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三歳・2

 「来たれ、選ばれしものよ」

 まるで課金を促すネットゲームか胡散臭いネットビジネスの誘い文句みたいだ、とヘンリックは思う。

 妖精たちが言うほど、封印が簡単に解けるものなのか、まだわからない。


 生まれてこの方、ヘンリックの顔すら見に来ないレナートは、領地の運営も家政もすべて使用人に丸投げしている上に,何の公職にも名誉職にも就いていないため、一日のすべてが自由時間と言う究極のニート状態なわけだが、一体全体毎日何をしているのか邸の者たちにもわからないらしい。


「武芸の鍛錬もなさらないし、大学の先生方や芸術家達とお付き合いなさるとか言う感じでもないし」

「旦那様は学校に行かれたことが無いはずだから、大学にはお知り合いもいないはずだよ」

「御友人もおられないようだから、サロンなんてものを開かれるのはお嫌らしいし」

「今は魔法に関する色々な本を集めておいでらしいけどね」


 洗濯女たちがつい最近も洗い場でそんな噂をしていた。


 レナートは家庭教師から学んだ以外、貴族の半数以上が学ぶ王立学校へも、その他の各種学校へも通った経験は無いようだ。学問を好む貴族の中には家庭や各学校での一般的な教育が終了後、より高度な教育を受け、更に研究を続けるため、大学に進学したり外国に留学する者もかなりいる。

 王立学校はもともと個人で教師などを雇い入れることが困難な中堅以下の貴族の子弟のために建てられたものだが、卒業生が政財界で活躍するようになると伯爵家以上の家柄の子弟もこぞって入学するようになったといういきさつが有る。

 レナートの叔父でエレオノラの父であるダリオは「王立学校の歴史に残る大秀才」だった。そのためレナートは進学を避けたのだという見方をする者たちもいるが、ただの怠け者かもしれないとヘンリックは思っている。

 アンドレアスは将来、王立学校に入学するのがほぼ確実らしいが、ヘンリックは庶子で身分は平民同然なので、平民の学生が多くて身分による差別の少ない学校への進学を考えている。

 一歳の誕生日に魔法により送られてきた祖父であるニールの手紙を時折読み返すのだが、ニールはヘンリックがスクリミルを持って、冒険者の街ガーニーに来ることを期待しているようだ。それならばいっそ、ガーニーにあるトリクム王国唯一の冒険者養成学校に進学することを考えた方が良いような気がしている。


 かつて、この国においても冒険者が庶民にとって言わば憧れの職業であった。だが、現在は事情が変わった。冒険者と言うのは、今一つ訳のわからず、胡散臭く、まともな職業に就くことのできない連中……そんな風に見るのが一般的なのだ。その傾向は王妃に従ってきたミシュア出身者が多いこの王都ペラギニアから、次第に国内の他の地域へと広がりつつあるようだ。

 それでも……どうやら魔の森にほど近いガーニーを中心とした西部地域では、相変わらず冒険者の社会的な地位も高く、他の地域ですたれた魔法や魔術も体系的にきちんと残されていて、現在でも魔術師や魔法と武術を連動させて戦う冒険者が多数いるようだ。そして、そうした冒険者を養成する教育機関が冒険者養成学校なのだ。



(レナートはお前みたいに、子供のうちからきちんと基本をやらなかったから、いまさら付け焼刃で本なんか集めても無駄なんだよ)

(でも、あいつ、フレデリカが生まれる日に、旅先から魔方陣を使っていきなり戻ってきたよ)

(あのときは、ニールか誰かの魔力で送られただけだよ。レナートにそんな力は無い)

(でも、時々、魔人ぽい何かの術を使ってない?)

(ああ、王都の外の森で、なんかぶっ放してる、あれ?)

