでなく、目の前でLv.1の奏太に最高の女性が跪くという、極限の経験格差に直面した。


「な、なんだと……! Lv.1の童貞のくせに!俺はLv.7だぞ!俺よりレベルの低い男に、あの姫様が……!」


ヤマトは、激しい屈辱と嫉妬で、そのぶ男の顔を痙攣させた。彼のLv.7という虚栄心は、Lv.1000という圧倒的な美と、Lv.1の清浄さによる優位性の前に、完全に崩壊した。


「Lv.1000の女が、Lv.1の童貞に跪く……!くそっ……!俺は、この世界で一体何なんだ……!」


ヤマトは、もはや耐えられなかった。彼は、精神的な苦痛のあまり、その場に崩れ落ち、泡を吹いて気絶した。Lv.7の肉体は生きていたが、Lv.7の「経験」に頼る精神は、完全に破壊された。


姫は、気絶したヤマトを軽蔑の眼差しで見下ろし、奏太に視線を戻した。


レイジは、倒れた竜の亡骸を検分し、満足そうに頷いた。


「竜討伐、お見事でした、ヤマト殿。功績は、確かに貴方のものとなりました。」レイジは竜の鱗の一部を拾い上げ、魔王城から持ち出したのか、神官のローブと簡易的な祭壇を設置し始めた。


「姫様、急いでください。魔王城の結界が弱まっています。しかし、この国の権威を繋ぎとめるには、『勇者ヤマトの功績』を『王族の婚姻』という形で即座に固定する必要がある」


姫イシュタルは、顔を歪ませた。「なっ!?今ここで!?」


「ええ、今すぐです!ヤマト殿は意識不明ですが、『竜討伐の英雄』という記録は生きています。儀式に必要なのは、『契約の言葉』と『功績の証』のみ!さあ、姫様、義務を果たしてください」


レイジに迫られ、姫は心底嫌悪感を覚えつつ、倒れているヤマトと、竜の鱗を前に、渋々祭壇へと進み出た。


「チッ……仕方ありませんわ。あのぶ男の『汚い経験(Lv.7)』を、私が公的に清算する。全ては国民のため、そしてレイジの野望を挫くため!」


姫は、倒れて泡を吹いているヤマトの身体を、足で軽く突いた。


「勇者ヤマト。私はあなたとの政略的な婚姻を、この竜討伐の功績を証として、今ここに誓いますわ。魔王討伐後、王国が安定した暁には、速やかに離縁させていただきます。聞こえていますか、Lv.7のぶ男」


返事はない。ヤマトは、意識不明のまま、よだれを垂らしている。


レイジは厳かに宣言した。「これにて、竜討伐の英雄ヤマトと、姫イシュタルの婚姻は成立いたしました」


「よし!」姫は、結婚が成立したにも関わらず、すぐに晴れやかな表情になった。


そして、姫はくるりとレイジと奏太に向き直り、「公的に」宣言した。


「皆さん!これで、王国の威信は、この政略的な契約によって守られました。しかし、彼のLv.7の醜い欲望と、私のLv.1000の神聖なプライドは、水と油です。よって、魔王討伐が完了し、国民が彼の功績に納得したその瞬間、私と英雄ヤマトの婚姻は、『英雄は天国で最高の経験値を得たため』という理由で、即座に解消されます!いいですね!」


Lv.9999 レイジ、Lv.5000 ユリア、Lv.1 奏太。


三人は、姫の鮮やかな「政略結婚と即時離婚の宣言」というブラックコメディに、無言で頷くしかなかった。


レイジは、倒れているヤマトを、「離婚予定の夫」として、粗悪な戦利品のように担ぎ上げた。


「さあ、久我様、ユリア殿、姫様。次の舞台は魔王城です。『離婚予定の夫(Lv.7)』も、最後まで連れて行きましょう」


こうして、姫イシュタル(Lv.1000)は、「ヤマトと強制的に結婚・即離婚を宣言した女」という新たな肩書を背負い、奏太の仲間として、魔王城へと向かうことになった。


第八章 ∣ Lv.∞の独占契約と清浄な敗北

古代遺跡での惨劇を経て、Lv.9999のレイジ、Lv.5000のユリア、そして離婚予定の夫であるヤマト(Lv.7)を担ぎ上げた姫イシュタル(Lv.1000)、そしてLv.1の奏太は、ついに魔王城の最奥、魔王ルクセリア(Lv.∞)の玉座の間にたどり着いた。


