表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤング キングスレイヤー  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/33

11. 琥珀色のしずくと職人たち

村の職人たちが寝食を忘れて組み上げた「装置」が、ついにその真価を発揮し始めました。

バテンの納屋の奥、外からの光を遮った静寂の中で、規則正しい滴りの音だけが響いています。

村の濁った安酒が、アーノルの指示通りに作られた幾層もの炭と砂の層をゆっくりと潜り抜け、最後には焦がしたオーク材のチップを満たした樽へと導かれていきます。

「……信じられん」

樽職人が、受け皿に溜まった液体を覗き込んで絶句しました。

かつて泥のように濁り、鼻を突く酸味を放っていたはずの安酒が、冬の朝日を透かしたような、一点の曇りもない琥珀色へと変貌を遂げていたのです。

「まだだ。これをこのまま三日、この温度で寝かせる。焦がした木の香りが馴染んだ時、本当の『上級品』になる」

アーノルは小刻みに揺れる自分の手を、もう片方の手で静かに抑えました。知識としては知っていても、この世界の粗末な道具で再現するのは綱渡りの連続でした。職人たちの妥協のない手仕事がなければ、この琥珀色は生まれていなかったでしょう。

職人たちは、自分たちが作り上げた奇跡のような液体を前に、誇らしげに、しかしどこか畏怖を込めたような眼差しでアーノルを見つめていました。

しかし、その達成感に浸る時間は、突然の暴力によって打ち砕かれました。

村の入り口から響く、軍馬の嘶きと不吉な鐘の音。予定の期限まで、まだ三日あるはずでした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