(うん、それそれ)

(あれは、ただの魔力の暴走と言うか暴発と言うか、そういうレベルのなんかでしょ)

(そうそう、ぜんぜん制御できてないもんね)

(ヘンリックは、あんなふうになっちゃだめだよ)


 あんなふうと言われても、一度も本人を見ていないので注意しようがないとヘンリックは思った。


(あ、そっか。あいつ、まだヘンリックの顔も見てないんだ。ヘンなやつ)

(ヘンリックが庭で魔法の練習をしていたのを覗き見してたよ、一度。なんか不機嫌になってた)

(はああ、息子にやきもち焼いてるのか)


 曲がりなりにも公爵の位を持つ大の大人が、三歳児にやきもちとは、頭が変だ。あきれてものが言えないとは、このことだとヘンリックは思った。


(レナートはもともと頭が変だよ)


 こんな時の妖精の反応は無駄に早い。


 妖精たちが言うには、ヘンリックが幾度も読み返した百年近く前の魔法の教科書のようなものは、今の王都ではめったに手に入らないらしい。


(ガーニーなら今でも普通に売ってるみたいだけどね)

(ミシュア人が多くなると、その町の本屋から魔法の本が消えていくんだ)

(レナートは根気が無いのがそもそもいけないんだけど、最初に読んだ魔法の本が色々間違った馬鹿な本だったのがいけないんだよな、たぶん)

(その本を書いたのが、馬鹿な貴族だって知ってたから、ダメだって子供のころのレナートに教えてやろうとは思ったんだけど、レナートにはあたしたちの言葉が届かなかったんだよ)

(そのうちすっかり魔人臭くなっちゃってさ)

(そうなればあたしらは近寄るのも嫌になる)


 妖精たちの錯綜した話から察するに、レナートの読んだ本と言うのは名門貴族の三男ではあったが冒険者にあこがれてガーニー冒険者養成学校に入学したものの、地道な基礎トレーニングを積み重ねることに耐えられず、落第して王都に逃げ帰った人物が書いたものらしい。

 基礎となる呼吸法や鍛錬法にすら十分に触れておらず、やたらマジックアイテムだの魔法薬だのの入手にこだわる胡散臭い本らしい。


(俺が今やってるひたすら無属性魔法を可能な限り細く長く展開させたり、特定のポイントに針状にして正確に飛ばしたり、なんていう地味な訓練なんてやってないって訳?)


 今のヘンリックは丹念なトレーニングのお蔭で、極細の糸状の魔力を繭状に編み上げたり、一点に数百本の魔力の針を突き立てたりと言った程度の精度を確保できている。実は実践においては属性などより、魔術の操作性に注意が必要……らしいのだが、その操作性の精密さを保つうえで、指にはめた虹の指輪が助けになっているのは確かだ。


(治癒魔法だってドバーッとぶちまけるより、必要な場所に必要な分だけかける方が無駄が少ないの)

(そうそう。傷なら傷、毒なら毒で傷んでいる場所を中心にかけて、そのあとじんわり柔らかい波動でうっすらと魔法をかけた方が良く効く)

(表面が凍り付いて冷気を飛ばしまくっているような魔獣でも、心臓とか脳のあたりだけは火の属性を帯びていることは多いんだよね)

(逆に常に炎を噴き上げている魔物でも、臓物は水の属性に近かったりする)

(魔物の臓物だけを破壊するなら、どんな奴でも無属性魔法の針を突き刺すような感じでやればうまく行く場合は多いんだよ。そういう攻撃なら、魔力が大きいかどうかより、狙いが正確かどうかが問題になるね)

(どんなおっそろしい相手でも、落ち着いて魔法を発動させるのが大事)

(だから~、人間の場合は武芸の稽古も一緒にやる方が、効率がいいんだって)

(怖くて呼吸が止まって、発動が遅れたら、それでパー、だもんね)

(そうそう)



