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誰も俺の番じゃない  作者: 鈴田在可
アギナルド&ミネルヴァ編

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54/62

53 死んでも離さない

R15注意、変態注意、ヤンデレ注意

 シドは私室から二人の様子を嗅覚で観察していた。


『アギーごめんなさい許してっ! 私にはあなただけなのッ! あなたしか愛してないのォッ!』


『僕も愛してるよ♡ 好き好き大好きぃ♡ 誰よりも愛しているぅぅぅ~♡』


 アギナルドは最初こそミネルヴァに苦痛を与え屈伏させて自分の支配下に置くつもりだったようだが、ミネルヴァが新しい感覚に目覚めてしまったのと、アギナルド自身もソレの快楽に溺れてしまい、変態カップルが出来上がるという当初の想定とは違う方向で落ち着いてしまった。


 こいつらもう✕✕でしか✕✕れないんじゃないかとシドは冷笑した。


『ミーネたん、もうヴィーちゃんには関わらないで。このままだと僕はアル君を殺さないといけない』


 家庭内下剋上を果たすという計画が頓挫したアギナルドだったが、シドの命令は聞かねばならないと思っていた様子で、「一家でヴィクトリアと関わるのをやめなければ、アギナルドにアルベールを殺させるとシドに言われた」という嘘をでっち上げていた。


 ミネルヴァはヴィクトリアとの関係を断つことに戸惑っていたが、「僕やアル君が傷ついてもいいの⁉」とアギナルドが強く主張していて、ミネルヴァも最後は愛するアギナルドの嘘に落ちていた。


『しょうがないよ。あんなヤバイ奴に目を付けられちゃったのが運の尽きさ』


 ハァハァと呼気を荒くしているアギナルドに対して、お前だけには言われたくないとシドは思った。


『族長は自分の兄弟も子供も関係なく、気に入らなければぶち殺す恐ろしい人だからね。ミーネたんもこれ以上目を付けられて害されないように、大人しくしてなきゃ駄目だよ』


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()奴が何を言っているのだろうと、シドは再び鼻で笑った。











『族長、もしも僕がミーネたんよりも先に死んだら、ミーネたんを殺してください。ミーネたんは僕のものなんです。僕が死んだ後でミーネたんが他の男と寝るだなんて、僕は絶対に許しません。


 あなたならわかるでしょう?


 二度と浮気ができないように、必ず殺してくださいね』











 シドはミネルヴァのことは昔から嫌いではなかった。オリヴィアを完治させられなかったとはいえ、他の医者に任せても同じ結果になっていたような気もしていたし、アルベールを暴行したりアギナルドを暴走させたりしてミネルヴァを苦しめることで、ある程度許してやるつもりだった。


 アギナルドが死んだ時にシドがどう行動するかは、その時のシドの気分次第だろう。


 シドにしてみればミネルヴァこそが、アギナルドのようなおかしな男に生まれた時から目を付けられていて、不憫であるとしか思えなかった。


 シドはアギナルドのミネルヴァへの執愛に満ちた言葉を確認したのを最後に、彼らの匂いを探っていた嗅覚を遮断した。











『ミーネたん、一生離さない……


 死んでも離さないよ…………』












ミネルヴァとアギナルドの過去話(完結済)

今作は不穏ですがこちらはハッピーエンドです


「新生児に一目惚れした狂人、誘拐しようとして彼女に拒否られる…… からの逆転劇」

https://ncode.syosetu.com/n8072ih/


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