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にんにん♪とでも言いたくなるほど私の体は軽い!まだ、レベルもそこまで上がってないはずだがこの分ではレベル50とか辺りから人間を辞めてそうな気配がする。徐々に木を登りながら考える。
この世界の人間もモンスターを倒しレベルを上げ冒険者として生業をしている者が多数いるとしたら私は最低でもレベル100を越えるまでは人前に出ない方がいいだろう。
このいでたちに言葉が通じるか分からないハンデまである。しかも、汚物を食すと来たもんだ………絶対馬鹿な正義感をぶら下げた勇者(笑)とかが私を狩るに違いない………
人を見かけても基本隠れて無視をしよう。そんなことを思いながら三分の二位まで登った時だ。赤い実が成っているじゃないの!林檎のような丸くて赤い身。しかもいい香りがする………この自然の中でこんなにツヤツヤした甘そうな実がかじられた跡もなくなっているだろうか………あははは♪
恐らく本来は臭いもきつくて食えない実なんだろうが私には関係無い!いただきます…シャリ♪…もぐもぐもぐ…ゴクン♪…ちょっと酸っぱいけど旨い!よく見ればあちこち実が成ってるじゃん!あっちの木にも!こっちの木にも!と言うかここら一体の木の全てに実は成っていた。この林檎?を余すとこなく食べ終えステータスを確認する。
「ステータスオープン!」
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【名前】五味葉子
【種族】人間
【職業】無職
【レベル】LV15→17
【経験値】2000/3600
【HP】75→85
【MP】75→85
【SP】75→85
【力】75→85
【素早さ】75→85
【魔力】75→85
【運】75→85
【スキル】水玉
【アビリティー】汚物変換 味覚変換 嗅覚変換 究極の口 究極の胃袋
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レベルが上がることに必要経験値が200ずつ必要になっていた……そこから計算するとこの実の経験値は一個5000!?……
これって絶対猛毒で食べられない実だ…確かウサギの糞が一粒で1000位だから……やば……でも、私には救いの実!ここにある実を全て食うぞ!そして、天辺まで辿り着いた私はそこから見渡した…かなり広範囲の森であるがここから北西の方角から森が途切れて平野になっている。
しばし長考する………あの先に街道らしき物があれば行くのは北西だ……だけど…馬鹿が絶対出てくるから力を付けるまでこの森に留まろう。
それと寝床だがどこにもそれらしい場所は無さそうだ………蔦や枝を上手く合わせてこうなったら木の上に作るしかない!
まだお昼をやっと過ぎた位だ……急げば間に合うよね?………嫌々……間に合わせるんだ!急いで木を降りると私は材料を集め始めた。