魔の国の中
夜になった。ワズに会える。思うべき人を思えるのにはホッとするが、榊への気持ちは後ろめたかった。(でも、もう榊君を思うのはやめましょう。ワズをこれ以上悲しませたくありません。)百合は自分に言いきかせた。
ワズは榊の家に行った時以来、少し元気が無くなっていたが、今日はとてもご機嫌だった。
「百合、魔の国の入り口が見つかったんだ。行ってみない?」
「えっ、あの魔の国ですか?」
「さっき、コウモリ達が教えてくれた。何でも、その国は太陽がなくても明るいらしい」
「素敵ですね、ワズと一緒に色々な景色を見られるのですね。でも、夏休みまで待つはずではありませんでしたか」
「小旅行だよ。また帰ってくる。2、3日いいだろ」
「泊まりは・・・無理です。明日学校ですし。お母様が心配します」
百合が申し訳無さそうに言った。
「そういう真面目なところ、俺、好きなんだけどなあ」
ワズは、頭を掻いた後、
「仕方ない、今夜いっぱいにするよ」
と、言った。そして百合を抱き、飛んだ。
「どこにあるのですか?」
「今日の入り口は、金槌山の洞窟の中」
「今日?」
百合が、尋ねた。
「ああ、何日か毎に入り口が変わるんだ。だから、余計見つかりにくくて」
「へえ、面白いですね。でも金槌山ですか。あそこ、コウモリの巣窟ですよね」
「嫌い?一応どいて貰うこともできるけど、やつら歓迎してくれるみたいだぜ」
「うーん。一、二匹だけならいいけですけど、多いと・・・」
「分かった。じゃあ、ちょっとお願いしてみるよ」
ピー、ワズが指笛を吹いた。小さいコウモリが飛んできて、ワズの側で並んで飛んだ。ワズはコウモリを横目でしばらく見た。コウモリは2回宙返りすると、来た方へ戻っていった。
「何か言ったのですか?」
百合が不思議そうな顔をした。
「ああ、コウモリ達と離すときは超音波で離すから、人間の百合には聞こえないね。コウモリの数をなるたけ少なくって頼んだんだ」
しばらくすると、金槌山の方から沢山のコウモリが飛び立つのがうっすら見えた。百合は、気持ち悪くてブルッと震えた。(ワズには悪いですけど、コウモリの巣の中に入るのは抵抗あります。)百合はチラとワズを見た。ワズは、気づいて、百合に微笑みかけた。(素敵な笑顔なのですが・・・。)百合はため息をついた。
洞窟は崖の途中にあり、普通、人は入れない。しかし、とても大きく奥まで続いていた。
「大丈夫だよ。入り口は巣の手前にあるから」
百合の気持ちに気づいたのか、ワズが言った。
「ごめんなさい、困らせるつもりでは無かったのですが」
「いや、困らせたのはこっちだよ。ごめんな。でも、これから会うコウモリにはビックリするかも」
「やっぱり会うのですか?」
百合は顔をしかめた。
「一見の価値アリだよ」
遠くから動物くさい風が吹いてきた。
「来た来た。彼が羽ばたくと、このくらいの風が来るんだよ」
ワズは楽しそうに言った。前方に大きな赤い目が光った。真っ暗でほとんど見えなかったが、目の大きさから、それがとても大きなものだと分かった。ワズを見ると、彼もうっすら目が光っている。
「彼がコウモリの長老だよ。もう50年は生きている」
ワズが小声で言った。(ワズには見えているのでしょうね。)何秒か、ワズはそこに浮かんでいた。(ああ、また超音波で何か話しているのでしょうね。共有できないのも、つまらないですね。)急に、ワズはぎゅっと百合を抱きしめた。
「しっかりつかまっていて」
