52 お仕置き
R15注意、変態注意
シド視点→アギナルド視点
冒頭は少し時間が戻っています
「わかっていますよ、あなたの考えは。オリヴィアさんを助けられなかったミーネが許せないのでしょう?」
ミネルヴァを下がらせた後、入れ替わるようにシドの私室にやって来たアギナルドは、抑えようとしても溢れ出る暗黒の空気をまといつつシドにそう言った。
「でも仕置きなら僕がします。あなたが納得するくらいには、ミーネを後悔させて苦しめてやりますよ。一緒に逝くのはあなたじゃなくて僕だ。
だから、僕だけのミーネたんにはもう指一本触れないで頂きたい。
僕の願いを聞き入れてくださるのなら、僕は族長の恋を応援します」
アギナルドは、息子のアルベールではなくてシドに肩入れすることにしたようだ。
アルベールはヴィクトリアへの『番の呪い』にかかっていることを親には言っていなかった。知っていたらアギナルドはまた別の答えを出してきた気もするが。相談しなかったアルベールの失敗だろう。
シドはアギナルドに、ヴィクトリアからミネルヴァを引き剥がせと命じた。
ミネルヴァは現在オリヴィアの遺言を守り、ヴィクトリアの世話を何くれと焼いているわけだが、はっきり言って邪魔だった。
ヴィクトリアの心の拠り所など、自分一人だけがいればいい。
ヴィクトリアが自分のモノになるのであればミネルヴァには手は出さないと言うと、アギナルドはシドの指示を即座に受け入れた。
元より、シドはミネルヴァのことは抱けても抱けなくてもどちらでも良かった。状況が許せば抱いてやってもいいが、それよりもミネルヴァには医師として働いてもらう方が重要だ。
どの道、ヴィクトリアと番になれば、ミネルヴァを含め他の女とは関係できなくなるだろう。
シドは自分の思った通りに事が運び満足したが、アギナルドは最後にこんなことを言ってきた。
「族長、もしも僕がミーネたんよりも先に死んだら――――………………
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アギナルドは泣き叫んで拒絶するミネルヴァを力で押さえ付けた。
苦痛と恐怖に顔を歪ませ悲鳴を上げているミネルヴァには構わず、アギナルドは――――
叫んで苦悶の様子を見せるミネルヴァとは違い、アギナルドは感動し癒されていた。
ミネルヴァも痛みだけではなく何かを感じているようだった。
アギナルドは期待に応えねばと思ったし、興奮した。
「ミーネたぁぁぁんッ!」
アギナルドは完全に満足していた。