魔王ルクセリアは、「絶世の美人」という形容詞すら霞む、神々しいほどの美貌と、世界そのものの「穢れの記録」を背負っているかのような、膨大な巨乳を持っていた。そのステータスプレートには、もはや数値の限界を超えた【Lv.∞(無限)】が輝いている。


レイジとユリアが果敢に挑んだが、Lv.9999の経験も、Lv.5000の魔法剣も、Lv.∞のルクセリアの前では、砂粒ほどの抵抗にもならなかった。二人は一蹴され、意識を失い、玉座の間に倒れ伏した。ヤマトは恐怖のあまり、その場で泡を吹いて気絶した。


玉座の前に残されたのは、Lv.1の童貞探偵、奏太と、気絶したヤマトに寄り添う姫イシュタル(Lv.1000)だけだった。


「あら、随分と面白い『経験の記録者』たちが残ったわね。その汚れていない瞳で、私の無限の穢れを覗き見たいというの?」


ルクセリアは、嘲笑とともに、その豊満な胸部を揺らしながら、奏太と姫を見下ろした。彼女の視線は、まずLv.1000という高レベルでありながら、あえて戦う意思を見せない姫に向けられた。


「フン。『経験値』が貴方の価値を決めるというのに、なぜ私に刃向かわない。貴方ほどのレベルがあれば、世界を統治できるでしょうに」


魔王は、無限の魔力の残滓を放ち、姫の豊満な身体を直撃しようと試みた。


その瞬間、ヤマトが泡を吹いたまま倒れていた場所から、泥臭い絶叫が響き渡った。 彼の頭の中は、「離婚予定」の宣告も、「Lv.7の経験」も、もうどうでもよくなっていた。ただ、目の前の「おれのプライドの象徴」であり、「手に入れた最高の女性」を、守り抜きたいという、浅薄でありながらも強烈な執着だけが残っていた。


ヤマトは、姫の身体を抱き抱えて、床に転がるレイジの身体の陰へと押し込み、その瞬間、自らの身体を魔王の残滓へと向けた。 「お、おれの……っ、おれの姫さまをっ……!やめろっ!ま,まもるんだっ……!!」 「おれの姫さま」。それは、彼がLv.7の人生で手に入れた、唯一で最大の「経験」だった。 その言葉とともに、魔王ルクセリアが放った無限の魔力の残滓は、ヤマトの肉体を容赦なく焼き尽くした。Lv.7の経験と、初めて芽生えた愛ごと、塵となって消滅した。


「あああ……!」姫は、その光景に悲痛な叫びを上げた。


「ヤマト……!」 久我は、目の前で起きたあまりにも非情な光景に、童貞の精神の最後の理性を振り絞った。彼は、ヤマトの「命を懸けた穢れの記録」を脳内に刻み込みながら、魔王の巨乳に最後の突撃を仕掛ける。彼は、無敵の魔王の防御を突破できる唯一の武器、【性魔術解析】に全てを賭けた。


「魔王ルクセリア!あんたの穢れの根源、見せてもらうぞ!」


奏太は、死を覚悟で玉座へ飛び込み、魔王の服の上から、その巨乳に触れた!


【性魔術解析】発動!


奏太の脳内に流れ込んできたのは、全生命の歴史。そして、魔王が人間に犯された「最初の穢れ」、すなわち彼女が純粋な存在であった頃、最も卑劣な「経験主義」の男に弄ばれた悲痛な記録だった。


ルクセリアの美貌に、Lv.∞の魔力すら押し潰せないほどの強烈な苦痛の表情が浮かび上がった。


奏太は、魔王の巨乳を握りしめたまま、解析結果を叫んだ。


「魔王!あんたのレベルは、人間への恨みと、悲しい自衛の鎧だったんだ!あんたは、小さい頃、人間によって、最も汚い方法で犯されていたのか!」


ルクセリアは、絶叫し、その無限の魔力が乱れた。Lv.∞の精神が、Lv.1の清浄な童貞によって、最も深いトラウマを抉り出されたのだ。


「や、やめろ……!もうその清浄な声で、私の穢れの記録を……!」


精神を破壊された魔王は、最後の屈辱として、自らの肉体的な降伏を選んだ。彼女は、静かに玉座から降り、その神聖なローブを脱ぎ捨て、全裸の巨乳を晒して、体を奏太に差し出した。