 妖精たちの説明はアバウトだが、魔法において操作の正確さというものは、魔法そのものの威力の強弱より大切だということはヘンリックにも理解出来た。


 この世界の魔術と言うか、少なくとも過去に人間が使ってきた魔術は属性で分類されている。

 全属性と言うと「地」「水」「火」「風」「光」「闇」と「神」を指すらしいが、このうち最初の四つが基本中の基本ともいうべき属性であるらしく、初級魔法はこの四つの属性でカバーできる。だが、「光」と「闇」は基本四属性のどれか一つでも適性が欠けていると、身に着けられない物であるらしい。

 そもそも「光」「闇」は中級魔法以上のレベルに至らないと使えないようだ。

 最初の六つは、まあ、なんとなくではあるが、ヘンリックも実感を持ってわかる気がする。

 だが、最後の神属性と言うのは、元来人間世界には存在しない神界の元素を操作することによって発動するとされる謎の多い属性らしい。上級魔人やハイエルフ、古龍などは、構成要素も神々と極めて近いのだそうだが、神の場合は全てが神界特有の謎の元素でできているのだそうな。少なくとも初代ヘンリック以下、高名な過去の魔法使いたちがそう言っていたのは、ホントらしい。


「神」属性の魔法を自在に使いこなせたのは初代ヘンリック以外、後にも先にも実例が皆無とかで、人間の魔法使いの場合、全属性持ちと言えば、「神」属性をのぞいた六種類が使用可能なものを指すようだ。

 神属性魔法の習得には、他の六種類の魔法に習熟することが必要不可欠とされるが、どの程度習熟すればいいのかなどと言った詳細なデーターは、王室直属の宮廷魔術師でも知らないらしい。

 つまり通常の人類にとって、「神」属性魔法は未知の魔法なのだ。

 その辺の事情は、妖精たちからの受け売りなのだが、どこまで真実かは今のヘンリックにはわからない。

 ともかくも全ての属性魔法は、人類でも人外でも、相応する属性が有り能力が高ければ使用可能……というのは動かぬ大原則らしい。


 エルフはこの世界を支える世界樹の番人を務める種族であるためか、通常の属性魔法だと「地」「水」「風」あたりと相性が良いものらしい。『判定』は対象の魔力や魔法の種類・威力などを密かに読み取るスキルで、学校の教科書などでは『判定』はエルフ固有のスキルとしている。 

 よく似た魔法に『鑑定』というのがあるが、これは品物や武器の由来・組成・性質・価値などを見分けるスキルだ。ドワーフ固有のスキルとされており、有名な商店や工房には必ずと言っていいぐらいこの『鑑定』のスキルを持ったドワーフがいる。「地」「水」の他に「火」の適性が必須で、「光」と「闇」の適性も有る方が精度や威力が上がるらしい。


(ヘンリックは基本の四属性は、もうすでに使えるから、良かったね)

(そうなのか?)

(そうだよ)

(でも、前に火を出そうとしても水を出そうとしても爆発して、うまく行かなかったぜ)

(あれは、魔力のめぐらせ方がへたくそだったからだよ)


 どうやら、二歳のころ火魔法も水魔法も発動ぜず、軽く爆発したのは、呼吸で外界の魔素を取り込みながら適切に発動させるという基本手順をきちんと踏めていなかったかららしい。


(自分の体内を一本の繋がった糸のように魔法をめぐらせて、ちゃんと指先から放出するって言うのが出来てなかったよ)

(二歳の頃のヘンリックの魔力のめぐらせかたは、まだデコボコして不安定で……)

(だから暴発しちゃったの)

(ああいうまんまの状態で、大人になっちゃったのがレナートだね、たぶん)

(糞親父の魔法は、全部爆発しちゃうわけ?)

