悪魔
奴が現れたのは突然だった。
予兆は突然飛来してきたあの謎の魔法だ。
その魔法は爆発し、通常の魔法とは桁違いの威力で俺達を吹き飛ばしたんだ……
今も覚えているよ。
ソイツは突然近くにやってきた。
まるであたかもそこに居る事が普通かのように……
「あ……悪魔……」
今では殺戮の天使と囃し立てられているが、間近で見た俺には悪魔にしか見えなかった。
容赦無い殺戮と槍を通さぬ無敵の鎧。
そいつがやっと動かなくなったその時。戦場は既に俺達の勝利として収まった。
耳から離れる事の無い破裂音に人の悲鳴。
人とゆう形を残さない程にグチャグチャになって死んでいく敵の兵士達。
戦場は一体何があったのか理解できぬ程に変わってしまった。
コイツは……コレは一体なんなんだ……
***
「いや〜、楽しすぎて殺りすぎちゃったわ〜!!」
『周囲に敵影無し。モードをパッシブアラートに変更し出力を低下。お疲れ様です、マスター』
とりあえず出来る限り味方を殺さないようにしてはみたが……何故か怖がられてるなこりゃ?
とりあえず言葉が通じるかを調べる為に話し掛けてみるか。
「あ〜あ〜。お〜い、そこの人。聞こえる〜?」
『………』
「駄目だこりゃ」
まったく反応が無い事から言葉が通じてない事がわかった。
となると結構厄介だぞ?
このままだと誤解されてしまうかもしれない……
『マスター。言語は通じております。こちらがマスターのステータスボードとなります』
「お、サンキュー♪」
画面表示が切り替わり、ステータスが表示された。
ステータス
名前[十六夜雨継]
能力 世界言語変換能力
全HBM操縦権
魔法???[全適性有り]
超高速思考能力
フラットボックス-EX
特殊 『旅立つ者』
『破壊の執行者』
『悪魔』NEW!!
『HBMパイロット』
うわっ!?なんか不名誉なあだ名付けられてる!?悪魔じゃねぇよ!!
とりあえず世界言語変更能力ってやつ?があるから言葉は通じてるのか。
んじゃ、なんでなんも喋らないんだ?
『マスター、思考をしている所申し訳ありません。マスターが現在話し掛けた相手は検査した結果気絶している事がわかりました』
「え!?目開いてるのに?」
『はい。授業中に目を開けながら居眠りしている現象と同じみたいです』
「マジか……」
とゆう事でこの兵士は駄目だ。もっと生きのいい奴は居ないのか……?
『そこの兵士!これは一体何事だ!?』
「ん?お…おお……」
突然背後から話し掛けてきたほうに振り向くとそこには感嘆を漏らすほどの美女が居た。
……胸は小さいが