表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Stardust Warrior  作者: 碧宙
1/2

プロローグ

 その日、全世界各地で流星群が観測された。

 日本時間では深夜0時だった。

 なんの前触れもなく、突然の出来事だったという。

 人工衛星からもそのような情報はなく、全世界の人が皆、何も知らなかったのだ。


 もちろん、その全世界の人のうちの一人である、天神弦人(てんじん げんと)も知るわけもなく、深夜0時にコンビニで菓子や雑誌を買い自宅へ向かっていた。


  「……? なんだ?」


 俯いて歩いていた天神を、真っ暗だったはずの空から赤く、青く、黄色く、白い摩訶不思議な光が包み込む。


 そんな理解不能な色の正体を確かめるべく空を見上げる。

 天神は目を見開く。


「これって……流星群? しかもそのひとつひとつの色も違う……?」


 頻繁に流れ星を見るわけではないが、この現象が常識から外れたものだということは、専門的な知識を持っていない彼にも理解出来ることだった。


 天神はこの現象を見て「感動」と「恐怖」を感じた。

 まるで地球が終わってしまいそうな異常現象が、感動してしまうほどに綺麗だったから、ただ怖かった。


「はやく、帰ろう」


 なんとなくだが、このまま見とれていては嫌なことが起きそうだ。胸騒ぎがする。


 走り出そうとして空から目を離し正面向くと、こちらへ直進してくる車があった。


 その距離、約10m。


 避けられるはずもなく、彼はまるで石ころを蹴飛ばすように車に跳ねられた。

 石ころのように宙を舞う天神の膝の骨は砕け、足がありえない方向を向いている。

 そのまま数メートル飛んだ天神は無残にもコンクリートに身体を叩きつける。


「あっ、がはっ……」


 肋骨も折れただろうか。

 口からは大量の血が溢れ出す。


 ああ、そうか。俺はこの綺麗な景色を見て死ぬのか。


 奇妙な流星群はいまも降り続いている。だが、彼には()()()()()を気にしている時間などない。あとは迫り来る死を迎えるだけだ。


「まだ……死にたく、なかっ……たな……」


 そして、天神はそのまま眠りにつく。




 ーーはずだった。




『それはかなり困るな!』


 聞いたこともない声が聞こえてきた。


 天神は驚き目を開く。

 そこは程よく気持ちのいい風が吹き、大地を覆い尽くす目に優しい緑の芝。天気は少し雨模様だが。


『せっかく宿ったというのに、早々に死なれては困るでしょ?』


 声が聞こえる方を向くと、見た目的には同じくらいの年の少女が佇んでいた。


「あ、あんたは……?」

『はじめまして、わたしはおとめ座のデーメーテール。テールちゃんと呼んでくださいね!宿主様(ごしゅじん)!』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