「いいでしょう。私の無限の穢れを、貴方の清浄な童貞で汚すがいいわ!さあ、私に最悪の経験を与えて、この地獄を終わらせなさい!」


絶望的な状況。しかし、奏太は、ユリアや姫様イシュタルの末路を思い出し、静かに首を振った。


「申し訳ありません、魔王。僕、童貞なんで。そして、貴方を道具にする資格は、僕にはありません」


「…………ふぁっ!?」


魔王ルクセリアは、Lv.∞の人生で、これほどの理不尽な拒絶を経験したことはなかった。「童貞なんで」という、究極の清浄かつ究極の自己否定の言葉は、Lv.∞のルクセリアの魂に、新たな種の屈辱を刻み込んだ。


魔王は、皮肉に、そして哀れむように笑い、暗い輝きを放つブレスレットを奏太の手に握らせた。


「そう……『童貞なんで』、ですって。最高の『経験値の壁』ね、久我奏太」


「これを使えば、困ったらいつでも私を召喚できる。なんなら、結婚みたいなもんよ。ただし、私以外の女には触れてはいけないわ。私が、貴方の『清浄な貞操』を、Lv.∞の穢れで守ってあげる」


そして魔王は、奏太の胸にある童貞の清浄さを確かめるように、自ら奏太の手を取り、己の巨乳に深く押し当てた。


「そういえば、解析の続きがまだだったわね」


奏太の掌に、魔王の巨乳の尋常でない柔らかさと温かさが、生々しく伝わる。解析されたはずの「穢れと痛み」の記録は、なぜか「純粋な快感」を呼び覚ます波動へと変質していた。魔王は、その童貞の清浄さがもたらす、拒否できない快感に身を捩らせた。


魔王は、Lv.∞の経験を総動員してその快感に抗おうとしたが、Lv.1の清浄さは、彼女の「穢れの鎧」を一瞬で貫いた。


「んっ……!ち、違うッ!この感覚は……!私の無限の経験値が、貴様の『穢れなき童貞』によって、強制的に浄化されているッ……!」


魔王は、激しい羞恥と、Lv.∞の記憶をもってしても抗えない、「初体験」のような強烈な快感に襲われた。彼女の巨乳を押し当てられた奏太の手は、魔王の肉体が発する制御不能な震えを直接感じ取る。


「あ、ああああああッッ!!やめなさいッ!この、清浄な童貞の力で、私を、穢れのない領域へ連れていくなッ!イく……!イってしまうッッッ!!」


魔王ルクセリアは、「童貞の清浄な呪い」によって、Lv.∞の経験の果てで、予期せぬ絶頂を迎え、全身の力が抜け落ちた。玉座の間には、魔王の「敗北の絶叫」と、奏太の手から放たれる「清浄な光」だけが満ちた。


魔王は、荒い息を整え、羞恥に顔を赤く染めながら、奏太の顔を覗き込んだ。


「フン。この私を童貞の清浄な力でイかせるとは……貴様、やはり私の独占物。私のLv.∞の経験を以てしても、貴様のLv.1には勝てないというわけね」


そして魔王は、奏太の耳元に、最終通告を叩きつける。


「そしてね、あなたが私以外の女と『しよう』としたら、私が自動で貴方の世界に出てくる。あなたの童貞は、私がもらうのよ。浮気は許さないわ。イチャイチャさせないから」


その瞬間、空間が歪み、魔王のLv.∞の魔力が奏太の全身を包み込んだ。奏太の意識は、「究極の穢れ」と「永遠の契約」を胸に、元の世界へと引き戻された。


第九章 ∣ エピローグ ∣ 怪盗巨乳の変貌と童貞の孤独

異世界の終焉と真実の愛の記録


奏太の意識が消滅した瞬間、Lv.9999のレイジは、玉座の間で悠然と立ち上がった。


「フン。久我様は、『永遠の契約』という、最も清浄な形で魔王を封印されたか。さすがだ、童貞。そして、魔王は『清浄な初経験』を諦めなかった。この世界は、まだまだ奥が深い」


