第4話
4月が終わり、ゴールデンウィークに入った。
連休に入る前に父と母が旅行に行こうと言い出した。
あんまり乗り気ではなかったが、家で1人で生活できる気がしなかったので渋々行くことに。
母「準備できたぁ?」
明人「うん。」
母「お姉ちゃん、まだ寝てるのかしら?‥先に車乗ってて。」
明人「うん‥」
姉とは普通に話すが、あの日の‥姉にパンツを見せてもらった事に対して触れることはなかった。
オレは外に出て車の後部座席乗ると父が運転席に座っていた。
明人「今日、どこ行くん?」
父「ん?‥東の方。」
父は余りしゃべらない。
母の方がうるさいぐらいよくしゃべる。
しばらくすると母と姉が家から出てきた。
夏美「おはよ。」
姉は隣の後部座席に座ってきた。
明人「ん。」
夏美「なにそれw返事?」
明人「ん。」
夏美「ふふ、変なのw」
姉は白のワンピースを着ていた。
明人(‥あの時の下着も白だったかな‥)
姉の着ているワンピースに白の下着を妄想してしまい下半身が反応してしまった。
オレは咄嗟にポケットに手を入れ、前屈みの姿勢をとった。
夏美「お腹、痛い?大丈夫?」
明人「ん。‥なんでもない」
夏美「あ、しゃべったw」
母も助手席に乗り、父は車を発進させた。
車内は母と姉が息つく暇もないくらいしゃべっていた。
オレは窓からの景色をずっと見ていた。
休憩しながら観光して、ようやく旅館に着いた。
旅館の仲居さんが泊まる部屋に案内してくれて一息ついた。
部屋は和室で4人でも十分過ぎるくらい広かった。
明人「は~着いた。」
母「お疲れさん。お父さん、ありがとね。」
父「うん。‥ちょっと喫煙所行ってくる。」
母「はーい。」
父は部屋を出て喫煙所に行った。
母「夏美、温泉見に行かない?」
夏美「え、うーん‥ちょっと休憩しとくよ。」
母「あら、そう。」
母も部屋から出ていき、姉と2人だけになった。
しばらく沈黙が続き、
夏美「明人、外行かない?」
明人「え?疲れてるじゃないのかよ?」
夏美「うん、まぁ、ちょっと。疲れてるなら私1人で行こうかな‥」
明人「わかったよ‥行くよ。」
夏美「ふふ、ありがと。」
姉と旅館の外に出て温泉街を見に行くことに。
連休だけあって観光客で溢れていた。
姉は1人でスタスタと歩いていき、オレは後ろから姉に付いていった。
すれ違う人はチラチラと姉を見ていた。
通行人男A「あの白ワンピの子、可愛くね?」
通行人男B 「ん?マジで?」
通行人男A「ああ、乳も大きかったw」
姉には聞こえてないだろう通行人の会話が耳に入ってくる。
弟から見ても姉は美人で可愛くて‥身体がエロい‥
明人(ふふん。オレは下着姿も見たことあるんだからな)
知らない通行人に勝ち誇るオレ。
すると姉は道端でアクセサリーを売っている露店で足を止めた。
夏美「あ、見てもいいです?」
露店の男性「いらっしゃい。どうぞどうぞ。」
姉は前屈みになりアクセサリーを見ていると、露店の男は姉の胸元を上から覗くように見ていた。
明人(‥このエロジジィ‥)
とはいえ、前に自分も同じことをやっていた‥
オレは姉が見られているのを横で黙って見ていた。
夏美「明人、コレ可愛くない?」
明人「ん‥ああ。うん。」
露店の男性「いやぁ今日は良いモノが見れて‥じゃなくて、良い日になりそうだから1点ならどれでも半値でいいよ。」
夏美「ホント?ありがと、おじさん。」
露店の男性「‥おじさんじゃなく、お兄さんねw」
夏美「ごめんなさいw」
姉は手に持ってたアクセサリーを半値の値段で購入した。
夏美「そろそろ戻ろっか。お腹空いたし。」
