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酒ファンタジー アルティメット

Ultimate ONE~第四話~【ゾンビ人間】


~最下層の研究施設~


ワンドの保管室から少し離れたところにDQNの武器開発とは違う部署があり、そこでは治療薬やワクチンなどが開発されていた。

今、最も注目しているのはゾンビ化した人間の復元であるが、まだ完全な治療薬の開発には至っていない。

リサとモブはレヴナントを連れ、ゾンビの治療を開発する施設へと足を運ぶ。


男の研究員 「リサ!どうしたんだ?その二人は!部外者を連れてきてはダメじゃないか!」


リサ 「ギブさん、こちらの方はゾンビに噛まれたの!」


ギブ 「一般人がゾンビに!?城壁の外にでもでたのか?」


リサ 「この研究施設の近くよ!ギブさん…どこからか、脱走したんじゃなくて?」


ギブ 「こりゃ…たいへんだ!」


慌ててその場から立ち去るギブという名の研究員。


リサたちは治療室に入る。


リサ 「モブさん…これを渡しておくわ」


社員証をモブに渡す


モブ 「おいおい!こんなもん渡しちまっていいのかよ?見つかったら大変なことになるぜ?」


リサ 「私の事は心配しないで!悪い予感がするの、早く飛行艇でこの街を出て!お願い!」



~数日後の治療室~


パパァ~!パパァ~! 今日の誕生日は何を買ってくれるの?


そうだな~! おまえの好きな犬でも飼いに行くか!


ほんとぉ~!?やったぁ~!パパ大好き!


帰ったらママはビックリするぞぉ!


……



パパァ~、僕、ビックと遊んでくる!


気を付けるんだぞ!ローガン


うん!


ビックーー!そっち行ったらだめだよ!まって~!


急に止まろうとする車


キキキーーー!


ドンッ


降りてくる女性


あ、あ…なんてことでしょう…人をひいてしまったわ…


引かれた子供の顔を見る女性


ローガン!


マ、ママァ~…いたいよ~


あ、あ、あ…ローガン!ローガン!



力なく椅子に座る女


私は…あの子を殺してしまったわ…


私はお前を責めてなどいないぞ

むしろ、目を離して遊ばせていた私の方が悪いんだ…



今日はオリビアの誕生日!このプレゼントで少しでも元気を出してくれたらいいのだが…


家の中に入る男

電気も付いておらず、静かな家…男はゆっくりと部屋に入っていく

そこには、ロープに吊り下がったオリビアがいた


オリビアーーーー!



レヴナント 「はっ!はぁ…はぁ…」


レヴナント ≪まだ、あの時の夢を見る…≫


気が付くと近代的なベットのようなものに寝かされている。

そこに若い女性の声が聞こえてきた…


リサ 「レヴナントさん! 目が覚めたんですね!良かったです」


レヴナント 「ここは…それに君の気配は髪の毛一つまで感じるが、目が見えていないのか…」


リサ 「ごめんなさい。完全にゾンビ化を防ぐことが、今の私には出来なくて…」


レヴナント 「いや、いいんだ…私が人を殺してしまうのを止めてくれただけでも、ありがたい。ありがとう…リサさん」


レヴナント ≪もう…誰も殺したくはない…≫


リサ 「それと~、ゾンビ化を止めるために変異種の体液を組み込まなければいけなくて」


レヴナント 「変異種?」


リサ 「そう、ゾンビになってしまった人間がごくまれに変異する個体で、通常のゾンビよりとてつもなく高い能力を持っているの」


レヴナント 「そうですか…。ゾンビになるのを防ぐのにはその体液が必要なんですね?私はどうなっても構わない、たとえ死んでも…」


リサ 「それがぁ~。今のあなたは…たぶん、死ぬことが出来ないと思う…正確に言うと、死んでも蘇る?」


レヴナント 「言っている意味がよく分からないのだが…」


リサ 「ホントにごめんなさい。あなたの自我を残すことがせいいっぱいで、姿や、以前の能力はだいぶ変わってしまったわ」


レヴナント 「死ねない…身体か…にわかには信じがたいが、もしそうであっても、その能力で人を守ればよいだけだ。私にとってはむしろ好都合です。改めて礼を言います。ありがとう」