姫イシュタルは、ヤマトが消滅した灰を見つめ、静かに涙を流した。そして、レイジとユリア、そして魔王を討伐した久我の残滓に向かって宣言した。 「勇者ヤマトは、私の命を救ってくれました。私は、彼の『命を懸けた経験』を、この世界で最も高貴な『真実の愛の記録』と認めます」


姫は、倒れたレイジとユリアに命じた。 「レイジ、ユリア!私の魔力を総動員します。貴方たちの究極の経験値と、魔王を討伐した久我さんの究極の清浄さを、私の魔力の触媒とし、ヤマトの魂を呼び戻しなさい!」


レイジとユリアは、姫の真摯な決意に恭順の意を示し、ヤマトの灰の前に跪いた。 Lv.9999の穢れの経験、Lv.5000の高潔な経験、そして魔王討伐を果たしたLv.1の清浄さが、姫のLv.1000の魔力によって融合した。


ヤマトが消滅した灰が、光を放ち、元のぶ男の姿で「復活」した。 「お、おれの姫さま……!よかった、ご無事で……!」 彼は、自分が消滅したことなど覚えていない。ただ、姫の無事を喜び、よだれを垂らしながら抱きつこうとした。


姫は、反射的にそれを避けることなく、Lv.7の汚い汗と、生命のぬくもりをそのまま受け止めた。 「……勇者ヤマト。貴方のLv.7の愛は、私のLv.1000のプライドを、最も汚い形で救いました。貴方の『命を懸けた経験』は、Lv.∞の魔王の力さえ凌駕した」 姫は、ヤマトを抱きしめたまま、静かに宣言した。


「勇者ヤマト。私は、離婚を撤回します。貴方との婚姻を、公的な政略ではなく、永遠の契約とします。Lv.1の清浄さも、Lv.9999の穢れも、もう必要ありません。私は、私の命を懸けて愛してくれた、Lv.7の貴方と共に生きる」


レイジは、口元を歪ませた。 「ハハハ……最高の喜劇です。姫様は、最も浅いレベルの男に縛られるという、究極の屈辱を、真実の愛と履き違えた。これこそが、この世界の真の『経験値の呪い』です」


レイジは、幸福の絶頂にあるヤマトと姫を一瞥し、隣に立つユリアに語りかけた。


「ユリア殿、魔王は封印された。久我様が去り、この世界も一区切りです。魔王討伐の旅は終わり。これからは、私とユリア殿の二人で、『真の経験値の獲得』を目指しましょう」


ユリアは、ヤマトと姫の醜くも純粋な抱擁を冷めた目で見つめた後、レイジに恭順の意を示した。 「ええ、レイジ様。あのような浅い愛(Lv.7)では、私のLv.5000の穢れは到底満たされません。私を満足させられるのは、貴方のLv.9999の業の深さだけです」


レイジは、ユリアの手を取り、玉座の間を背にした。 「さあ、ユリア殿、私のLv.9999を磨き上げましょう。そして、この世界のどこかで、久我様の『清浄なる記録』に、新たな『穢れの記録』を刻み続けて差し上げましょう」


こうして久我以外のパーティのメンバーは、それぞれの「経験値」と「愛の記録」を胸に、魔王城を後にした。ヤマトは、Lv.7のまま、Lv.1000の姫と、醜いながらも揺るぎない「永遠の契約」を手に入れた。レイジとユリアは、究極のレベルを追い求める、終わりなき「経験値稼ぎの旅」へと出発したのだった。


現実世界への帰還と呪いの再来


空間が歪み、魔王ルクセリアのLv.∞の魔力に押し出されるように、奏太の意識は元の世界へ弾き戻された。


頭に鈍い、ガンと鳴るような痛みがある。鼻孔には、船室の絨毯と、焦げ付くようなローションの匂いが混じった、極めて現実的な臭いが届いた。


久我奏太は、自分のいる場所が、豪華客船「オリエンタル・クイーン号」のダイニングサロンの絨毯の上であることを認識した。


「久我さん!よかった!意識が戻った!」


すぐそばには、顔面蒼白のユウキがいた。彼は心配のあまり、その凡庸な顔を歪ませている。


「ユウキくん……」


「大丈夫ですよ。犯人はもう捕まえて、船員と警察に引き渡しました。久我さんが頭を打たれて倒れた後、あの女は抵抗せずに観念しました」


すべては、頭を打って意識を失っていた間の夢だったのか? Lv.9999のレイジ、Lv.5000のユリア、Lv.7のヤマト、そしてLv.∞の魔王……。全てが、一瞬の白昼夢。


