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「そんな話なんだけどさ、桜牙さんと澪月どう思う?」

「うむ。当事者がいるってことは本当のことだろうな。」

桜牙は一口茶を啜り何かを考えているようだ。

呼ばれてるってことはその子どもたちは隠し神に気に入られてしまったということだろう。

「隠し神は元々どういう神様なんだろう?悪い神様だったのかな。」

「今の話だけだとよくなさそうだけど。何かきっかけがあったのかもしれない。」

きっかけ。

色々な者を見てきたけど、廃れた神は何時だって言うことは同じだった。

゛寂しい、助けて。゛

人間が勝手に信仰して宿らせたものをいつしか忘れていってしまう。

結局、原因は人間だ。

「元々隠し神は子供を攫って喰う。その点は似ているが何かを探してるようだな。」

求めてるものを返せば隠し神は満足するだろう。

「でもそういう類なら婆ちゃんが対処するはずなのに。」

この町の中で一番力の強いのは婆ちゃんだし、浄化やお祓いとかもやってたはずだ。

「いいか、澪月。もう尊は前みたいに霊力を使えないんだ。人間は老いには抗えない。」

桜牙の言葉に紬と理来は顔を伏せる。

「だから、こんな噂が立ち始めたってことか。」

今までは婆ちゃんが浄化してたから、被害はなかった。

けど力が弱まったから被害が出てる。

ならやることは決まった。

「気になるし本人たちに話を聞いてみよう。」

「澪月。それは良くないものと縁を結ぶことになるぞ。」

わかっている。

けどこのあるだけで不快な力が役に立つなら使うしかないだろう。

「婆ちゃんには秘密で隠し神について詳しく調べよう。子供たちを見捨てることはできない。」

「流石!!澪月!!噂の方は俺が近所の人に聞いておく!!まかせろ!」

「私も調べてみるね!」

「いいか。邪悪なものにこちらから触れることになる。少しの変化でもあったら必ず俺のところに来い。わかったな?」

桜牙は真剣な表情で僕達に言う。

「わかった。じゃあ今日のところは帰るよ。行きたいところがあるから。」

僕はゆっくりと腰を上げる。

「またあそこか?ばーやに怒られるぞ?」

「あの場所が一番落ち着くんだよ。」

誰にもたどり着けない古びた神社。

「不思議だよね。澪月だけがいけるんだし、何かに誘われてるとか?」

紬は楽しそうに言う。

「僕だけじゃないよ。」

「禁足地にあまり行って良いことはないぞ。」

桜牙が強い口調で言う。

「お前も婆ちゃんと同じことを言うんだな。」

「そりゃな。あそこだけ尊は近づけないし神社にはたどり着けない。なにかあるのは確実だろう。」 

「関係ない。何かに誘われていたとしてもそれで良い。じゃあこれで。」

まだ何か言われそうな勢いだったため、無理やり会話を切り上げ外に出る。

他の人にはたどり着けない雨ノ宮へ。

今日も桜月はいるだろうか。

強い日差しの中ゆっくりと歩き始める。

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