初夏
掲載日:2026/05/09
(短歌)
安全な
世界でいつづけ光り射せ
白い笑顔が満ちる初夏なら
早朝に
透明なフリしていると
家の庭まで小鳥が来る初夏
庭に立つ
金木犀はまだ咲かず
そっと黙って風に吹かれて
あの夏に
ふたり揺蕩う海面で
目をつむったのは太陽のせい
太陽の
光りをいっぱい浴びていた
戻れるのならあの日がいいな
真っ白な
日傘でもダメじわじわと
にじむものにはなすすべもなく
信号を
待つあいださえスマホみて
しまうじぶんがなんだか嫌い
神さまが
与えてくれた命なら
なにに使えば意味があるのか
ただひとり
この部屋にいる悲しみを
神のせいとかにはしないよう




