プロローグ1
初めての投稿です。更新の方はおそらく遅くなるかと思います。
「ユウ、あのな──」
まだ三歳であるユウに対して、父親は何やら真剣な面持ちで息子に話しかけてきた。
ユウはというと、こんな父親を滅多に見ないものだから少々混乱していた。それでもちゃんと聞き耳を立てて話を聞こうとしていた。
「急なんだが父さん──結婚しようと思うんだ」
──ケッコン?
まだ三歳であるユウにはその意味が理解できず、ただ首を傾げているだけだった。
「まあ、ユウに母さんができるってことだよ」
よく意味が分かっていないユウにもわかるいうに父親が補足説明を加えてくれた。それでようやく意味を理解したユウは『そういうことか』と頷く。
「母さんが加わるから慣れるまで時間がかかるかもしないが、大丈夫か?」
「たぶん、大丈夫だよ」
「そうか。で、母さんの他にも妹が二人できるけど、それも大丈夫か?」
「大丈夫」
ユウにとって、家族が増えることは素直に嬉しいことだった。
今は父親との二人暮らしにようやく慣れ始めた頃で、時間さえかければ新しい家族にも普通に接することができるようになるはずだ。
……だから大丈夫だろうと思い込み頷いてしまったのだ。
だが現実は非道だった。
その二人の妹と後に生まれるもう一人の妹という存在が、ユウの悩みの種になるとはこのときでは思いもしない事だった。