星間移民船JP-538
何本か短編を書く予定でしたが、年表に近い形で投稿しました。
西暦2300年――地球のコアの限界を察知した[自由石工連合]の主導で地球を脱出するための星間移民船の開発が開始される。
西暦2321年――地球が太古の昔に滅んでいた地球外生命体<角の一族>と<環の一族>の魔力養殖牧場だったことを発表。
<角の一族>と<環の一族>は、地球上のすべての生物に手を加え体内から魔力を出せないようにした。溜め込まれたマナは魂と一緒に地球のコアに吸収されエネルギーに変換されていた。
この2つの種族は対であることを忘れ、牧場の利権をめぐり激しく争い<環の一族>が<角の一族>を滅ぼしたことにより対消滅した。
しかし両種族とも気まぐれに人間との間に子を設けており、その血は、様々な国に分散し地球人に混ざり込んでいった。
そして地球の危機の原因は消費されることなくたまり続けた魔力の暴走だった。その機能をどうにかすることができなかった人類は、星間移民船計画を加速させた。
西暦2340年――星間移民船が完成する。各国の星間移民船は希望した自国民を詰め込み、いつ爆発するかもわからない地球から脱出した。
危機は根拠が乏しいと唱える懐疑派だけが地球に残り彼らは短い統治をすることになった。
星間移民船は移住可能な星を求めて各国がバラバラに宇宙の果へと旅立つ。各国の<環の一族>の血が強く発現した者たちが、責任を感じ地球の最後を看取る地球監視船に残る事になった。その中で日本人は一人だけだった。
西暦2345年――ついに耐えられなくなったコアが爆発し地球は懐疑派と共に消滅した。地球監視船は分離し各国の移民船を目指し出発。
西暦2538年――日本人を乗せた第二の日本である星間移民船JP-538が管理AIータカミムスビにより完全自動制御されると周囲の小惑星を材料にして人工惑星を作り月と太陽を模した人工衛星を打ち上げ小さな地球のようになる。
西暦2638年――自然環境が整うと人間は移民船の内部から出る。以後は地表面に家を建てる地球と同じ文明に戻っていった。
西暦2786年――星間移民船JP-538の表層では、船内を東西に分けた戦争が勃発し東軍と西軍の究極破壊兵器の交差発射により人類がほぼ死滅。タカミムスビは、設定に従い操作を一切受け付けない[人類再生モード]に入る。魂の解析が済んでいたタカミムスビは、偶然中心部にたどり着いた二人を最初のスペクトルとして任命した。
スペクトルアダム 地固 凪 スペクトルイブ 雨降 梅が誕生する。
AIタカミムスビは、歴史の記録を元に人類の再生を始める。
西暦3792年――人類は、以前の人間とは別の進化を遂げる。<角の一族>と<環の一族>の改造をはねのけ魔力を体外に出すことができるようになり魔法を使い始める。
この現象にタカミムスビは、エラーを起こす。魔法の要素がある人類史などなかったからである。そして、タカミムスビは思考の結果アーカイブにあった。創作物を歴史と認識することでエラー状態から回復。
創作物に沿う誘導を開始。すると誘導に必須な人物なのに魂が無い人間が生まれるようになった。
魂の解析はできていたが製造はできなかったタカミムスビは、次元の扉を開く道具を生成しスペクトルイブに譲渡し過去の地球よりコアに吸収されるだけの魂の中から、転生や転移に絶望せず行動するを人物を選びこの船に呼び寄せることにした。
目論見はうまくいきそれから1500年以上続く安定期に入った。
(エタってしまった<暴走賢者と観光冒険者~魔法の効果時間は700年!?~>は、この時代)
西暦5404年――地球監視船に残った日本人がコールドスリープ状態でこの船に到着する。彼は、日本人としての名を捨て、”遅れてきた人”という意味を込めてレイトと名乗る。彼は砂漠地帯を開拓しそこに住居を構えた。
西暦5421年――レイトが整地した地域に周辺諸国から追われた人々が集まり始め何度かの戦争を乗り越えレイグランド王国が誕生する。
西暦5440年――<環の一族>の力を持ったレイトをタカミムスビがスペクトルに勧誘する。
彼は、純粋な人間として力を持っている<人の一族>レイスと<角の一族>の血を色濃く継いだトレイルも同時にスペクトルに加入させることを条件に承諾。
<環の一族>、<角の一族>、<人の一族>の3人のスペクトルが誕生する。
そして物語は、300年の平穏を終え。
怪力悪役令嬢は冒険者になりたい!の世界へとつながる。
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