ワズはその場から急降下した。(ええええええ。怖い、怖い、怖いですー。)百合は目を閉じてワズにしがみついた。冷たい風が下から吹き上げてくる。それがしばらくして、暖かい風になった。ワズがゆっくり止まったのを確認して、百合はそっと目を開けた。優しい光がそこらを照らしていた。
「うわあ、暑いです」
とにかく蒸して暑かった。地底にぽっかり空いた空間は、壁から出ている苔の光に照らされていた。どうも地底の熱によって、苔は成長し光っているようだ。苔は通常では考えられないくらい、大きく育っており草の様にも見えた。下には川が流れていて、一応魚も居るみたいだが、見たことの無い、いかつい魚だった。
「もっと素敵なところ想像していたんですけど」
「第一感想がそれかあ」
ワズはポリっと頭を掻いた。
「ここは、広いんだぜ。じゃあ、まず君のお好みのペガサスから探す?」
「ワズも初めてなのですよね」
「その辺は俺も抜かりは無いぜ」
ワズが軽く指を擦ると、そこから小さい本が出てきて、空中でみるみるうちに大きくなった。
「それ、地図なのですか?」
「うん。ちょっと下に降りようか」
ワズは、突き出た岩の一つに降りた。
「こう見ると、草原みたいですね。空は無いですけど」
「ああ、俺はなんか落ち着くよ。この温度だと俺も動きやすい」
「ワズは、体温低いですから」
ワズは、本の一ページ目を広げて見せた。
「見ろよ。ここが今居るところ」
ワズは、広い地図の端を指した。
「本当ですね、ここ広いのですねえ。でも、この文字どこの文字ですか?英語とも違うみたいですし」
「あれ、百合はこの文字使っている訳じゃないんだ。俺の家の本は全部この字だぜ。気付かなかった?」
「そう言えばこの文字、他にもどこかで見たことある様な気がします。どこでしたっけ」
ばっと風の切る音がした。急にワズが百合に被さり、ワズは百合を庇うように落ちた。
ドン。
「どうしたのですか」
百合が、体を起こそうとすると、ワズは無理矢理百合を抱き上げ、再び飛び上がった。百合の目に、ワズの腕から血が滴り落ちているのが写った。
「ワズ」
百合が不安そうな声を出した。
「何かいたんだ。大きな殺意を感じた」
ワズは少し震えている。
「西に行こう。あっちは砂地だから、見通しがきく」
ワズはスピードを上げて飛んだ。何かが着いてくるのが、苔の動きで分かった。早いスピードで飛んでいるのに、しつこく付いてくる。ワズは苔の草原が切れている砂地の始まりの所で、百合を降ろした。二人を追っていた敵は、ふてぶてしく顔を出した。
体に似つかわしくないほど頭の大きなオオカミだった。
「百合、俺の後ろにいろ」
ワズは小声で言うと、そのオオカミに話しかけた。
「狼男だろ。なぜ俺達を襲うんだ」
「くくくっ、日本語しか話せないのか。すっかり地上の生活にはまってしまった様だな、吸血鬼君」
「何っ」
「仕方ないか。弱すぎて魔の国から出て、地上で細々暮らしているのだからな。おまけに人間が居なければ、子も増やせない」
狼はさも馬鹿にしたように言った。
「そ・・・うなのか。同じ吸血鬼は魔の国には、いないのか?ここでは魔物は仲良く暮らしているのじゃないのか?」
ワズは戸惑った。
「ははっ何も知らないんだな。確かに、俺達は魔物だが、この世界でも弱肉強食の掟はある。吸血鬼はその争いに負けたんだよ。お前らは何の武器も持たないからな。そして、地上に戻っていったのさ」
狼は緩く円を描きながら、こちらに近づいてきた。
「その吸血鬼が、旨そうな人間の小娘を連れて何の用だ。俺達にごますりでもして、生きる場所を確保しに来たのか」
狼は、流れるよだれをペロッと舌でふいた。
