2話
―放課後の教室―
「ん・・・」
「彩香!!!おきてー、おきてよーもう授業終わったよ?おーい」
どこかでそんな声が聞こえる。
・・・じゅぎょう?
がばっ!!
「うおうう!!、ようやく起きてくれた? あれ?なんで泣いてるの?」
「おはよう、花蓮・・・泣いてる?」
そう言いながら彩香が目元に手をやると一筋の涙が流れた。
「あ、れ?そんなつもりじゃないのに・・・」
本人の意思とは関係なしに次々と涙があふれ出す。
思わず、彩香は顔を伏せた。
「最近、寝不足なの?」
そんな声が頭から降ってくる。
なんでとつぜん?
「ちょっと隈出来てるなーって思って・・・」
心の声を読んだかのように花蓮が答えた。
「ちょっと、夢見ちゃって・・・」
「あーあれか・・・」
花蓮は家も近く小さいときから一緒に遊んでいた。
勿論、あの時から・・・
「でもさ、もう高校生なんだからいつまでも引きずってたらダメだよ?」
「うん。わかってる。」
核心をついた言い方をしてくるが、それも花蓮の良さなのだ。
変に気を遣われるよりこちらの方がいいと彩香は考えている。
「じゃあ一緒に帰ろうよ!」
「うん、そうする」
花蓮の提案に賛成して立ち上がりかけたとき、爆弾発言を落とされた。
「あっ、彩香がずっと寝ていて先生怒っていたから頑張ってね!!!!!」
彩香が撃沈した日だった。
読んでくださりありがとうございます!!
近いうちにまた書きます。