表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/14

散髪

 「こんなもんでいいかな?」

「お、おおー。短くなっておる! 頭が軽いぞ!? 佐介」

智鶴は短くなった髪を触り感嘆した。佐介は楽しそうにその様子を見ていた。

かつて、立った状態でも地面についてしまうほどの長さの髪を誇っていた智鶴の髪は今となっては肩に少しつく程度にまで短くなっていた。

「これで、自由に動き回れるぞ! 佐介~」

くるくると回りながら楽しそうに智鶴は笑ってた。

「ってかさ、お姫様って外に出る事ってあんまないよな。本来的に」

「うむ。でも、茶会に出かける為に駕籠に乗って出かける事くらい、良家の家じゃある。だが妾はそれすら許されなかったのじゃ」

少しさみしげに智鶴は答えた。

「だからの、佐介。妾には友人などと言う存在は一切なかったのじゃ。だから、佐介。お主は妾の初めての友人じゃ!」

「初めて……」

「うむ。お主には沢山いるのかも知れぬがの」

会ってみたいものよのぉ。と呑気な声で智鶴は付け加え、綿のほとんど入っていない布団の上に寝転んだ。

佐介の顔が一瞬歪んだように見えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