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お~お~いるいる。40まで数えたがそこからは続々と集まる狼を見て止めた。奴等はしきりに木に爪を立てて登ろうとしている。
こりゃ時間の問題で何匹かやって来るな……震えている?……怖いのか?……ふふふ♪……自分でも分からないが小刻みに震えている。
石を握り潰したあの力を思い出せ………そうだ……一体一体上手く対処するんだ!
何匹か勢いをつけて登ってくる狼が来る!5匹中一匹が私の所まで何とか登って跳び掛かって来る!スローモーションのように視界がゆっくり動く…私は無意識に手に持ってる棒を狼に叩きつける!かわされることもなく狼の頭を砕き棒も粉々になる。
そして、吹っ飛ばされた狼は放物線を描いて落ちる……その仲間の死骸を狼共は我先へと群がり食べ始める。
その光景に私は勝利を確信する!弱い!コイツら大したことない!棒で頭を叩き割った感触が固いそれではなくゼリーやプリンを崩すそれと対して変わらなかった。
この事実に私の笑みは怪しく歪む。そうこうしているうちに今度は二匹同時に襲い掛かって来る。またもや視界がゆっくりと流れハッキリと動きを捉える。手刀とはまさにこう言う事をいうのかしら?
指先をピンと伸ばし私は狼の頭に突き刺す。なんの抵抗も感じない位に生暖かい温もりが両手に伝わる。両腕にぶらんとぶら下がる狼を見て私は無造作にひきちぎり投げ捨てる。ゼリーの形をした狼?いや野良犬だな…手に付いた血を舐めると視界が昼間のようにクリアーになる。
そのことにビックリするが狼のスキルかアビリティーを吸収したと気づいた私は木から降りる。
怯える必要はない……楽しい夜になりそうだ……この野良犬には悪いがあの世界で貯めに貯めた鬱憤を八つ当たりさせてもらう為に呟く。
「ごめんなさいね♪あはははははははははは♪」
私は奪う者になった。




