ハーフエルフ
リーファを仲間にしてから順調に戦力を蓄えられている。
数が多くなりすぎたゴブリンはダンジョンに配備してもあまり役に立たないため数匹だけ残して全てダンジョンの外に放った。
運良く苗床を捕獲して帰還するならよし、討伐されるならそれはそれで仕方のないことだと割り切った。
今はスライムやローパーを増やして戦力を増強している。
「ご主人様、かなりのブラッドエキスが溜まっていますがよろしいのですか?」
「アイリスとリーファで3割ずつ、残りの4割はローパーとスライムに分け与えてくれ」
「ゴブリンはよろしいのですか?」
「あいつらは与えなくていい、あいつらの仕事は女を犯すことだからな」
「では戦闘には参加させないようにします」
冒険者がダンジョンの攻略に来ることはリーファが来て以来見ていない。
一度農民が徒党を組んでやってきたがリーファの騙し討ちとトラップだけで全滅させてしまった。
いきなり強い冒険者が来ない限りは平気だろう。
「そんなに余裕だと足元を掬われますよ」
「あ、イリスちゃんだ」
リーファはダンジョンの入り口で1人の少女と会話している。
モニターにはエルフの少女が映し出されていた。
「リーファちゃん?」
「久しぶりだね、ダンジョン攻略難しくてさー」
「…ちゃんと街に帰った方がいいよ」
「一度帰ろうかな…途中までの地図使う?」
「ううん、大丈夫」
2人は会話を止め、リーファは離れたところでアイリスに渡された転移の石を使って俺ただの前に戻ってくる。
「ご主人様ごめんなさい、イリスちゃんには勝てないから戻ってきました」
「英断だ、そのイリスというエルフのことを教えてくれ」
ハーフエルフのイリス。
少女に見えるが実年齢は30歳くらいらしい。
エルフには純血のハイエルフと混血のハーフエルフがいるらしい。
ハイエルフは人里に降りてこないが1000年生き、ハーフエルフは500年生きると言われているらしい。
「イリスちゃんは私より2つランクが高くて…魔法を使うから遠距離だとまず勝てないかなぁ、近距離の戦闘でも身体強化されると10回に1回くらいしか勝てないかな」
「騙し討ちでもダメなのか?」
「エルフには直感スキルがあるから騙し討ちが効かないんです」
直感スキルは危機感知能力が高くなり、不意をつかれても反応できるスキルらしい。
「私とリーファの2人で戦って勝率はどのくらいですか?」
「五分五分より少し悪いくらいじゃないですか?」
なら却下だ。
そんな博打をさせるつもりはない、俺の奴隷は簡単には捨てるつもりはない。
「スライムは魔法耐性が高い方だ、魔法をスライムで受けつつ近距離戦闘に持ち込んで戦闘不要にするんだ、ローパーの援護で動きを封じてイリスを捕えろ」
「畏まりました」
アイリスとリーファはイリスと戦うべく、ダンジョンの内部に向かった。