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悪党狩り  作者: 伊藤イクヒロ
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進行③

エピソードタイトルつけるのは本当に難しいです。

王都ナメコンド中心部の富裕階層が集まるエリアの端に、バルトリンの邸宅があった。

表面上の役職は警察部次官付秘書官とされているバルトリンは富裕階層の居住エリアに邸宅を構えるだけの報酬は出ており、一人で生活するには過剰と言って過言ではない敷地面積・建屋面積を有す豪邸住まいであった。

ムクの指令を受けた後、バルトリンは自席についてムタロウ達の調査員の選定をする為に、隠密の構成員一人一人の個人調査書の内容確認を行ったのち帰宅していた。

バルトリンは寝室の寝台に全裸で仰向けになり、天井を見つめていた。

バルトリンの下半身には黒髪のショートカットの女がバルトリンの足の指を一つ一つ口に含みながら、バルトリンの両脚を愛おしそうに両手で撫で上げていた。

バルトリンの両脚を撫で上げている女はウィドゥだった。

寝台の上でもバルトリンは変わらず無言を貫き、ウィドウはそんなバルトリンの態度などお構いなく、バルトリンの身体という身体を頬ずりし、撫でまわし、唇をつけていた。

ウィドウは自身のさして膨らみの無い胸の中心に存在する突起をバルトリンの胸のそれにぴたりとつけたのち、身体をバルトリンの下半身まで移動させながら自分の胸の突起をバルトリンに擦り付け始めた。

するするとバルトリンの胸、腹、下腹部と滑っていた突起はこつんと鈴の形状をした肉の塊に当たり、張り詰めた肉の鈴を見たウィドウは嬉しそうに鈴の先端に硬く尖った胸の中心を擦り付けたのち、自ら肉の鈴に顔を近付け、口に含んだ。

ウィドウは恍惚とした表情でゆっくりと肉の鈴を吸い上げ、舌を絡ませ、時に頭を激しく上下させながら、赤ん坊が母親の乳を吸うようにちゅうちゅうと吸っていたが、ぷはっと口からそれを出すと、バルトリンに跨って肉の鈴を支える肉の柱を掴み、自ら中に埋め込んでいった。

ウィドウはバルトリンの顔を高価な宝石を触るかの如く、両手で包みながらゆっくりと筋肉質の尻を上下に動かしていたが、尻を動かしている内に徐々に高まる快感に溺れ、倒れ込むように上半身をバルトリンに預ける一方で、尻を肉柱が外れるか否かのギリギリの高さまで掲げ、勢いよく尻を落とす動作を何度も続けた。

ウィドウが尻を落とす度にみちゅみちゅとい粘っこい液体が泡立つ音が生じる度にウィドウの口からは意味を成さない声が漏れた。

ウィドウの尻の動きが激しくなるにつれ、バルトリンの下腹部も同様に快感の波が押し寄せ、バルトリンは時折表情を歪ませ、呼吸を荒くしていたが、それでもなお、無言のままウィドウの体内に精を放っていた。

ウィドウはバルトリンが果てた事に満足した表情を浮かべると、肉体の結合を解き、だらりとなった力を失った肉柱に顔をよせ、二人の体液でべとべとになっていたバルトリンのそれを吸い始めた。


「…ムタロウ達の調査は、ウィドウにお願いしたい。」


「…。」


ウィドウはバルトリンの話など聞こえていないと、覇気の無くなったバルトリンの男性を吸うのを止め、今度はバルトリンの右脚親指を口に含んだのち、甘噛みをしたりとバルトリンに甘えていた。