「ああ、旨そうだ。人間なんて何十年ぶりだろう。誤って落ちる人間しか食べてないからなあ。しかもこんな柔らかそうな娘」
百合は、ワズの服にしがみついた。
「どきな、吸血鬼。じゃましないなら、お前の半死体みたいな肉は見逃してやるよ。お前は、また地上へ行って新たな良い子を見つければいいじゃないか」
狼は憎々しげに言った。
「どくわけないだろ」
ワズは、百合を抱きかかえて飛ぼうとした。
「飛ばない方がいいと思うぜ、弱虫やろう。ここまで近づいたら、俺のジャンプの方が上だ。小娘抱きかかえて、俺の攻撃交わせるかな」
ワズはかまわず飛んだ。同時に狼が、ワズの左腕に食いついた。ワズと百合は引きずり降ろされる。ワズの左腕は、そのまま引きちぎられた。
「ワズ!」
百合が叫んだ。
「まずいなあ。生気の無い腕だ」
狼は、腕をポイッと砂地に放った。
「お前が悪いんだぜ。俺の忠告聞かないから、無くさなくてもいい腕を取られた」
狼はケケケと含み笑いをした。上では小さな翼竜が、はげたかの様に集まってきた。
「悪い百合、変な所に連れてきて、俺の調査不足だった」
ワズは必死に立ち上がると、狼めがけて突進した。
「馬鹿な奴」
狼はヒラリと交わすと、百合の方に牙をむいて飛びかかった。
「やめろっ」
ワズも必死に狼のしっぽを握った。しっぽに引っ張られる様に狼は転んだ。
「死に損ないが。本当の死体にしてやろうか」
狼は、ワズに飛びかかった。
「やめて、やめて、やめてくださいー」
百合が泣き叫んで、狼にしがみついた。狼は大きく体を揺らすと百合を、はね飛ばした。
ドンと、彼女が強く地面に打ち付けられた。その拍子に百合の体は光り、そこから榊がとびだした。そして、そのまま狼にぶつかった。
「なんだよ。折角気持ちよく眠って居たのに」
榊はぶつくさ文句を言って辺りを見た。ちょうど、側にいたワズが榊の手を握ってきた。
「さか・・・き、頼む百合を連れて逃げてくれ」
ワズは、血だらけのまま懇願した。
「くくっ、もう一人、人間が飛び出しやがった」
狼が再び舌なめずりをして、近づいてきた。榊は鼻でフンと笑った。
「こんなクソ狼にやられていたのか?」
榊は、寝間着に付いた泥を落とした。
「があああ」
狼が榊に飛びかかった。狼の爪が榊の腕をひっかいた。だが、榊は軽く手を伸ばして、牙が来る前に狼の鼻筋をひっかいた。
「逆流血殺」
榊がそう言うと、狼はそのまま榊の足下に倒れヒクヒクと体を震わせた。
「おいワズ、こいつの血を吸って、体力を回復しろよ」
ワズは何も言わず、狼の首筋に牙をたてた。
「何をしたのですか」
百合が榊に近寄ってきた。
「体の血を逆さに流したさ。血を操るのが産まれつきの能力なんでね。体なんて弱いもんだろ」
言い終わらないうちに、百合はワズに駆け寄った。
「ワズっ、大丈夫ですか」
百合は、しゃがんでワズの体を撫でた。榊はため息をついて言った。
「やっぱり、ここに来たのか。魔の国の扉が近くで開いたみたいだから、まさかとは思っていたが・・・。今日、百合に呪文をかけておいて良かった。ギリギリ間にあったな」
「呪文を・・・ってまさか」
百合が榊を見上げた。
「そう、放課後、屋上で・・・な」
榊は百合にウインクした。
「百合が危険な目にあったら、強制的に僕が現場にいく呪文さ。難しくて体力使う技だから、僕も緊張したよ。百合も・・・ドキドキした?」
榊がいたずらっぽく笑った。
「!」
百合はムッとした。本気でドキッとした自分が馬鹿みたいだ。
「礼を言うよ。榊」