明人「‥うん。」
人混みで迷うと思ったのか姉はオレの手を握り引っ張ってくれた。
オレも姉の手を軽く握り、姉と一緒に人混みを抜けていった。
旅館に戻る手前でオレは姉の手を離した。
夏美「ごめん、痛かった?」
明人「いや、そうじゃないけど‥」
姉はオレの顔を下から覗き込むように、
夏美「どした?」
オレはさっきのこと言うべきか迷っていた‥
明人「あのさ、さっき‥露店のオッサンに‥胸元覗かれてたよ‥」
夏美「え、嘘?なんで言わなかったのよ‥!」
姉は少し怒り気味で聞いてきた。
明人「いや、‥ごめん。」
夏美「はぁ~、もしかして明人も同じことしてたから?」
明人「‥うん。ごめん」
夏美「もぉ、他の人に見られる方が100倍恥ずかしいよ。別に明人に見られるのは‥」
明人「‥え?じゃあ、今‥」
すると、姉の手刀が飛んできた。
夏美「調子に乗んな。」
明人「‥ご、ごめん。」
夏美「はぁ、疲れた‥早く部屋に戻ろ。」
明人「うん。」
‥少しだったけど姉と遊びにきて良かったと思った。
女の子とデートってこんな感じなのかな‥?
私と明人が部屋に戻ると父と母、そして旅館の仲居さんが料理を準備をしてくれていた。
母「もぉ、どこ行ってたのよ?」
夏美「ごめん。ちょっと明人と外に行ってた。」
私と明人は席に着くと、テーブルには食べきれないぐらいの料理が並んでいた。
夏美「すごっ‥」
母「がっつかないでよ、夏美w」
仲居さん「ふふ、お嬢様が早く戻って来られて良かったです。冷めないうちに召し上がってください。それでは失礼します。」
仲居さんはキレイお辞儀をして部屋を出ていった。
明人「‥お嬢様って‥」
夏美「なによ?」
明人「なんでもw」
母「そうね。お嬢様って感じではないわねw」
夏美「もぉ、お父さん~。」
父に助けを求めると、
父「じゃ刺身から‥」
夏美「えっ、スルーw」
談笑しながら旅館の料理を堪能した。
夏美「あー。お腹いっぱい。」
明人「太った?」
夏美「うっさい。」
母「じゃあ、お風呂いきましょうか。」
夏美「うん。」
母「お父さん、先にお風呂行ってきますね。」
父「うん。」
夏美「明人、女湯入って来ないでよねw」
明人「入るか!」
私と母は着替えを持って大浴場に。
大浴場の更衣室は広く、マッサージチェアや体重計など完備されていた。
私は服を脱ぎ始めると、
母「キレイな色ね。そのブラ。」
夏美「うん。薄い青系の色って珍しかったから。」
母「気に入ったのがあってもサイズが合わないとねー‥」
夏美「ホントそれw」
母「‥それにしても‥大きくなったわね。」
夏美「え?やっぱり?食べ過ぎかなぁ‥」
母「違うわよw身長のこと。私が少し見上げるくらいじゃない。」
夏美「あ、ホント!」
母「こっちもね。」
母は私の胸をツンツンしてきた。
夏美「もぉw早く入ろ」
母「はいはい。」
身体と髪を洗い、母と一緒に広い湯船に浸かった。
母「あー、いいお湯ね。」
夏美「うにゃ~溶ける~」
母「夏美ちゃんさぁ‥」
夏美「ん?」
母「彼氏つくらないの?」
夏美「ぶっ‥!?何‥急に‥?」
母が私をちゃん付けで呼び始めると甘えん坊‥というか素の母が出てくる。
話し方も友達みたいな感じで喋ってくる。
母「部活やって、生徒会も入って、ちゃんと青春できてる?」
夏美「青春ってwお母さんはどうだったの?」
母「私は‥思い出したくないくらい地味っ子だったわw」
夏美「ぷっ‥お母さんがw?」
母「女として目覚めたのは大学からかなw」
夏美「あのね‥」
母「ん?」
夏美「私も大学、行ってもいい?」
