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プロローグ
「はー疲れた…」
仕事から帰宅した俺は誰も待っていないアパートの玄関を開ける。
時間は21時、繁忙期はいつもこうだ。
上着を脱ぎネクタイを放り投げ、冷蔵庫のビールを取り出す。
仕事から帰るといつもこんな感じだ、軽く食べて飲んで眠りにつき、目が覚めてからシャワーを浴びて出勤する。
金を使う暇もなく仕事に追われる毎日。
「何のために生きてんだろうなぁ」
最近よく考える。
考えても答えが見つからずに流れで生きているだけ。
いつもと同じように俺は眠りについた。
これから夢のような出来事が起こると知らずに。