プロローグ
気が向いたら更新しますんでよろしくお願いします。前回よりは文章力が上がってればいいな(願望)
薄暗く埃っぽい部屋で二人の子供が話していた。
「クソッ、あの野郎また俺のこと殴りやがって」
少年は殴られた頰を軽く触る。
「もう、隠してないで見せて。手当てするから」
少女が少年の頬に手を当て、奇跡を行使する。
「傷を癒せ、『ヒール』」
少女の手から放たれた微弱な光が少年の頬の傷をゆっくりと癒していく。
「ユリスはさあ、悔しくないの?貴族共にバカにされて。スラムのクソガキって」
少年は少女の手から放たれる心地よさに満ちた光に身を委ねながら聞く。
「悔しいよ、毎日毎日レイ君が傷ついて帰って来るのを見るのが」
「じゃあ、なんで反抗しないんだ?」
「レイ君、内緒にしてくれる?」
「何を?」
「ついて来て」
ユリスはレイの手を取り薄暗い部屋の扉を開けその先の廊下の突き当たり、図書室の扉の前に行く。
「夜中は開いてないよ。どうするの?」
「任せて」
そう言うと少女はポケットから針金を取り出し鍵の隙間に入れる。
「確かここをこうやって、ああすれば、、、、出来た!」
ユリスがそう言うと同時に図書室の扉が開いた。
「良し、確かこの棚にあったはずなんだけど」
誰も利用しない図書館の奥から2つ手前の棚から古めかしい本をユリスが取る。
「あった、見てレイ」
ユリスが開いた本から一枚の設計図が零れ落ちる。
「これは?なんの設計図?」
レイがそう聞くとユリスは得意げに笑って
「飛行船。空飛ぶ船だよ」
「空飛ぶ船って、海を渡る船を作るのでさえ50年かかったんだよ。空を飛ぶ船なんてあるわけないじゃん」
少年がバカにした様に少し笑う。
「かもしれないね、でもいつか空の上からこのゴミのような世界を見下ろせたら、ただ反抗するよりも面白いでしよ」
「それは、、、、そうに違いない。分かった。秘密にするし、協力もする。いつか空飛ぶその日までってね」
「うん。ありがとう、レイ君」
こうして月明かりの下、少年と少女は夢を見た。そしてここから10年後物語は始まる。
ここまでお読みしていただきありがとうございます。よければブックマーク、感想、評価よろしくお願いします。