冒険者パーティ
イリスを仲間にしてから約1ヶ月が経過した。
ダンジョンに農民は来なくなり、冒険者を返り討ちにすることが増え、倒す人の数は減ったがブラッドエキスの集まりは前より多くなった。
アイリスいわく、冒険者は神の加護を受けているから多く手に入るらしい。
血の量ではなく血の質ということだ。
ダンジョンも拡張した。
索敵用にゴブリンを入り口に数体配置し、侵入が確認され次第イリスとリーファが冒険者を倒す。
大事な戦力のため奇襲警戒は必須だ。
もちろん、手強い冒険者が来た時は下がるように指示を出している。
この1ヶ月、ダンジョンは戦いやすいように作り変えた。
ローパーとスライムが戦いやすいように水辺を作ったり、新しく仲間になったマッドウルフとグレムリンが戦いやすい広間を用意した。
ローパーとスライムは相手の動きを止め、マッドウルフとグレムリンは素早く相手を囲み、陣形を崩しながら戦う。
統制が取れている魔物の部隊はかなり脅威になると思い数を増やしている。
しかし肝心の苗床に問題が出てきた。
略奪にはマッドウルフとゴブリンをいかせているが近辺の小さな村はすでに人がいない、全て逃げ出したか襲った後だ。
冒険者はほとんどが男で女はたまにしか来ない。
綺麗な女であれば奴隷として重宝するが実際は…。
魔物は孕ませられれば顔など気にしない、だから全てあてがっている。
今までに集めた女ででマットウルフとグレムリンの子供を孕ませ、戦力を増やしているがゴブリンよりも時間がかかるのがたまに傷だ。
「戦力の増強もうまくいってないな…」
「小さな村からではなく街を襲撃しますか?」
「出来るだけ魔物に被害を出さないように動きたいからなしだ、他にいい方法はあるか?」
「私が街を襲ってもいいですよ」
「もっと却下、リーファとイリスとアイリスが魔物の子を孕むのはもっともっと却下」
俺は独占欲が強いのだ、ゴブリンにアイリスを抱かせてやると前に約束したが反故にしている。
俺の女は俺だけのものだ。
「略奪に出ていた部隊が帰ってきましたが…様子がおかしいですね」
ダンジョンに戻ってきた略奪部隊はゴブリン5とマッドウルフ3だったはずだ。
戻ってきたのはゴブリンとマッドウルフそれぞれ1匹しかいない。
略奪に失敗するにしては被害がデカすぎる。
こんなことは初めてだった。
「アイリスとリーファはここの前の部屋で待機、アイリスはゴブリンから話を聞いてきてくれ」
ゴブリンの話によれば略奪に向かった村に冒険者がいて返り討ちにあったと言う。
冒険者は徒党を組まず、多くても2〜3人でパーティを組むことがほとんどだというが、村にいた冒険者は全員で5人。
まともにた違うことができず、逃げるのがやっとだったらしい。
「アイリスはどう思う?」
「十中八九、ダンジョンを攻略に来た冒険者だと思います」
「そうだよなぁ…」
「作戦を立てましょう」
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「この先休める村はない、しっかり休養してからダンジョンを攻略する」
「了解」
パーティに指示を出しているのは剣士カレラ、リーファの戦いの師匠。
僧侶リリは光の神を信仰している。
二人は日頃からパーティを組んでいるが念のために3人の冒険者を雇い、5人でダンジョンを目指していた。
「さっきの奴らはダンジョンから漏れ出た魔物だと思うか?」
「この付近にマッドウルフの目撃情報はない、ダンジョンから出てきた奴らだろう」
「マッドウルフがどれだけ巣食っているかだな、数によってはかなり危険だ」
「前金は払っているんだ、頼んだぞ」
「それより成功報酬の件、忘れるなよ」
「…わかっている」
カレラは責任を感じていた。
自分を慕っていた一人の新人冒険者が消息をたった。
無責任にも簡単だから大丈夫だといってしまった。
生きているかも分からないリーファを救うべくダンジョンに向かったいた。
冒険者は徒党を組まない、それは裏切りやクエストの報酬で諍いが生まれることが多いからだ。
心から信じられるパートナーとしかパーティを組まないのが鉄則、冒険者の常識だ。
「成功報酬?ダンジョンで入手したアイテムとギルドの報酬を全部渡すって話じゃありませんでしたか?」
リリは知らない。
カレラが約束した報酬は1週間3人に体を自由にさせることだ。
もちろんリリは含まれていない、教会に属する彼女に手を出したら間違いなく死刑になる。
カレラは自分の体を売るという無茶で3人を雇ったのだ。
「大丈夫だ、リリは気にしなくていい」
カレラたちは歩き出す。




