ウィドウのはじまり
久しぶりに更新できました。
仕事が忙しすぎて、書きかけて止まってました。
ウィドウ・フルチルドは、国内治安工作対策室長であるバルトリン・ヴァギとの情事の翌日にはナメコンドを出立していた。
ウィドウの最初の目的地はムタロウ達の活動の起点と思われるブクロだった。
ナメコンドからブクロまで直線距離にして千キロ超はあり、徒歩で移動した場合、ブクロへは三十日超を要するのであるが、バルトリンが手配した馬車のお陰で、十四日程度でブクロに到着していた。
「先ずは、自宅を構えないとね。」
ウィドウは調査開始に当たり、ブクロに生活拠点を構える事にした。
バルトリンから具体的な調査期間の指示は受けていなかった。
バルトリンは本件をじっくりと時間を掛けて調査をしろという意図であると解釈していた。
そのため、ウィドウはブクロに拠点を構え、この町で人間関係を構築する事から始める事にしたのであった。
街の人間と信頼関係を構築して情報網を構築する事が最初の目的だった。
信頼関係を結ぶのに手っ取り早い方法は、困っている人を助ける事であり、相談が持ち込まれる場所と言えば、自警団かギルドのある酒場というのが相場であった。
ブクロには警察部管轄の警察機構がなく街の治安の維持管理はギルド兼自警団に民間委託している事を事前に確認していたため、ウィドゥは迷う事なく自警団のある酒場「シュラク亭」に足を運んでいた。
「人間族が八割って言ってたわよね?」
シュラク亭までの道すがら、ウィドウは街の様子を観察していた。
事前情報と異なり、街を歩く者は豚種が八割、人間族は二割程度だなとウィドウは見積った。
人種構成において豚種が優位になると、その町の衛生状態と治安は例外なく悪化の一途をたどっていくのがこの世界の常識だった。
無論、ブクロも例外ではなかった。
街の至る処でで、豚種が捨てた食べかすや、排泄物が散乱しており、街は食べ物が腐った臭いと、つんと鼻腔に刺さるアンモニアの臭気が蔓延していた。
そんな不潔な環境にも豚種は意にも介すことなく道に座り込み、意味もなく屯し、豚種同士で喧嘩をしたり、人間の女を羽交い絞めにして服を剥がし、下腹部を無造作に撫でまわすなどの乱暴狼藉をしていたり、ひと目をはばからず豚種同士で交尾をしていたり、排泄をしながら食べ物を食べていたりと、およそまともな人間ならば眉を顰める光景が街の至る処で繰り広げられており、秩序という言葉は無きに等しい状況であった。
「ここまで豚種に乗っ取られるともう手の施しようがないわね…。」
ウィドウは後背位で豚種の尻を突いている豚種を見ながら溜息をついた。
「女、待つダニ。」
そんなウィドウの視線に気づいた豚種が腰を振りながら大声でウィドウを呼び止めた。
豚種はぬぽっと音を立てながら、豚種の尻穴から陰茎を抜き、陰茎を勃起させたままウィドウに向かってどすどすと近付いた。
「なにか用かしら?豚さん?」
ウィドウは自分に声を掛けてきた豚種を見て、顔をしかめた。
豚種の陰茎はゆらゆらと揺れながらウィドウに向けられており、アンモニアと魚介類が腐った不快な臭いを放っていた。
「人間の女は、おでのこれを愛でなければならないダニ。愛でないと差別ダニ。」
豚種はそう言うと、ぐいとウィドウに近付く。
豚種が一歩近寄る度に、ウィドウは一歩後方に下がる。
「おでのアレも愛でるダニ!」
「オデのもダニ!!」
いつの間にかウィドウの周囲に5頭ほど豚種が集まっていた。
皆、服を着ておらず、陰茎をぎちぎちに硬くしていた。
それは例外なく、生臭い異臭を放っていた。
その臭いにウィドウはむせた。
「さあ、やるダニ!やらないと差別ダニ!!!」
「あ、イグダニ。」
先刻まで豚種同士でまぐわっていた男側の豚種が、声を震わすと陰茎の先端からおびただしい量の白濁液が噴き出していた。
その液の量は風呂桶一杯分位あり、その白濁液は勢いよく噴き出たためにウィドゥの顔に大量の白濁液が掛かっていた。
ウィドウの身体は白濁液が放つ春の草の臭いでいっぱいになった。
「分かったわ。豚さんたち。愛でてあげる。」
ウィドウは表情を変えることなくそう言うと同時に呪言を唱え始めていた。
「雷神オルガよ、この醜く浅ましい豚の汚らしい物を愛でる衝撃を分けてください…」
豚種達は人間の女が性の玩具になる事を了承したと思い無邪気に喜び、興奮していた。
何匹かの豚は、興奮し過ぎたあまり、次々に発射してしまい、その度にウィドウの身体に豚種の白濁液が掛かっていた。
そんな事お構いなく、ウィドウは呪言を唱える事を続けていた。
びりっ
ウィドウの背中から五条の黄色い光の線が弾け、その線は夫々、五頭の豚の陰茎の先端にある尿道口に入り込んでいた。
黄色い線は電蟲であった。
電蟲は豚種の尿道を通じて電撃を加えながら豚種の体内に潜り込み、豚種の臓器に電撃を加えながら豚種の脳に向かって疾っていった。
電蟲の放つ強烈な電撃によって豚種はぴんと直立硬直し、陰茎はブルブル小刻みに震えながら何度も収縮活動を続け、強制的に白濁液を放出させていた。
「イグッ!イグッ!」
愚かな豚種は、それが最後の絶頂である事すら理解出来ぬまま白目をむいて快感に身を委ね、電蟲がその電撃により豚種と脳を同時にずたずたにして命を奪うまで、自分達がこの世を去る事を認識すら出来なかった。
「くさい…。身体を洗わないと。」
口では不快感を口にしていたウィドウであったが、その表情は愉悦に歪んでいた。
殺しをやっても咎められない自由がこの町にある。
街の嫌われ者を殺しながら、街の人間の信頼を得る事が出来るのではないか。
ウィドゥの内側から歓喜の波が溢れんばかりに湧き上がっている事をウィドウは自覚した。
「そこの豚さん!」
豚種の白濁液に塗れ乍ら、愉悦の笑みを見せるウィドウに声を掛けられた豚種は怯んだ。
「シュラク亭はどこ?教えて?」
「こ・・・この道を真っすぐ進めば、左手に見えてくるダニ。」
「そう!ありがとう。親切ね。豚さん。」
ウィドウはそう言うと、パチンと一条の電蟲を放った。
電蟲は、豚種の耳の穴から頭部に入り込み、豚種の脳を焼き切った。
ばたんと倒れ込む豚種を振り返りもせず、ウィドウはシュラク亭に向けて歩いていた。
「ああ、最高だわ。殺しても殺しても誰にも咎められない。わたし、この街好きかも。」




