表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
FLOWER  作者: はなこ
1/1

桜が咲いた日

このお話は、阿賀崎高校という架空の高校に通う5人の男女の青春ラブストーリーを目指しています。

完全に趣味で書いているので、文章がへんだったり、話がまとまっていなかったり、大変読みづらいものとなっています。

不定期連載です。

それでもよければ読んでやってください。

ふわり、と舞った桜の花びらは風に乗ってどこかへ飛んでいった。

天気は快晴、気温もぽかぽかな本日は、少々風が強いところさえ目を瞑れば、絶好のお花見日和と言えそうだ。

とくに、河川敷に沿って植えられた桜並木はまさに見ごろで、ひらひらと散る様子が儚さを演出していて、これもまた美しい。

桜並木を通る人々は、時折立ち止まっては桜を眺め、あるいは写真を撮ったりして、春という季節を堪能しているようだった。

そんな春めかしい風景のなかを、全速力で走る少女がいた。

肩のあたりでくるりと内側に巻かれた、綺麗なボブヘアにも、学校指定の上品なセーラー服にも、桜の花びらがたくさん付いている。

そんな彼女、藤倉羽菜は学校へと急いでいた。


羽菜が昇降口に辿り着いたとき、そこは既にひとで溢れていた。

ああ、と羽菜はため息をつく。

こうなってしまっては、背の低い羽菜ではアレを見ることはできない。

だから目覚まし時計をかけたのに、まったく肝心なときに仕事をさぼってくれる。

羽菜は仕方なく、ある程度人混みが解消されるまで待つことにした。

真奈美と同じクラスなら嬉しい。

愛花と奈央が同じならなお嬉しい。

それから……。

ああもう、だから早く確かめたいのに!

羽菜はちらりと昇降口のなかを覗くが、見えるのは人の頭だけで、肝心のクラス発表の掲示板はまったく見えなかった。

本日ふたつめのため息。

羽菜にとって、クラス替えはとても重要なイベントだ。

羽菜の通う阿賀崎高校では、1年から2年にあがるときしかクラス替えがない。

つまり。

「それから、あの真城悠くんと同じクラスに…!」

このクラス替えに、羽菜の恋の命運がかかっているのだ。




混雑もだいぶ収まったころ、羽菜は自分の名前が呼ばれていることに気づいた。

「羽菜ちゃん、羽菜ちゃん」

小鳥がちゅんちゅんと鳴くような、高くて可愛らしい声だった。

「あっ、ソラちゃん!」

羽菜は、自分を呼んだのが幼馴染みの本田空乃であることを確認すると、彼女に駆け寄った。

本田空乃は長い髪の毛を揺らしながら羽菜に近づくと、にっこりと笑った。

「私と羽菜ちゃん、おんなじクラスだったよ」

「ほんとに!?」

やったー、と、羽菜は右の拳を突き上げた。

羽菜と空乃は小学校からずっと同じ学校に通う幼馴染みだが、クラスが同じになったのは実に6年ぶりだ。

「羽菜ちゃん、もしかしてまだ掲示板見てない?ひと、いなくなってきたから一緒に見に行こう、私たち1組だよ」

羽菜は空乃に連れられて、人がまばらになってきた掲示板へと近づいた。




1組の教室は校舎2階の角だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