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自殺
「智鶴……? おい見ろよ。夕日が綺麗だぞ」
佐介がぽつりと、呟いた。
「……」
返事は一切帰って来はしないけど。
「おい、聞いてんのかよ…。ほら、もう一番星も……見えてんのに」
「……」
「智鶴……、もう一度。目を………覚ませよ」
「……」
「独りにしてくなよ!!! 俺なんかの為に、死んでくんじゃねぇよ!!
俺は!! 俺は……。俺は、お前が何よりも大切だったのに……」
日は沈み、空には満天の星空。智鶴は、この景色が大好きだった。
空が広いのぅ。これを見る度に、ああ本当に妾は自由になったのだなぁっと実感するのじゃ。
楽しげに話す智鶴の声が聞こえるような気がした。
何気なく、智鶴の方に目をやる。手には、死んだ時使った短剣が…。
それを見ていたら、無性にそれに手を伸ばしたくなって、それを手に取ると今度は胸に刺したい衝動に駆られた。
「智鶴…、待ってろよ。俺も……。お前の、所に………」
全ての圧力に負け切った少年少女は、真珠をばらまいたような星空に見守られ、優しい自然に包まれて、何よりも自由で平和な世界へと旅立った。