(魔人臭いヘンな魔法もちょっと使うから、全部が全部じゃないかもしれないけどさ)

(まあ、魔法使いとしてはダメダメだよ)

(ヘンリックは、あんなふうになっちゃだめだよ)

(ヘンリックはちゃんと魔力をめぐらせて、放出できるようになったから、あんなふうにはならない)

(あ、それもそうだね) 

(でも、あのレナートの無駄に怖いもの知らずな所は、ちょっとすごいかもね)

(ダメだよ、あんなの。ただの向こう見ずだったり、ただの弱い者いじめだったり、ろくなもんじゃない)


 大きな樫の木の根元に浮かび上がっている文字を見つめていると、ある疑念が浮かぶ。


(なあ、糞親父はこの『来たれ、選ばれしものよ』って言葉は読み取ることが出来るのかな?)


 厄介なことが起きなければいいがと心配になる。噂通りのろくでなしの父親なら、このまま自分を認知もせず、放っておいて貰う方が安全だとまでヘンリックは思う。


(本当ならできないはずだけど……)

(なんか魔力を増強するヘンな薬をどっさり買い込んでたから、使えば見ることぐらいはできるかもね)


 ヘン、とはどういう意味かは分からないが、物騒な薬のせいで皆が災難に巻き込まれてはたまらない。


(その薬、危なくないわけ?)


 たとえば、寿命を縮めるとか、使い過ぎるとアンデッド化するとか……どうだろう?


(アンデッド化! ヘンリックのもといた異世界では、そんな恐ろしい薬が有るの?)

(いや、無いけどさ、寿命が縮んだり、脳が壊れたりする薬は有ったよ)

(あー、あのレナートが買った薬は、使い過ぎると石化するんだよ。たしか)


 それでも十分に物騒な薬のようだ。


 妖精たちが言うには、レナートは根気よく書物を読むということもできないので、本の記載内容をきちんと理解しないで勝手な解釈でいろいろやってしまうらしい。 


(じゃあ、その石化しちゃうかもしれない物騒な魔力増強剤を使って、この胡散臭い『来たれ、選ばれしものよ』って言葉を見て、なんかやらかすかもしれないね)

(ふつうに考えて、封印を解いて中に入りたいって思うだろうね)

(まあ、レナートじゃ封印は解けないんだけど)

(ヘンリックが封印を解いた後なら、中に潜り込むことぐらいならできる)

(ソレが精いっぱいだね)

(どうせ、使いこなせないって、あのレナートには)

(そうそう。中に入ったって、また、色々魔法の防御がかかっているはずだもん)

(そうそう)

(それを無効化なんてできないし)


 解けるといった封印が解けてない時点で、色々と心配しても無駄なような気もするが……


(だから、封印は解けるって)

(どうやって)

(来たれって書いてあるんだから、その通り、ずんずん進めばいいの)

(ぶつからないか?)

(大丈夫じゃない?)

(たぶん大丈夫)


 真っ直ぐ突っ込んでも樹でこぶを作る程度かと思い定め、ヘンリックは文字の見える方にずんずんと歩を進めた。もうぶつかるというほど近づいたが、なお進んだ。


 うおっ?


 いきなり、見たことのない空間にヘンリックの体は飛び込んでいた。

 薄暗く最初は何が何なのか訳が分からなかったが、とりあえず光魔法のごく初歩である『光明』を発動させると周囲の状況が判明した。第一印象では随分と天井が低いと思ったが、よくよく見ると天井高は二メートル半程度はある。標準的な日本の集合住宅程度は確保できているのだ。大邸宅になじんでしまって、天井が低いと感じただけらしい。

 それにしても……


「なんだこれは!」


 見渡す限り本、本、本。


「国会図書館かよー」


 さすがに棚はスチールじゃなくて木製のようだが、どうやらちゃんと可動式だ。僅かな魔力に反応して軽々と動かせる。


「国会図書館のは電動式集密書架っていうやつだったが、ここのは魔動式集密書架ってことかよ」


 この邸の他の書庫もそうだが、もっと高い天井高の部屋の壁面に動かない棚をずらりと配置するのがこの国の標準的な書庫の作り方だから、基本的な発想がなんか違う。そう感じる。


「これって、外に出られるのか?」


 先ほど入ってきた場所から踏み出すと、いきなり文字の浮かんでいる場所に出る。


(中に、ちゃんと入れただろ?)