「…今回は調査対象の特異性から、単独行動での調査を要請する。」


バルトリンはそんなウィドウの態度など気にする様子もなく、言葉を続けていた。


「…基本は調査ではあるが、処断が必要だとウィドウが思えば、その辺りの行動の裁量はお前に任せる。」


バルトリンはそう言うと、上半身を起こし、ウィドウの頭を撫でた。

頭を撫でられたウィドウは初めてバルトリンに目を合わせ、嬉しそうな顔を見せた。


「承知しました。明日出立の準備をした後、明後日にはナメコンドを出立して調査活動に入ります。」


「…よろしく頼む。」


バルトリンは再び上半身を倒し、寝台に全身を預けた。

バルトリンは天井を見ながら、ムタロウ達の行動目的について考え始めていた。


◇◇


「で、お前のちんこの病気を治すのに、何で私の鱗が必要になるんだ?さっぱり分からん。」


ムセリヌの物言いは余りにもストレートで、ムタロウの横にいたクゥーリィーはとても気恥ずかしく、ムセリヌから話を振られても困る為、俯いて二人のやり取りを聞いていた。

話を振られると非常に困るので、極力存在感を無くそうと努めていた。


「お前の鱗の持つ発熱能力で建屋内の温度を一定にしたい。俺の呪いを治すためには適度な湿度と一定の温度が必要になる。」


ムタロウは、ムセリヌの疑問に対して一部、言い回しを変えながら答えていた。

あまりちんこの病気と大きな声で言わないで欲しいと思っていた。


「呪いじゃないじゃろ。ちんこの先から膿が出て、耐え難い痒みが出る病気じゃろ。」


ラフェールが生真面目な顔でムタロウの言い回しを修正すると共に追加情報をぶち込んできた。

存在を消そうと縮こまっていたクゥーリィーは思わず「えっ?」という驚きの声をあげながら背筋を伸ばしてしまい、当初意図していた存在を消すという目的を果たす事は叶わなかった。

ムタロウは、怒りと羞恥の混じった視線をラフェールに向けると共に、罵声を浴びせることを辛うじて思いとどまった様で、肩を震わせていた。


「ムタロウが言い難い話なので、ワシから説明するとじゃの、青い黴を沢山作って、そこから染み出てくる汁を濃縮・乾燥して特効薬をノーブクロの街で作るんじゃ。青い黴は適度な湿気と一定の温度が必要での、ノーブクロあたりじゃと季節によっては朝晩の寒暖差が激しくて青い黴を作るのが向いてないから、お前さんの鱗で青い黴を作る部屋を一定の温度にしようと思っているのじゃよ。」


口下手なムタロウと異なり、口から先に生まれたのかと思う程に饒舌なラフェールは、赤竜の鱗を求める理由を簡潔に説明した。

汚らしく下品で空気の読めない婆ァだが、こういう時だけは本当に役に立つと腹立だしいが認めなければならないと、ムタロウは自分自身を納得させていた。


「しかし、お前も難儀な病気に罹っているなあ…その病気に罹ってからどれだけの刻を重ねた?」


相手は千年単位で生きてきた人生(龍生?)経験豊富な存在と頭では分かってはいたが、見た目は二十歳前後の若い女性である為、彼女の口から発せられる質問内容とのギャップにムタロウは戸惑った。


「子無し女の里を追い出されてから十年は経つな。」


「そうか。…その間、恋人や妻などはいなかったのか?」


ムセリヌの無遠慮な質問にクゥーリィーがぴくりと反応した。

クゥーリィーの周囲をだらだらと飛んでいた火蟲の動きが瞬間に落ち着きを失い、規則性なく飛び回っている様子を見て、クゥーリィーの心の動きを察したムセリヌは、湧き出る悪戯心を抑え込む事に必死だった。


「俺の呪いは伝染する…関わった女も子無し女になってしまう。俺はそんな無責任な真似は出来ない。」


ムタロウは、やや語気を強めて答えた。


「病気が治れば、恋人や妻を娶る意志はあるのかの?」


ラフェールがムタロウの言い回しを訂正しながら興味津々な表情で訊いてきた。

一方、クゥーリィーの周りを飛んでいる火蟲の動きは、更に激しくなっていた。

ムセリヌはクゥーリィーの表情と火蟲の様子を見てニヤニヤしていた。


「呪いが解けた暁には望むかもしれん。」


ばちッ!


ムタロウが答えた刹那、クゥーリィーの周囲で何かが弾けると共に閃光が走った。

クゥーリィーの心の昂ぶりに火蟲が反応したのであった。


「クゥーリィー? 大丈夫か?」


ムタロウが驚いてクゥーリィーに声を掛けると、クゥーリィーは顔を真っ赤にして、「大丈夫」と言わんばかりに首をぶんぶん左右に振った。

そんなクゥーリィーの様子を見て、ラフェールとムセリヌは目を合わせ、面白い物を見たと言わんばかりに口を歪ませているのであった。


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