2話「謎の組織と少女」
ここはとある組織の1つのアジト。
地下のような空間で、1人の少女がいた。
「ヒック、ごめ、なさ……も、う……ここから出し、て……くるし、よ……」
少女には魔法の首輪があり、鎖が繋がれていて拘束具が付けられている。
泣いてる少女を他所に階段から、歩いて降りてくる音が聞こえる。
その音が聞こえた瞬間、少女はカタカタと震え出す。
「ヒッ、ザクロス様……」
「よぉ、リナ?良い子にしてたか?」
ザクロス様と呼ばれた男はニヤニヤしながらリナと呼ばれた少女にそう言う。
リナはコクコクと頷いた。
「そうか、そうか。お前は俺たちの人形だ、この意味が分かるな?」
「はい、ザクロス様。私は、ザクロス様の道具です」
「あぁ、良い子だ」
ザクロスはリナの頭をなでなでと撫でる。
「お仕置きは、これで終わりだ。二度とあんな真似をするなよ?リナは良い子だから、出来るよな?」
「はい、分かりました」
リナがそういうと満足したのか、リナに付けられた拘束具や、鎖を外していく。
するとリナの腕をつかみ引っ張り上へ上がっていく。
「あ、ザクロス様!にリナ……」
上がっていくと一人の男、レオが目の前に現れた。
「レオ様……」
「お、レオ、ちょうど良いところにいた、こいつを頼む」
「了解しました」
「じゃあ、お願いする。俺は忙しいから」
「了解、さてリナ、お前、反省してるよな?」
「はい、もう逃げません……私は、ザクロス様とレオ様の道具で人形です」
「そうだ、お前は俺らの所有物なのだから」
「はい……」
「次したら俺が容赦しない」
「はい」
ニヤッとした顔でそう言うレオが怖いのかリナは震える。
「レオ~、レオ~!」
するとどこからか声がした。現れたのは王女様のような格好をしている、白くて美しい少女だった。
「誰だ、って紫苑様!?」
「あれ、レオ。その子は?」
「えっと、リナです!よ、よろしくお願いします、紫苑様」
「紫苑!紫苑って呼んで!」
「えっと……紫苑ちゃ、ん?」
リナは困惑しながら恐る恐る、そう呼んでみる。
「んー、まぁいっかそれで」
少しだけがっかりしているが、だがにっこりと嬉しそうにする。
「紫苑様、そう言えば俺にご用だったのでは?」
「あ!そうそうレオに用あったんだよねー、でも、もうわすれちゃった!ねねそんなことよりさー!私さ、この子と遊びたい!ね!いいでしょー!」
「はぁ仕方ないですね、こうなると紫苑さまはわがままなんですから」
「やったー!」