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キングスレイヤー序  作者:


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31/63

31.農王の畑とそれぞれの役割

午後はバテンの畑へと向かう。

「キャハハ! 待てー!」

「こらルンナちゃん、そっちは踏んじゃダメー!」も

畑の端では、ケニと隣家の幼女ルンナが追いかけっこをしている。

ドンナが追いかけてるが結局みんなで畑を荒らしてるようなのだ。

なんとも平穏な風景だ。

「……ったく、騒がしいチビどもだ」

バテンはくわを振るいながら憎まれ口を叩くが、その顔はどこか緩んでいる。

邪魔にならないようにうねの幅を広げているあたり、彼なりの優しさなのだろう。

一方、ロバーソンは遊びには加わらない。

「……フンッ!」

彼は黙々と、畑の開墾作業を手伝っていた。

子供では持ち上げるのがやっとの大きな岩を、身体強化のコツを掴んだ全身運動で抱え上げ、畑の外へと運び出す。

「ほう……いい腰の入り方だ」

バテンが感心したように目を細めた。

「ロバーソン、お前、農家の親父さんより筋がいいぞ。将来は間違いなく村一番の農家になれる」

バテンからの最大級の賛辞。普段なら喜ぶべき言葉だろう。

だが、ロバーソンは岩をドスンと置くと、土を払いながら静かに首を横に振った。

「俺は、農家

にはならない」

「あ?」

「自警団になる。……だから、体を作る」

バテンは少し驚いた顔をしたが、すぐにニヤリと笑った。

「そうか。なら、もっとデカい岩を運べ。腰を低く、地面を掴むように踏ん張れ。それが槍を構える時の土台になる」

「……わかった。やってみる」

ロバーソンはバテンの指導を素直に聞き入れ、再び黙々と作業に戻った。

遊びたい盛りの年齢なのに、彼は自分の目標のために「労働」すらも「修練」に変えている。

アーノルはその様子を見ながら、肥料の配合表を修正した。

(すごいな、あいつは。……僕も負けてられない)

キャッキャと遊ぶケニたちの平和な声と、黙々と岩を運ぶロバーソンの荒い息遣い。

その対比が、この村の日常と、少年たちの決意のコントラストを際立たせていた。



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