ワズがちぎられた腕を押さえて気まずそうに言った。
「腕、大丈夫か?」
「ははっ、情けないよな。俺は弱くて、百合を守れなかった」
ワズの腕は、まだ血が沢山流れていた。
「見せてみろ」
榊は、ワズの腕に触れた。血が少しずつ止まった。
「相当痛いだろ」
榊はワズの顔を見て心配そうに言った。
「俺は、半分死人みたいなもんだ。お前ら程、痛みに敏感じゃない」
ワズは寂しそうに言った。
「ワズ、有り難うございますっ」
百合はホッとして、ワズの首に抱きついた。ワズは片手で百合の背中をなでた。
「かっこ悪いよなあ。恋敵に助けてもらうなんてよ」
「そんなことないです。ワズ、格好よかったです」
百合が、本心からそう言った。榊も同意した。
「そうさ。大事なのは、守れる力を持っているかよりも、守りたいという心を持っているかどうかだろ。僕はそこに感動したんだ。だから君たちを助けたのさ」
百合はくるりと榊の方を向いた。
「助けてくれてありがとうございます。でも榊君も魔の国を知っていたのですね」
「まあ、職業がら・・・な」
「ちっ、知らない振りしやがって」
ワズは吐き捨てるように言った。榊はワズの方を向いた。
「それよりワズ、早くここから出た方がいい。ここは、予想以上に人間には危険な場所だ」
「すまない。二人とも捕まってくれ、出口まで急いで飛ぶ」
「待ってくださいワズ、上空には翼竜がいます。襲われないですか」
榊が上を見ながら言った。
「あいつらは死肉専門さ。だが地上に付いてこられると困るなあ」
ワズは何も言わず、端にあった自分のちぎられた腕を取って、翼竜の方へ投げつけた。
腕は翼竜の鼻先をかすめ、さらに西へ飛んで行った。翼竜もそれについて行く。
「今のうちだ。行こう」
ワズは、百合と、榊を抱き上げた。
「いいのですか?ワズ」
「いいんだ。これくらいしか、役にたたない」地上に上がったあと、三人は榊の家に寄り、
その後家に戻った。ワズは、その後しばら
く落ち込んだ様におとなしかった。
「夏休み、イギリスに行こう」
学校の帰り道、榊が百合に突然そう言った。
「イギリス・・・ですか?」
「ああ、例の伝説、吸血鬼が人間になって結ばれたカップル。その名が、イギリスのある施設の名簿にあったんだ」
「ある施設?」
「機密なので詳しくは言えないが、こちらの事情は話してあるんだ。あとは直接行ってワズに会ってもらう。そこは退治屋の施設だし・・・っていうか、ワズと会わせた方が電話で話すより分かってもらえると思う」
「有り難うございます。ワズのこと信用してくれて」
百合は素直にお礼を言った。
「なんか君達、けなげなんだよ。手を貸してあげたくなる」
榊は空を見上げた。
「それに、あれからワズ、よく僕の家に来てさ。魔の国に(吸血鬼が人間になる秘密)があると思ってるんだよな。一緒に来てくれってうるさいの」
「そうなのですか?ごめんなさい。彼、何も話してくれないので」
「とにかく、言っておいてくれよな。魔の国は関係ないって」
百合は頷いて肩をすくめた。
「ああそれから、夏休みまでの残り一ヶ月、ワズに家にある本を全部読んでおいてくれるよう言っておいてくれ」
「全部ですか?」
「知識はあった方がいい。あいつは吸血鬼にしてはまだ若いから、何も知らない」
百合は、榊をジロジロ見た。
「何?」
榊は恥ずかしそうに顔を横に向けた。
「榊君、言うこと少し老けていますね」
「・・・悪かったね」
「本当の年、いくつですか?」
「同い年だよ」
榊はムッとしながら言った。