「お疲れ様でした、久我さん、いや巨乳探偵さん」


もう一人の探偵が、皮肉めいた笑みを浮かべて奏太に声をかけた。


奏太は、ぼんやりとしながらも、ユウキに頭を下げた。


「ありがとう、ユウキくん、いや凡人探偵くん」


その瞬間、奏太の右手の感触に強烈な違和感を覚えた。まるで、世界一柔らかく、Lv.∞の温もりが、まだ掌に残っているかのような感触だ。


右手首を見る。そこには、暗い輝きを放つブレスレットが残されていた。魔王ルクセリアがくれた、あのブレスレットだ。【契約の証】。


「……え、何これ」


奏太はブレスレットを触ろうとしたが、触れることができない。周囲を見渡す。ユウキには、ブレスレットは見えていないようだった。


そして、脳裏に魔王の最後の言葉が、Lv.∞の重みをもってこだました。


『あなたの童貞は私がもらうのよ。浮気は許さないわ。イチャイチャさせないから』


【性魔術解析】の呪いによって、愛する女性、すなわち「経験値」を持つ者に触れると、その愛する者を「穢れの媒体」として失う。


そして今、奏太は、魔王に永遠に童貞を監視され、その初体験を独占予約される呪い、という究極の皮肉と宿命を背負ってしまったのだ。


ユウキは周囲を警戒しながら、奏太の耳元に囁いた。


「久我さん。あの犯人から、もう一つ、驚くべき情報が出てきました。船内に、『男の貞操を奪う』ことを目的とした、国際的な怪盗が潜伏しているらしいです。『怪盗巨乳』と呼ばれていて、変装の達人。なんでも、『清浄な童貞のブツ』を狙っているとかで……」


ユウキは、船医室の方向を指さした。


「僕の見立てでは、先ほど、あなたを診察した看護師が怪しい。看護師のアヤノ。やけに豊満で、その上、露出度の高い制服を着ていました」


奏太は、その言葉を聞き、右手のブレスレットを強く握りしめた。脳裏に魔王の最後の言葉が、Lv.∞の重みをもってこだました。『あなたの童貞は私がもらうのよ。浮気は許さないわ。イチャイチャさせないから』


【性魔術解析】の呪いを背負った今、現実世界での『童貞狙いの怪盗』の存在は、究極の脅威だった。


久我奏太は、船医の診察を終え、デッキに向かって歩いていた。頭を打ったことによる身体的な痛みよりも、Lv.∞の呪いを背負ったことによる精神的な疲労の方が遙かに重い。


その時、船医室から出てきた女性看護師、アヤノが、奏太の横を通り過ぎた。


「あら、もう大丈夫ですか。よかったわ」


彼女は、豊満な胸部を強調した白い制服に身を包み、奏太の顔を覗き込んだ。その柔和な瞳と、制服の生地越しに分かる豊かな「経験値」が、奏太の「探偵としての本能」を、容赦なく刺激した。


(怪盗巨乳……!彼女が本当にそうなのか、この手で確認するしかない!そして、この船の隠された真実も!)


奏太は、ユウキが別の方向を向いた一瞬、衝動的に看護師アヤノの胸を、服の上から掴んで強く揉み込んだ!


「きゃあッ!!な、何するんですかッ!!」


看護師アヤノは、金切り声を上げた。同時に、【性魔術解析】が発動し、奏太の脳内へ、彼女の過去の愛憎と、今、胸を揉まれたことによる「極限の屈辱と羞恥心」の鮮烈な記憶が逆流する。


そして、その膨大な「穢れの記録」の中で、奏太の頭蓋骨を殴りつけるような、衝撃的な映像が再生された。


(アヤノの記憶): 「ああ、よかった。この人、まだ意識がないわ。でも、まさかあんなに『清浄な童貞のブツ』を持っているなんて。つい、可愛くて、寝顔を見ながら、そっと触っちゃったけど、バレなくてよかった。これで童貞を奪えれば、私の経験値も最高のレベルに!」


奏太は、自分が意識不明の間、この看護師に「清浄な童貞のブツ」を、好奇心と衝動で弄ばれていたという、究極に屈辱的で背徳的な「穢れの記録」を読み取り、顔面を土気色にした。


「お、お前が……!怪盗巨乳だったのか!」


奏太は、怒りと屈辱で叫んだ。


その屈辱の記憶、すなわち「魔王に独占予約された童貞のブツ」が、他の女性に勝手に経験を刻まれていたという事実は、魔王の呪いのトリガーとして、あまりに強烈すぎた。


奏太の右手首のブレスレットが、暗い、激しい、そして無限の嫉妬に満ちた光を放った。


ゴォオオォンッ!


