人間狩り
ゴブリンの斥候たちが1人の女性を捕まえてきた。
女性は奥の部屋に連れて行かれる。
「た、助けて…」
あまりの恐ろしさに声が上手く出せていないようだ。
洞窟の外に出たゴブリンたちは指示通り人間の女性を攫ってきたようだ。
「名前は?」
「シ、シエスタ…」
「シエスタ、今から君はどんな目に遭うかわかるかい?」
「ひっ」
引き攣った顔、怯えた顔、戸惑った顔、全てに該当するような顔をしたシエスタは小さな声で言った。
「助けてください…」
俺は踵を返し部屋を出て行く。
部屋からシエスタの叫ぶような、泣くような、悲痛の声が聞こえてきた。
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「戦力が足りません」
「戦力?」
「今の私ではゴブリンを5体ほど召喚するのが限界です」
「ゴブリン…」
ゴブリンっていうとあの汚い臭いのゴブリンか?
「人間の負の感情が私の力になり、力が蓄積されれば他の種族の召喚もできるようになるのですが…」
「最初はそのゴブリンだけでなんとかするしかないと」
「人間の負の感情は精神的に追い詰められた時の方が強く、ダンジョンがそれを吸収することで負のエネルギーは集まります」
「なるほどな」
「私が召喚しなくとも魔物を数を増やすことはできます」
「交配か」
「話が早いですね、魔物は基本的にオスだけの種族、メスだけの種族しかいません。オスは女性の卵子を使い、メスは男性の精子を使い繁殖します。人間の力を引き継いだ魔物が生まれるので強い人間と交配できれば魔物も強くなります」
ようは人間を捕まえて魔物の苗床にしたらいいって話か。
「とりあえずゴブリンを召喚するので指示を出してください」
「わかった…えーっと…」
「私のことはアイリスとお呼びください」
アイリスが呪文を唱えると地面からゴブリンが5匹出てきた。
「ゲヒゲヒ…メイレイヲ」
「意思の疎通が言葉で出来るのか…外に出て人間の女を攫ってきてくれ、相手が戦う意志を見せたら全力で逃げろ、必要なものは金と女と食糧だ、他に必要だと思うものは自分たちで考えて持って帰ってきてくれ」
「ワカッタ、アルジ」
ゴブリンたちは外に獲物を探しに行った。
「ではダンジョンの説明をいたします」
「よろしく頼む」
「ダンジョンは私の力が増すほどに広げることが可能になります」
「今はどのくらいの広さなんだ?」
「地下3階と言ったところでしょうか、各部屋には魔物を配置するかトラップを設置してください」
「トラップ?」
「毒や方向感覚を狂わす呪文の書を設置することができます」
「ふむ」
「トラップの設置には媒介が必要になります、毒草があれば毒ガスは設置できますのでゴブリンに取りに開かせると良いと思います」
「わかった、今はゴブリンの帰りを待つことしかできないと言うことだな?」
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という感じでゴブリンが女を攫ってきたと言うことだ。
俺も楽しみたいと思ったが今はゴブリンの繁殖が優先だ。
容赦ない暴力が振るわれている隣の部屋からはゴブリンの笑い声とシエスタの泣き声しか聞こえてこない。
俺はアイリスと別の部屋にいる
「ご主人様に罪悪感とかは無いのですか?」
全く感じないことはない。
それよりも興奮する方が勝っている。
アイリスは俺の性欲を駆り立てるように体を触ってくる。
「なんだ、欲しいのか?」
泣き叫んでいた女は心を守るために、いや、既に心が壊れているのか、叫ぶことをやめ無言になった。
それでもゴブリンは容赦なく女を犯し続けていた。