リサ 「いえ…そんな…では、動きづらいと思いますのでロックを解除しますね!」


ベットにかけられていたロックがすべて外れ起き上がるレヴナント。


レヴナント 「私は何日間…眠っていたのだろう?」


リサ 「死んでいたのは4日間ですよ」


レヴナント 「死んでいた…か…ふっ」


リサ 「あ!レヴナントさんが笑ったの、初めて見ました!ツボは分からなかったけど…嬉しいです!」


レヴナント 「ところで、街の様子はどうなっているのだろう。あと、もう一人いた男は…」


リサ 「モブさんなら帰ってもらったわ。それと~…最下層のこの地区はゾンビに襲われてほぼ壊滅したみたい…あと、最近の噂だとゾンビになった人たちが一か所に集まろうとしているとか…」


レヴナント 「何かあるな…まずはそこへ行こう。」


リサ 「私も行くわ!」


レヴナント 「危険だ!何故?」


リサ 「少し前…この騒動に乗じてある盗賊が表れたの。この施設にも入り込んできたわ」


レヴナント 「盗賊?何か盗んだのか?」


リサ 「入った情報ではオロチという刀型のまだ未完成のワンドなんですが…どうしてそんな武器が欲しかったのかしら?」


レヴナント 「従業員は大丈夫だったのですか?」


リサ 「いえ…その人自体は従業員に危害を加えなかったそうですが、侵入する際に建物を破壊し、壊れたところからゾンビが入り込み、ほとんどの人は…」


リサ 「ここの扉を開けたら、ゾンビが来ているかもしれません」


レヴナント 「脱出口は?」


リサ 「無いです」


レヴナント 「ここを突破するしかないが、君は危険だな」


レヴナント 「安全なところまでは、私が守るのでその後は何とかして街から脱出してくれ!」


リサ 「いえ、私も行くわ!ゾンビが集まるところに」


レヴナント 「何度も言わせないでくれ!危険すぎる!」


リサ 「その盗賊もそこへ向かっているはずよ!私、その盗賊が近くまで来たのを感じたの」


リサ 「彼は今までにない凄まじいオーラを持っているのよ。私は彼の脳の情報を採取するわ!」


レヴナント 「研究も大事だが無理をしてはいけない!相手は盗賊だろう?それにゾンビの大群となれば君を守れる自信がない」


リサ 「私は大丈夫、レヴナントさんには迷惑をかけないし、一人でも行くわ!」


レヴナント 「ああああ~…なんてことだ…言う事を聞きそうもない」


リサ 「あと、レヴナントさんが使っていた武器もお返ししておきますね!」


リサ 「銃の弾が切れていたので、これも使ってください!」


リサ 「グレネードランチャーより威力があるのでゾンビの身体ごと粉々にできるはずですよ!」


レヴナント「すまないが、普通の弾は無いか?グレネードランチャーだと、周りに被害が出る可能性がある。ほぼ壊滅したと聞いたが、万が一ゾンビ以外の人がいたら巻き込んでしまう…ターゲットさえ仕留められればそれでいい」


リサ 「分かりました。それなら…ありますけど…」


レヴナント 「でも、この弾はいざという時のためにいただいておくよ、ありがとう」


レヴナント 「しかし、なぜ最下層に重要な施設があったのか、なんとなく分かった」


リサ 「え?」


レヴナント 「最下層では人体実験が行われ、ゾンビを保管していた…AIの管理にあえておかなかったのも分かる」


リサ 「…」


レヴナント 「私が最初に会ったゾンビはオークだった。人体実験をしても、オークなどの半人を使えば、身元も分からず重い罪には問われないからな」


レヴナント 「しかし、なぜ、武器開発も最下層にある?」


リサ ≪レヴナントさん…するどい、さすがガーディアンね…≫


レヴナント 「ま~…こうなってしまっては後戻りはできない、扉を開けてくれないか?」


リサ 「一緒に行きましょう!ゾンビの集まるところへ!」


レヴナント 「ふっ…こんなにもたくましいお嬢さんは初めて見た」


リサ 「あ!また笑った!」



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