(うん。すごい数の本が有るみたいだ)

(あたしらは、中に入れないけどさ、なんか面白いものが有ったら教えてよ)

(そうそう。そのぐらいの恩返しはしてほしいかな)


 どうやら、妖精たちは中に入れないらしい。


(なんで中に入れないのかな)

(魔人の持つ魔力の要素も必要だからさ)

(たぶん、純粋な魔人やエルフもドワーフも中に入れない)

(この世界に生きているある程度の知能を持つ全種族の血を、ちょっとだけでも引いてないと無理)


 ドワーフ?


(俺って、ドワーフの血もちょっと入ってるわけ?)

(たぶんね。お前の先祖の誰かがドワーフなんだ)

(ふーん)

(ドワーフぐらい、そんなに珍しくは無いけど……すごいのは龍だよね)


 ええ?龍?


(うん。龍は人や他の種族と深くかかわる必要を感じると、人型を取ることが出来るんだよ)

(そうそう。龍人ってやつ)

(龍人は、ものすごく数が少ないから、どこでどういう具合にお前の先祖と子供をつくったんだろうね。そっちの方が興味が有るよ)


 すさまじく数が少ない龍が、人型を取る確率は極めて低いらしい。


(今の世界に龍人っているの?)

(さあー)

(しらないなー)

(うんと東に進んだ先にある大山脈を越えて、更に進むと龍人が作った国が有るって、うわさは聞いたことが有るけどね)

(噂だけだから、あたしらも何も知らないよ)


 龍人に関する疑問は、中に入って本を調べた方が恐らく早いと妖精たちに勧められて、ヘンリックは再び書庫の中に入り込んだ。


 だが……いざ本を読もうとしても、手を触れた途端『閲覧不能』の赤い字が浮き出て、本のタイトルすら読み取れないという棚ばかりだ。ようやく本が読める棚を見つけたが、そこに並んでいるのは魔術の基礎に関する著作ばかりだ。幾つかの本は既に古本で読んだ内容と同じだったりする。恐らくこっちがオリジナルなのだろうが……


「ん? これは何だ?」


 一冊の古びたノートが棚に並んでいる。

 手に取ってみると『覚え書き』というタイトルがついている。表紙の署名からすると初代のヘンリックのノートらしい。開いてみて驚いた。


「世界樹へ至る道のりについて? 何だこれ」


 見慣れた文字がそこには並んでいる。


 「ようこそ、元日本人の君、そしてもう一度頑張る僕自身でもある君のために、特にこのノートを残しておく。この書庫のすべての書籍と記録類には能力の上昇に従って、読み取れる量が増えるような仕掛けを施してあるが、この文章が読み取れる君ならば、頑張りさえすれば全てを読み取れるようになる。それは間違いない。ちなみにすべての書籍と記録類の外部持ち出しは不可能である。必要があれば、中で筆写することを勧める」


 何と日本語だ。

 だが、その後は伏字と言うかモザイクのかかった画像のようになって、何も読み取れない。


「なんだ、今の段階じゃ全く使い物にはならないか」


 ノートを書架に置こうとした瞬間、裏表紙に書かれた一文に目が行く。


「光魔法と闇魔法が完全に使いこなせるようになれば、この書庫は君の必要に応じて、この世界のどこにでも移動できるようになる。便利だろ?」


 なんだこれ?

 初代ヘンリックは日本人の生まれ変わりかなんからしいが、それにしてもわからないのは「もう一度頑張る僕自身でもある君」と言う言葉だ。


「俺って、ループもののキャラだったわけ?」


 そんな独り言に反応する者は、ここにはいなかった。

誤字脱字の御指摘、いつでも大歓迎です。

感想もお待ちしています。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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