森の子リスのさがしもの
冬童話2021投稿作品です。
仕事柄絵本はよく読むので、とりあえず一つ書いてみました。節操がない? 違いますよく見てください。条件が整っているからって、こっそりなろうラジオ大賞2のタグも付けているでしょう? こういうのは恥知らずというのです。
童話らしくない前書きになってしまいましたが、心をリセットして読んで頂けたら幸いです。
「ないなぁ。ないなぁ」
ゆきの つもった もりのなか、
子リスが なにかを さがしています。
「なにを さがしてるんだい?」
「おにいちゃん!」
子リスは おにいさんの もとへ かけよります。
「ドングリが ないの」
「ドングリ?」
「あきに みつけて、このあたりに うめておいたのに」
子リスは いまにも なきそうです。
「ドングリなら おうちに いっぱい あるじゃないか」
「あれは じぶんで みつけた やつだから とくべつだったの!」
子リスの めから なみだが こぼれます。
「そうか。でも だいじょうぶ。はるに なれば みつかるよ。めじるしが できるんだ」
「ほんと?」
「あぁ。にいちゃんも ドングリ なくしたこと あったけど、みつけられたから」
「そうなんだ」
「さぁ、おうちに かえろう」
「うん! はやく はるに ならないかなぁ」
ゆきが とけて はるに なりました。
「みてごらん」
「わぁ……!」
おにいさんの ゆびさした ばしょには
ちいさなめが かおを だしていました
「これが あたしの ドングリ?」
「そうだよ。これが なんねんも なんじゅうねんもたって、おおきな ドングリの きになるんだ」
「ふわぁ……」
子リスは このめが おおきなきに なるのを そうぞうしました。
それは とてもすてきな こうけいでした。
「たのしみだね!」
「そうだね」
ふたりは わらいあって はるののはらへ かけていきました。
読了ありがとうございました。
リスなどの小動物が木の実を地中に埋めて、その内忘れられた物が芽を出して新たな木になる、そんな逸話から作ってみました。
童話と言うより絵本を意識して書いてみましたが、絵心は無いので皆様お好きな作家さんの絵で脳内再生してください。
もう一本、明日投稿いたしますので、そちらもよろしくお願いいたします。