その夜、百合が榊からの伝言を伝えると、ワズは渋々承諾した。しかし次の夜から、ワズは百合の前で、居眠りをするようになった。本の読み過ぎで疲れてしまったのだろう。
「全く失礼ですよね」
百合は学校の帰り道、榊に文句を言うようになった。
「まあそう言うなよ、百合と一緒になりたいから、がんばってるんだろ。ちゃんといいつけ守ってえらいじゃないか」
榊はよくそう言って慰めた。
夏休みもあと、一週間になった頃だった。百合に会ったワズは、暗く沈んでいた。
「俺、人間になっても、お前幸せにできるのかなあ」
「えっ?」
百合は、ワズを見上げた。
「俺、何の取り柄も無い。今までお前の血をもらって生きてきたから、金を稼ぐこともしたことがない」
「・・・・」
「もちろん努力するさ。頭脳労働ができなければ、肉体労働でも。でも・・・」
ワズは、自分の無くなった腕を見た。
「ごめん。今日は帰る」
窓を開けて帰ろうとしたワズを百合が止めた。
「ワズ、同じ不安、私も抱えていました。でも、生きるのには心の支えも必要なのですよ。私がお金、稼いであげます」
ワズはちょっと恥ずかしそうに笑った。
「有り難う百合、でも俺も何もできないのは嫌なんだ。せめて何か知識をつけたい」
「榊君に相談しましょうか?」
ワズは少しムッとした。
「何でもあいつに頼るのはいやだ。俺自身でなんとかする」
「・・・なんか寂しいですね。いろんなこと話してきましたのに、一人で抱え込まれるのは」
百合がすねたように、ぼそっと言った。
「・・・じゃあ、小学校の教科書かして。日本語の勉強するから」
ワズがそっぽ向いたまま気まずそうに言った。
「はあ、それで小学校の勉強まで始めたのか、ワズは」
榊が呆れて言った。
「はい。そうなのです」
百合が嬉しそうに元気よく答えた。
「馬鹿か、あいつ。人間になったら吸血鬼の知識を役立てて貰おうと、俺達の一族にするつもりだったのに。時間の無駄だ」
「そうなのですか?」
「百合、ワズに言っておいてくれ。僕達の仲間になれば、お金なんてその辺の大人達の5倍は貰えるってな」
「そうなのですか?」
「僕らは政府の特別機関に属して居るんだ。命かけて仕事している分、高いんだよ」
「榊君も貰っているのですか?」
「当たり前だ。もう、いつ嫁に来てもいいんだぞ、百合」
「そう言うこと言われるのは困ります。でも、そうですか。ワズに言ってみます。でも素直に聞かなそうですね」
「ここまで知られると、ワズも君も俺達の一族になって貰わないと困る。そういう意味でも説得してくれないか。それ前提じゃなきゃ僕も協力できない」
「分かり・・・ました」
百合は頷いた。
「けっ、あいつはどうも俺達の事を自分の良いように扱いたいみたいだなあ」
ワズが嫌味っぽく言った。
「でも私達、いろいろ助けてもらいましたし」
百合が困ったように言うと、ワズが百合の顔をジーッと見た。
「榊を・・・好きになった?」
「えっ、そんなことあるわけありません」
百合はどぎまぎして、話題をそらした。
「でもっ、おかしいですよね。榊君。彼、初めから、ワズの事本気で倒そうとしていなかったですよね」
「お前の事があるからじゃないのか。いきなり殺そうとしたら、お前、絶対榊の敵になるだろ」
「・・・もしかしてワズって、榊君の事を良く思ってないのですか」
「・・・なんか、裏のある奴だとは思っている。あの見透かしたような態度が気にくわない。いい奴なんだろうがな」
ワズはベッドにどっかと寝ころんだ。
「まあいいさ。夏休みまで待ってやるよ・・・おとなしく本でも読んでな」