アヤノ、ユウキ、そして遠巻きに見ていた船員たちが驚愕の悲鳴を上げる中、奏太の目の前に、玉座の間で見た、全裸の巨乳を晒した魔王ルクセリアが、濃密な魔力の霧の中から、凄まじい威圧感と共に、音もなく、瞬間移動で出現した。


魔王は、アヤノの胸を掴んだまま硬直している奏太の腕を掴み、その手を無理やり、自分のLv.∞の巨乳へと、深々と、そして支配的に押し付けた。


「ふぁっ……!ま、魔王!?」


ルクセリアは、ゾッとするほど冷たい視線で、看護師アヤノを見下ろした。


「童貞。この女が、私の独占予約した大切な『ブツ』に勝手に触れていた穢れの記録まで刻まれるなんて、究極の浮気よ! そしてお前も、その穢れを清算するために、この女の胸に手を出すなんて、許されない!」


奏太は、震えながら弁解しようとする。「ま、魔王! ごめんなさい! これは、その……」


魔王は、奏太の言葉を完全に遮断し、その支配的な美貌を奏太の顔に近づけた。


「謝罪は無意味よ。貴方は既に私の独占物。本来なら、この場でアヤノを始末し、永遠に私とあなたと二人っきりで監禁するべきところよ」


魔王は、フッと冷たく鼻で笑った。


「ただし、今回だけは、この『二重の穢れ』の件は水に流して、見逃してあげる。この女の穢れも、貴方の愚かな衝動も、全て私がなかったことにしてあげるわ。ただし――」


ルクセリアは、看護師アヤノの胸を掴んだまま硬直している奏太の腕から、アヤノの胸へ、Lv.∞の魔力を一筋流し込んだ。


「二度と貴方の気を引こうとしないように、この女の浅はかな経験(穢れ)の象徴だけは、消し去って差し上げる!」


ズゥン!という重い音と共に、アヤノの制服の下にあった豊満な胸部が、まるで空気が抜けたかのように急速に萎んでいく。


「ひ、ひぃいッ!私の、私の胸が――!」


怪盗巨乳アヤノは、突然胸のサイズが変わり果てたという物理的な衝撃と、魔王の圧倒的な魔力による精神的な屈辱に耐えられず、「うわぁあああ!なんでこんなに小さく……!これじゃあ、私はもう……!」と金切り声を上げて泣き崩れた。


魔王ルクセリアは、サイズダウンしたアヤノの胸を一瞥し、鼻を鳴らす。


「フン。これなら貴方の【性魔術解析】も機能しないでしょう。穢れの記録が少なすぎて、スキャン不可能だからな。そして、この女も、もはや『巨乳』として、貴方の清浄さを狙うことは二度とないでしょう。皮肉にも、貴方の呪いと私の嫉妬が、この怪盗事件を、『怪盗貧乳への変身』という形で、完全に終結させたというわけね」


そして、奏太の耳元に、最終通告を叩きつける。


「いい? 罰は保留。貴方は現実世界で誰にも触れず、永遠に孤独な童貞探偵を続けること。もし次に、私の許可なく誰かに触れたら、その瞬間、私が貴方を異世界に連行し、永遠に二人っきりで監禁する!」


「私の童貞マイ・バージン! 次はないわよ!」


魔王は、満足そうに微笑み、「そう、それが貴方の選んだ『孤独という名の独占』よ」と囁き、一瞬で消滅した。


久我奏太は、目の前で「怪盗巨乳」から「怪盗貧乳」へと変わり果てて泣き叫ぶアヤノと、「女性の胸に触れると魔王に、異世界に連れ去られる呪い」という、究極の皮肉と宿命を背負い、孤独な童貞探偵としての日常へと戻ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