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目を覚ますとそこは森の中だった……
「…………嘘………あの変態親父!本物のサンタ!?何やってんの私!!!!!!」
マジか~~~~目の前の現実がつい先程のやり取りが冗談ではなく現実であったことをありありと訴えてくる。
普通さ、あんなに追い込まれてからやっと来る?去年来てくれたら私だってちゃんと話を聞いたよ?…………ん?…………私ってば!とんでもない事をお願いしちゃった!!!!!!!ええっと…お決まりだよね………こういう時は…
「ステータスオープン!」
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【名前】五味葉子
【種族】人間
【職業】無職
【レベル】LV1
【経験値】0/200
【HP】5
【MP】5
【SP】5
【力】5
【素早さ】5
【魔力】5
【運】5
【スキル】なし
【アビリティー】汚物変換 味覚変換 嗅覚変換 究極の口 究極の胃袋
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ここって間違いなく異世界だ……ステータス画面なるものがうっすらと輝いて目の前に出てる。確定だわ。汚物変換に指を当て詳細を見る。
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【汚物変換】
体内に取り込んだ汚物を経験値に変える。人やモンスターの汚物の場合、その排泄した者のスキルやアビリティーを取得出来る。
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最悪だ……怒りに任せて自棄になった自分を呪いたい……
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【味覚変換】
酷い味を美味に変える。酷い味ほど美味になる。
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ええ……あれを飲んだり食えって事ですよね……
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【嗅覚変換】
酷い匂いを良い匂いに変える。酷い匂いほど良い匂いになる。
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そりゃ~そうでもしなければ食べれないよ………
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【究極の口】
どんな物でも噛み砕き祖しゃく出来る。また、毒物等有害な物でも無毒化を行い口内を常に清潔に保つ。
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うわ~い…歯磨き一生要らね~じゃん…
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【究極の胃袋】
どんな物でも消化吸収し健康を保つ。
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サンタさん……これは優しさとは言わないよ……四つん這いになり項垂れる私……どうしよう…異世界の森の中で武器もアイテムも持たず、前世の時のみそぼらしい格好のまま…色々と文句を言いたいが私は森の中を歩き始める。