1話
思い付きで書いてたらいつの間にか3000文字……。
とりあえず毎日更新目指します。
主人公の名前は清華とかいて、すいかとよみます。
私は幼いころに両親を亡くした。それからは母親の方の祖父に引き取られ、それ以来祖父と暮らしてきた。私は両親のことはもう覚えていない。顔も写真でしか見ることが出来ないし、どんな人だったのかも思い出せない。でも私はそれを辛いとは思わない。残念だとは思う。母親や父親に甘えてみたいとも昔は思った。でもしょうがないとしか思わなかった。
私の祖父は凄い人だった。あらゆる武術を身に着け、大きな熊を相手に格闘したり、警備会社などに指南役として行くこともあった。さらに刀鍛冶としては人間国宝、また一対一の戦闘だったら勝てるものはいないというほど強く、人類最強と呼ばれるほどであったらしい。そんな祖父と暮らしてきた私も当然祖父に稽古として色々教えられた。私も興味があったので積極的に取り組んだ。
そんな祖父も寿命には勝てなかったようで、半年前、私が高校三年生の冬に亡くなった。初めて家族の死を目にして、かなり悲しかった。でも同時に私とまともに戦える人がいなくなってしまったことの悲しみも同じくらいにあった。
今私は周りに森しかない祖父の家から引っ越し、それなりに発展している所に一人暮らしをしている。生活は祖父が残した私が贅沢して生活してもあまるほどの遺産で過ごしている。私も祖父の知人の警備会社の人や、軍人の人に就職しないかと誘われているが、今の私には興味がなかった。祖父は私が『自分と対等に渡り合える存在になってほしい』と言っていた。実際そうなった、それと同時に祖父の気持ちが今の私にはわかった。
渇く。疼く。私の中にある欲望が。心があのピリピリとした緊張感を求めてしまっている。
そんな時に偶然見つけたのが『FWO』というVRMMOだった。それはβテストでの評価で第二の世界と言われるほどの完成度で、戦闘も魔法や武技といったシステムがなければ本物と変わらないといった感じらしく、私はそれにとても興味をひかれ、やってみたいと思った。しかし正式サービスが丁度一週間後の土曜日でともうすぐで、評判もかなり良いのですでにどこのサーバーも満員になってしまっていた。非常に残念に思いながら諦めかけたとき、祖父の知人の人から連絡があった。そしてその人はなんとFWOの開発チームの一番偉い人らしく、私にとあるデータの収集を手伝ってほしいという。その内容はVRマシーンがどれだけ仮想現実の中で現実の動きを再現できるかといったものらしい。何故私なのかきいたところ、所謂一般人の基準では軍人や格闘家の人の動きがまだ完璧に再現出来ていないらしい。私や祖父のような人ではなおさらだ。
内容を聞いて面倒そうだなと思った私は断ろうとしたのだが、報酬をきいたら180°気持ちが変わった。その報酬はなんとFWOのサーバー枠だった。さらに明日から正式サービスまでの間データを収集し、正式サービス開始二日前までには最適化されたVRマシーンを私にくれるそうだ。しかも定期的にデータを取らせてあげるかわりによりVRマシーンを最適化してくれるサービス付き。これは完璧に再現できるまでらしいがこれまでの内容全部無料でやってくれるとの事。
この内容に私は不満はなく、喜んで承諾して次の日から正式サービス開始二日前まで開発チームの研究所でデータ収集に付き合った。なぜ二日前なのかというと、私の家にVRマシーンを運び込んで設置するのに一日、次の日はキャラ設定などがあるためだ。
20××年 5月16日 10:55
そして今日11時からようやくキャラ設定が可能になる。
ああ、ようやく明日からサービス開始だ。明日が待ち遠しすぎてここ数日間はいつも以上に鍛練に気合が入った。今日までに一応FWOについてそれなりに調べた。と言っても元々私はこういったゲームをやったことはないためあまり自信はないが、さすがに何も調べずに始めるのは怖い。でも恐らく強敵がいるはず。
《ピピピピッピピピピッ》
