すれ違い
捕縛した2人を魔物の繁殖場に連れて行った。
そこでは若い村人の娘や女冒険者が魔物たちに種付けされている。
ゴブリンやローパーといった最低級の魔物は少なく、主にマッドウルフとグレムリンが繁殖の優先となっている。
女たちの目からは光は消え、鎖に繋がれた体は擦り傷や切り傷が目立ち、服は裂け、破け、土が付着し汚れ、毎日女たちは孕まされ出産している。
「マオウサマ、アタラシイ、メス」
「この2人はダメだ、俺の女にするつもりだからな」
「ザンネン」
交尾を途中で止め話しかけてきたグレムリンだが新しい苗床ではないと分かるとすぐに興味を失う。
というか魔王…なのか?
「魔王…?」
リリは目を覚まし周囲の光景を見て青ざめた顔になった。
「イリスの魔法で眠っていたはずだけどもう目が覚めたのか」
「僧侶は魔法抵抗が高いのもあるけれど私は闇の女神の恩寵を、彼女は光の女神の恩寵を持ってるから反発しあってるのもあると思う」
「なるほどな」
「私たちは…これからここの人と同じ目に合うのですか?」
「お前の名前は?」
「リリと申します」
「リリ、俺はお前が欲しい」
「…欲しいとは?」
「そのままの意味だ、俺に服従しろ」
「私は光の女神カトレア様を信仰しています、貴方達には最後まで抵抗します」
「お前が俺のものになるなら横の女は帰してやる」
「…信じません」
「それもそうだな、ならここで魔物に犯され孕ませられるといい」
「…」
「女剣士にも聞いてみるか」
イリスは魔法を唱え、カレラを起こす。
「ここは…」
目を開けたカレラは魔物に侵される女たち、縛られた自分とリリを見て俺を睨みつけた。
「この…ゲスがっ!」
「言葉には気をつけろよ、お前らの命は俺の掌の上なんだからな」
「っく…」
「お前、名前は?」
「…カレラだ」
「ここは見ての通りの場所だ、もしお前が俺に服従するのであればリリは見逃してやる」
「…なに?」
「俺の女になれば魔物に犯され孕ませられることもない、お前の仲間は助かる、さてどうする?」
カレラは考えた。
今言うことを聞いたフリをして後々逃げることができるかもしれない、リリが街に戻れば教会の力を借りて助けが来るかもしれない、と。
「…わかった、だが先にリリを逃してくれ」
「ダメですカレラ!信じてはいけません!」
「懸命な判断だな、カレラを俺の部屋に連れて行ってくれ」
「ダメだ!リリを解放するのが先だ!」
「立場を弁えろ、俺の気が変わる前に」
「…くそ」
イリスはカレラを連れて繁殖場を出て行った。
「約束は守ろう」
俺はリリの拘束をといた。
しかしリリは部屋から出て行こうとしない。
「どうした?行かないのか?」
「カレラは…どうなるのですか?」
「もうお前には関係ないだろう?」
リリはしばらく黙った後、口を開いてこういった。
「私も…貴方に服従します」
「どういった心境の変化だ?」
リリは考えた。
今言うことを聞いたフリをして後々逃げることができるかもしれない、と。
あの時3人の冒険者と約束していたカレラは自分の身を犠牲にしようとしていたのではないか、だとすれば自分はカレラをそばで支えなければ、と。
「私は…カレラを置いて行けません」
「好きにすればいい、だがお前には本気だと言うことを証明してもらう」
「どうやってですか…?」
「カレラの前で俺とセックスをしてもらう、嫌な顔をしたり、合図を送るような様子が見えた瞬間カレラを殺す」
「…わかりました」
「俺の気分を損なわないように本気で頑張るんだ」
俺はリリを連れて部屋に行く。
ドアを開けた瞬間目に映ったのは、全裸で鎖に繋がれたカレラだった。




