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幕間 教頭・極秘記録
記録用水晶を起動。
個人認証を通過後、非公開区画を展開。
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【対象】
ルカ(仮登録名)
聖女候補・特異例
【観測日時】
第十五話・感情制御訓練中
【所見】
・感情暴走時、魔力波形が通常の聖女基準を一時的に逸脱。
・精神的不安定状態にもかかわらず、癒し系加護の干渉は排他反応を示さず、むしろ同調。
・肉体適性値に一過性の変質を確認(※詳細非公開)。
【仮説】
・本事例は暴走ではなく、段階的覚醒過程の一部である可能性が高い。
・変質は可逆的。ただし、進行段階によっては不可逆へ移行する恐れあり。
・感情安定因子の存在が、覚醒制御において極めて重要。
【判断】
・当面は現状維持。
・本人への告知は行わない。
・覚醒兆候が再発した場合、即時再評価。
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記録を保存。
教頭は、水晶を停止させた。
窓の外では、
何も知らない生徒たちの声が響いている。
「……」
小さく、息を吐く。
(可逆、か)
それが、いつまで通用するかは分からない。
感情に引きずられ、
力が形を変え始めている以上――
“完成”は、避けられない。
教頭は机の上に手を置いた。
(この子は、聖女になるのではない)
(……聖女へ、作り変えられていく)
その結論を、
誰に伝えることもなく。
教頭は、次の書類へと視線を移した。