11時に設定していたタイマーが鳴った。ということはもうキャラ設定まで出来るということだ。私は早速VRマシーンのスイッチを入れた。すると次第に意識が切り替わって、いつの間にか色がちょくちょく変わるカラフルな部屋にいた。数日前にもデータ収集で仮想現実の世界には入っていたが、ここはよりリアルに感じる。
《ファンタジーワールドオンラインの世界にようこそ!ここはキャラクタークリエイトルームです!》
目の前に文字が現れてこう書かれてあった。よし、大体どうしようかは決めてあるからさっさと決めてしまうしょう。
少し時間が経つと空中にキーボードとディスプレイが現れた。
《プレイヤー名を入力してください》
これは本名で。理由は単純です。自分の名前以外思いつかなかったからです。それに別に本名がばれても問題ない。
《『清華』でよろしいですか?》
大丈夫です。はいを選択する。
《性別を選択してください》
これも現実のままだ。女性を選択する。
《年齢、体格を設定してください》
年齢はまだ18なので18と入力。体格や体重なども現実のまま。身長169cmでそれなりに細身って感じだと自分では思う。髪と目の色も変えれるみたいだが、別に必要ないだろう。
《種族を選択してください》
これは調べてある。種類は、バランス型の人族、筋力値などの物理系が伸びやすいドワーフ、魔法や素早さが伸びやすいエルフとあって、あとはランダムであるらしい。中にはとてもレアな種族もあるらしいし、逆にランダムだけどそれなりに確率が高い種族もあるみたいだった。
私はとりあえずステータスの成長がバランス系型の人族にしようと思っているが、面白そうな種族があったらそれにしてもいいと思ってる。
《以下の中から選んでください
・人族
・ドワーフ
・エルフ
・銀狐
》
おお!ランダムでた!ここは勿論『銀狐』で。
《銀狐の種族特性により髪と目の色が強制的に銀色になります!よろしいですか?》
これは問題ないな。特にこだわりはないし。
《初期スキルを決めて下さい》
これも考えてあったけど、銀狐だと何か変わるのだろうか?
《空きスキルの欄を選択し、その中から選んでください ※注意!種族特有の固定スキルは外せません!
・夜目(種族固定)・妖術(種族固定)・空き・空き・空き・空き》
どうやら二つは固定されるらしい。でも人族やドワーフだと選択できるスキルは五つだから空きスキルを四つ選べるのは良い方だろう。固定スキルも便利そうなものに見えるしね。
とりあえず空きスキルを決めようか。
《・夜目(種族固定)・妖術(種族固定)・刀・水魔法・風魔法・身体強化
以上でよろしいですか?》
大丈夫です。まあ、刀は一番馴染んでますからね。
《ボーナスポイントをステータス値に割り振ってください
生命力 1
魔力値 2
筋力値 1
防御値 1
精神値 2
器用値 1
敏捷値 2
ボーナスポイント 6
》
どうしようか。このステータスを見るとどうも魔法系に偏って見えるけど、私は接近戦をやりたい。どっちかというと接近戦がメインだ。でも魔法がないと困ることもあるだろうし……よし、決めた。
《
生命力 2
魔力値 2
筋力値 3
防御値 2
精神値 2
器用値 2
敏捷値 3
ボーナスポイント 0
これでよろしいですか?》
バランス重視で行きます!後は私の技量でどうにかしましょう。
《初期装備を選択してください》
これは簡単だ。まず武器は刀で決まりだ。かなり平凡で現実だと簡単に折れそうだが、これはゲームだ。恐らく大丈夫だろう。でもそのうち良い刀を見つけよう。防具はレザー一式で。金属装備なんて重いし行動が鈍くなるから嫌いだ。
これで最後かな?
《以上でキャラクター設定は終わりです。正式サービスは明日10時からです。それでは明日を楽しみにしてください》
よし。終わりみたいだ。時刻を確認するとなんともう13時だった。時間が経つのが早い。今日は昼食取った後は入念に鍛練を行おうかな。明日が楽しみです。
すいません。まだ今回ではゲームは開始しませんでした。ちょっと区切りが良かったのでここで区切らせてもらいます。
次は出来たら15時頃に投稿します。