戦争は商人の顔をしている
浮世の沙汰も金次第
とかく損得勘定が幅を利かせるこの世界。
それは戦争という極限の世界に於いても例外ではない。。。
「大統領! 次世代戦闘機開発の案件、なぜ承認がおりないのですか!?
F-22戦闘機を凌駕する戦闘力、B-2ステルス爆撃機を超えるステルス性と攻撃力、B-52重爆撃機を過去に葬り去る積載能力。
この一機ですべての任務が可能な万能機だ。
配備されればわが国の制空権は100年は揺るがない。そう太鼓判を押したのは、大統領ご自身ではないですかっ!!」
「......チッ。
スポンサーがな。納得されんのだよ。」
「スポンサー? また利益団体ですか?
あの能力でも不足だというのですか? それとも彼らの『利』にそぐわないと?
平和を脅かしてまで損得勘定を優先するなんて馬鹿げている!
いったい誰なんですっ!? 石油メジャーですか? 航空以外の軍需産業ですか!?」
「...ダイだ。」
「はい?」
「バン◯イだ。」
「ゆ、夢...クリエイション...。」
• • •
「彼らの言い分はこうだ。
『とにかくおもちゃが売れるカタチにしろ。』
ステルス性を重視した地味な外見は問題外。もっとカクカクさせろ。効果音は派手であるほど望ましい。
変形合体はマスト。色のバリュエーションも最低5色は出すこと。かつ半年以内に追加戦士の投入も必須、だとさ。」
「追加戦士って...。」
「まだあるぞ。各々年3回以上強化形態を用意すること。
ああ、それとこれが肝心だ。おもちゃにしたとき危険がないよう、【鋭利】、【誤飲】、【フラッシュ】はご法度だ。」
「ぐっ、反論できない。
し、しかしっ! いくらなんでも売り上げに走りすぎでは!? そんなにバリュエーションを増やしたらキッズの財力では買いきれず、逆に関心を失ってしまう。」
「今はそういう時代ではないのだ。彼らのメインターゲットは大人。大人に売れさえすればいい。」
「そ、そんな、、、」
「今や孤高の戦士ギャバンも仲間に囲まれてスーパー戦隊みたいなもんだ。インフィニティ、ルミナス、ブシドー、まだまだ増えるんじゃないか?」
「色とりどりっ!」ギリッ
「とにかく、買える奴に売れるだけ売る。それが今の正義だ。
武器だってほら。物を言うのはギミックだ。これなんか上手くできてるだろう?」
グルグルグル…チュインチュインチュイン "Victory shooooooot!!!"
「NATO軍正式採用マシンガンの玩具だ。もちろん本物も効果音付きだ。」
「ぐうっ、俺も欲しいっ!!」
「というわけでだ。機能性重視の、面白みの欠片もない件の次世代機案は却下というわけだ。
まあ政治的には許されないことだが、個人的には納得してしまったよ。」ハハハ
男の子たちの夢を一身に背負い、クリスマス商戦にすべてをかける謎の組織バ◯ダイ。
◯ンダイが世界の政府や軍需産業に圧力をかけ続ける世界は今日も平和である。
おしまい




