9. 遊びという名のトレーニング
1話目のあとです
広場での宣告のあと。
バテンの畑の隅で、俺はロバーソンと向き合っていた。
ロバーソンは何も聞かない。
ただ、次の指示を待っている。
「ロバーソン。……あの意地悪な奴らに、一泡吹かせてやりたいか」
「……ん」
短い肯定。重い悔しさ。
俺はどこか兄のような眼差しで友人を見つめた。
「だったら、俺の言う通りに“遊べ”。そうすれば少なくとも、自分の身をかわすくらいはできるようになる」
「まずこの不安定な切り株に乗れ。目を閉じて、片足で立て」
ロバーソンは即座に従った。
ぐらつく。必死にバランスを取る。
俺は周囲で石を叩く。
最初は遠くで。次は少し近くで。
叩く位置を変えるたび、音の“向き”が変わる。
「音を聞け。ケニの笑い声も、風も、地面も」
「全部、体で感じろ」
ロバーソンの足がぐらつく。
それでも倒れない.
倒れそうになった瞬間、膝が勝手に調整する。
(……よし)
俺は密かに、かつ精密に“調整”を加えていく。
(ロバーソンをこのままにはさせない。こいつはケニの最高の子守で、俺の大切な友人なんだからな)