母「なに遠慮してんのよ。大学でも留学でもメンドー見てあげるわよ。」
夏美「‥うん。」
母「何かやりたいことあるの?」
夏美「ううん。まだ‥」
母「まだ時間あるし、しっかり考えときなさいね。」
母の言葉に泣きそうになった。
夏美「お母さん‥ありがと。」
私は後ろから母を抱き締めようとすると、
母「え‥何?キモッ‥!」
夏美「酷っw」
口の悪い所は明人に受け継がれてると思ったw
汗を流し、旅館の浴衣を着て大浴場を後にした。
部屋に戻ると横1列に布団が敷かれていた。
母「んー、お父さんは端にしてあげて‥夏美はどこがいい?」
夏美「うーん、私も端かな。」
部屋の入り口から私、明人、母、父の順で寝る布団決めた。
母「夏美、インナー着ないの?」
夏美「うん、浴衣の着心地良いし。」
母「そう。見えても知らないわよw」
夏美「大丈夫でしょ。多分‥」
部屋でまったりしていると、父と明人がお風呂から戻ってきた。
母「おかえり。お父さん端でいいよね?」
父「ん?ああ。」
夏美「明人は私の隣ね。」
明人「なに勝手に‥まぁいいよ。」
少し話をして、家族4人で就寝した。
‥私も疲れていたのか、すぐ眠りに落ちた。
‥ふと肌寒さを感じ目が覚めた。
上半身の布団が捲れて、仰向けで寝ている胸に違和感を感じた。
夏美(‥なに‥?)
うっすら目を開くと、私の右胸に手が置かれていた。
夏美(‥え‥?!)
寝起きで混乱していたけど、少し冷静になり‥
隣で寝てたのは明人だったはず‥。
夏美(‥明人の手‥?)
私の胸に手を置いているだけ‥と思っていたけど、ゆっくりと指を動かしていた。
夏美(‥ん‥。)
浴衣の上からゆっくりと私の胸を揉んでいた。
夏美(‥声出したらお母さんに‥)
私はそのまま明人に胸を触らせた。
しばらくしたら飽きると思っていた。
けど明人の手は止まらず、逆に私は声を出さないよう必死に耐えた。
浴衣越しに胸の先端が指に当たる‥
なんだか‥焦らされてるみたい‥
夏美「はぁ‥」
思わず吐息が漏れてしまった。
私の息が荒くなってるのに気付いたのか、明人は揉んでいた手を止め浴衣の襟元に手を入れてきた。
夏美(え‥?!ちょっ‥)
インナーもブラジャーもしてない‥直接触られたら‥
と、思った瞬間。
「ガタンッ」と大きな音が鳴った。
明人はその音に驚き手を引っ込め元の位置に戻っていった。
私も音に驚いたが、上半身を起こし音がした方を見た。
月明かりの輪郭でしか確認できないけど父が寝返りで間接照明を倒したみたいだった。
大きな音だったのに父も母も眠ったままだった。
夏美(ビックリした‥)
色んな事が起こり過ぎて放心状態になった。
胸元を見ると、浴衣は着崩れ乳房が丸見えになっていた。
夏美(‥やばっ‥)
私は胸元を隠し、隣を見た。
明人は掛け布団を頭まで被りタヌキ寝入りをしていた。
夏美(もぉ、しょうがない子‥)
私もそのまま横なり再び眠りについた。
そして朝になり、帰り支度して旅館を後にした。
帰りの車内、
明人「姉ちゃん‥」
夏美「ん?」
明人「昨日の夜中‥」
夏美「え、ああ。音、ビックリしたね。目ぇ覚めちゃったよ。」
明人「え‥それまで寝てたの?」
夏美「うん。そうだけど。」
明人の聞きたいことはなんとなく解った‥。
明人「そっか‥。」
すると母が会話に入ってきて、
母「え?全然気付かなかったけど。お父さん聞こえた?」
父「ん?いや全然‥」
夏美「そうなんだ‥w」
あの時、絶妙のタイミングで間接照明が倒れたと思った。
夏美(‥あのまま揉まれていたら‥)
少し期待していた自分が‥