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誰も俺の番じゃない  作者: 鈴田在可
サラカヤ前編

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25 処理係

R15注意、強姦注意、拘束注意

 ユリアは妊娠したが、そのせいで体調不良になってしまい営めなくなった。


 オリヴィアも、立て続けの妊娠と絶倫王シドの相手で具合が悪くなってしまい、しばらく禁止とミネルヴァに止められている。


 他の番も大部分が妊娠中で二人と似たようなものだった。しかし、禁欲生活はシドには向いていない。


 なので、シドは新しい(処理係)を作ることにした。


 が、獣人女はシドへの執着も強く後々色々と面倒になってくるし、そもそも増えすぎたので、シドは後で捨てる(別れる)ことも可能な人間女を見繕うことにした。


「お、お許しを! お許しください!」


 シドの私室の寝台の上では、鎖の拘束具を使われた若い女が転がっていた。


 茶色い髪と瞳のどこにでもいるありふれた色彩のその女は、顔はどちらかといえば地味で普通だが、中々に良い体付きをしていた。


 まだ十代のようだが胸が大きく、しかもまだ発育途上のようなのでもっとデカくなりそうだった。


 肉感的な身体を持つその女には男を誘い込む色香があった。


 だが反応はイマイチだ。臣下が下働きのためにどこかから連れて来たそのレベッカという名の人間女は、シドを酷く恐れていて、拘束具のせいで身動きの取れない不自由さも相まってか、シドが触れても身体を強張らせるだけだった。


 レベッカは生娘だった。


 貴族ではないようだが、そこそこいい所の出のお嬢様だったようで、十代の後半まで経験もなく大事にされていたようだった。


 この国では獣人の番である『悪魔の花嫁』にならないために、早々に済ませる女も多いが、護衛を雇えるような裕福な家だと、嫁入りまではと生娘のままにされることも多い。


 それなのに、いきなり百戦錬磨のシドに✕されたレベッカは号泣していた。絶望し引き攣った顔で泣き喚いているその様が面白すぎたシドは、笑いながら一晩中レベッカと関係した。


 けれどその体験が強烈すぎたのか、完全に萎縮してしまったレベッカが、恐怖以外の良い反応を全く見せなくなったのは誤算だった。


 本当はこの拘束具はユリアに使ってやるつもりだった。商人から購入した途端にユリアが悪阻つわりで伏せってしまい、できなくなってしまったことは惜しかった。


 シドは、ハァとため息を吐く。


 レベッカでは、相手への征服欲は満たせるが、別の部分は満たせなくなっていた。


「つまらん」


 とにかく、持て余す欲を解消するため、シドは今日も女と関係した。


 レベッカは悲鳴を上げていた。彼女はいつも拷問をされているような声を上げる。


 だから、レベッカとの時は誰もこの部屋に近付こうとしない、そのはずだった、が――――


「な、何てことしよーんと!」


 突然、バーンと勢い良く開いた扉の音と共に、やや高めの少女の声が聞こえてきた。


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