何なんだよこのネタ装備ィ!
名称:叡智の白杖
耐久値:354/354
等級:C
状態:呪い(装備解除不可,装備中、物理攻撃力99%低下,魔法「叡智の集積」を発動可能。)
・魔法「叡智の集積」
自身または仲間を対象として発動できる。対象となった人物は60秒間の間限定スキル「機器察知」を獲得し、身体能力が大幅に上昇する。
CT:200s
解説
あらゆる叡智を求めしものが求める装備のうちの1つ。この装備はペアで構成されており、もう一つの装備を集めることによってこの装備の呪いは解かれ、真の姿を表す。もう一つの装備の名は「叡智の石版」。
「…おい。1つ言わせてもらってもいいか?」
「良いぞ。」
「これ完全ッにネタ装備じゃねぇか!何だよ物理攻撃力99%低下って!元々俺は物理系は苦手だからこれでも低い攻撃力を補おうと頑張ってたのに!」
「まぁ待てよ。お前の場合なら、これはいい武器になるんじゃないか?というのも、これには魔法が内蔵されている。内蔵されている魔法だったら、先天性の才能とかは関係ない。お前でも使えるんだ。」
「いやそれはそうだけど…」
魔法…俺が使えるものは微々たるものだ。
それに比べてこの杖に内蔵されている魔法は非常に強力だ。
スキルを一時的に生やす物は珍しい上に、大幅に身体能力を向上させることができる。
大幅の定義がわからないから、どれほど強化されるのかはわからないけどそれでも十分に強力なのだと理解することはできる。
「とはいえ物理攻撃力99%低下って無理だろ。」
「それでも1%残ってるじゃないか。攻撃力0の場合は、様々な影響があるけどそういうわけじゃないんだ。特段問題はないとは思うぞ。最も、お前が物理系だったら終わってたけどなw」
「本当にそれは思ったよ。それにまさか呪われてるとはな…」
「確かに意外だったな。それに呪いの内容としてはまだまだ優しい方だな。人生が終わるほどのものでもないし、結構優しいな。それに解呪する方法だって解説に記載されているじゃないか。」
はぁ…なんというか使えそうで地味に使えなさそうな物だな。
正直微妙なものだが、使えなくはない。それに元々物理系…まぁ接近して戦うのはどちらかというと苦手だったし、正直物理攻撃力が99%減少しても特段困ることはない。
99%減少するのは、近接戦闘を行う人にとっては非常に痛いが俺にとってはほとんど関係ない。
つまりこの武器は俺のメインウェポンにすることができるということだ!
「よし。俺はこの武器をメインウェポンにすることにするよ。それに一応サポートもできるしね。ちなみにだけどさ、この武器を売りに出すとしたらどれくらい出してくれるの?」
一応この武器を売却する場合の金額を聞いておくことにした。だって気になるじゃん?もし俺が使った後でも、もしかしたら売ることができるかもしれないしね。
「ん〜そうだな。正直なところ、この武器を売るのは難しいと思う。原因としては呪いの解除方法だな。強引に解除することができるかもしれないが、そういう場合費用がかかりすぎる。」
「なるほど強引に解除しても本来の性能を引き出せず、かといって呪われているまま使うようなやつも少ないと…だから値段をつけるのが難しいと言ったところかな?」
「そういうことだ。それと買取りに出すのは辞めておいたほうが良いぞ。その武器の等級はCってことになるが、どうにも引っかかる。」
俺はその言葉に疑問を感じた。特段この武器に凄まじく悪い点は見つからなかったし、買い取りに出してもいいと心のなかで思っていたからだ。
「良いか?呪いがかかっている武器っていうのは、大抵デメリットがある代わりにとんでもない教科をされている場合が多いんだ。この武器だってそう。この武器の片割れを探し出してやれば、完全に呪いが解けたうえで使える。買い取りに出して金銭を得るよりも良くないか?」
「そう言われると、そうとしか考えられないよな。」
「まぁ俺からのアドバイスとして受け取ってくれ。まぁお前のことだから使うとは思うけど。」
武器の性能的に悪くないと感じていたし、別に今更物理攻撃が殆ど聞かなくなってもほぼ弊害はない。これは使うしかない。
「少し前に覚悟は決めていたよ。俺はこの武器を、メインウェポンにする。それと当分の間は、この武器の片割れを探すことに専念するよ。もちろん、ダンジョンに入ったりとかして色々と活動はするけどね?」
「あ〜是非そうしてくれ。っとすまんが帰ってくれないか?俺はそろそろ寝る時間だ。業務中だが、眠ってても誰も文句は言わないからな。」
「…お前いつか背中を刺されるぞ?」
「刺されないように配慮はしてるさ。意外とこの職場ホワイトだと個人的には思ってるよ。」
「端から見たらブラックかもな。」
「ひでぇやつだ。さっさと帰りな。シッシ!」
俺は一応感謝を伝えてから、家に帰った。久しぶりに我が家に帰ってきたわけだが…覚悟を決める必要がありそうだ。
「さぁて…退職するぞ!貯金は少々心もとないが、最悪は実家を頼ることにしよう!いやまて…これではいい大人が計画性もなしに退職して働かずにサボったうえで実家を頼るというとんでもなく恥ずかしいことをするところだったじゃないか。」
実家を頼るのは辞めだ。それに今の俺にはダンジョンの中に入って探索をしてお金を稼ぐという手段ができたじゃないか!
「忙しくなりそうだな…でも今みたいに働き続けるよりかはマシなんだろうな。」
俺はそう心のなかで思いながら、ルゼルと一緒にシャワーを浴び、布団の中で一緒に眠りについた。




