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私は死んだ…それはもう自分でも分かっている。だけど、目の前に怪しいおっさんがいた。
「メリー…」(サンタ)
「また変態親父かよ!もう、うんざりよ…好きにしなよ!ほら!!もう、抵抗する力もないから好きに犯せば?ただ、私ってば風呂に半年以上は入ってないけど、それでもやれるのならやってごらんよ。あっははははははははははははははははははははははははははは♪」(葉子)
大の字にねっころがり変態親父を挑発する。ここがどこだか分からないが死んでまでこの姿でいる事に堪らなくおかしくてどうでもよく思えた。しかも、これからあたしを抱こうとするのはサンタのコスプレをした変態親父。なんか願いを叶えるとかふざけた事を言ってたな………チクショウ……馬鹿にしやがって!変態親父の癖に!!
「…………はぁ~…この分じゃいくら説明しても理解してくれんのじゃろうな……」(サンタ)
ため息をつきこちらを見るその目………この目が私は嫌いだ!…同情?憐れみ?ふざけんな!!変態親父が向けていい目じゃないよ!ムクリと起き上がり平手打ちをする。
「ペチッ♪………………糞!糞!糞!……」(葉子)
全力で叩いた筈なのに蚊も殺せぬ程の威力しかでやしない……しかも、変態親父の奴避けようともしない……悔しくて涙が出そうになるけど枯れ果てて一滴だってでやしない…
「お嬢さん……もし生まれ変わるならどんな力が欲しいか言ってごらん?」(サンタ)
この糞変態親父がまだ言うか……だったら言ってやるよ!
「異世界にでも転生させてくれると!?あははははは!馬鹿にすんな!!私はあんたら見たいな人をさげすむ奴等は嫌いだ!!!どんな力が欲しいかって!?このままでいいわ!!綺麗なものしか愛せない者に転生なんてまっぴらごめんだわ!私は汚物を嫌わない!だから汚くてもいい!ふふふ♪汚物をすすって強くなる力を頂戴よ!?出来ないでしょ?どんな汚物でも美味しく頂けて!経験値がめちゃくちゃ入ったり!スキルやアビリティーを手に入れたりさ………………そんな汚い物語はね!!!誰も身向きもしないのよ!お前らは綺麗なものしか優しくしないんだ!!私はどんな汚物だって愛してやる!!!!消え失せろ変態親父が!!!!!!はぁ~はぁ~はぁ~……………」(葉子)
心臓がバクバク言っている……目の前の変態親父が私を相変わらず憐れんだ目で見やがる……叫びすぎて口の中を切ったのか血の味がする。
「分かった………今の年齢で記憶を引き継ぎ、新たな肉体と能力で生きて生きなさい。あまりにも突飛な願いに落とされる場所を指定出来ぬががんばりなさい。」(サンタ)
そう言うと私の意識はまた徐々に闇に呑み込まれてしまった。