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最後の日

掲載日:2025/10/28

初心者が書いたので読みづらかったらすみません。

 明日、世界が終わるらしい。正直信じられないが、偉い人が言ったんだからそうなんだろう。やはり外には最後の日を満喫するためにはしゃいだり、犯罪を犯したりしている人が多々いる。見渡す限りちゃんとしている人は一人もいない。酷いものだ。普通に過ごしたい人もいるというのに。そんなことを思いながら、いつも通り学校に向かった。

 

 学校には誰もいなかった。最後に学校に来ようなんて人はいないらしい。そんな学校は街中とは違い、いつもなら考えられない静けさに包まれていた。だからなのか、それとも地球が終わるからなのか、はたまた別の理由なのか。よくわからないが、学校を見て回りたくなった。 

 

 まずは職員室に向かった。誰もみつからなかったとはいえ教員ぐらい一人はいるのではないかと思ったのだが、予想ははずれ。一人も人はいなかった。ここには『あの人』と教材を置きに一緒にきた思い出がある。せっかくなので、いろいろな先生の机をみていくことにした。すると、怖かった先生の机にアイドルのブロマイドが貼られていた。また、やる気がないと思っていた先生の机に、生徒のことについて細かく話していないとわからないような情報が書いてあったりもした。いろいろな先生の机をみればみるほど先生たちの意外な一面が見えて面白かった。その他にも部活で優勝した時の写真や先生自身が高校生時代の写真、娘の写真、フィギュア、楽器などが置いてあった。だがその中になにも置かれていない机を見つけ、明日には終わってしまうんだと思い出し、悲しい気持ちになった。

 

 次に向かったのは図書室。もちろん誰もいない。だが廊下に比べ、元から静かな場所だったからかそこまで悲しさや寂しさは感じなかった。別に本をよく読むタイプではなかったのだが、『あの人』の好きな本を読むために一時期通い詰めたことを思い出し、少し懐かしい気持ちになった。たしか『あの人』の好きな本を知ったとき意外だなと思ったような気がする。でも今考えてみると、登場人物に『あの人』らしさがあって納得できた。そういえば内容は世界が終わる話だった気がする。そんなことを思い出し、その本を見つけたので読んでみることにした。が、結局、世界は終わらずに主人公達は恋人と結ばれてハッピーエンドというオチだったことを思い出し、なんとなく読むのをやめた。現実はそうはならない。ハッピーで終わらないし、エンドまで行かずに打ち切りで終わる。したかったことをしてから終わらせてはくれないのだ。

 

 教室に行くと、黒板が目に入った。黒板には『あと二日!』と書かれており、他にも担任の似顔絵や、桜などが描かれていた。これは昨日、クラスの女子が描いたもので地球が終わることには全くもって関係がない。そもそも、昨日の夜に「明後日、地球が終わります」と発表されたのだから関係があるはずがない。そんな黒板を見て、いつも女子を中心にクラスの数人で行事があるたびになにか黒板に描いていたことを思い出した。確か5月の体育祭からだったはずだ。自分も一度だけ混ぜてもらって描いたことがある。だが、絵が下手だったため、結局描いたところはほぼ消されてしまった。その後、『画伯で面白い絵を描く人』というのが定着し、色々な人から話しかけられるようになったため、今ではいい思い出である。『あの人』と仲良くなったきっかけもこれだった。

 そんなふうに思い出に浸っていると、窓から桜の花びらが一枚、ヒラヒラと教室に入ってきた。それを見て、2年前にタイムカプセルのように手紙を桜の木の下にうえたことを思い出した。

 

 手紙はちゃんと木の下に埋まっていた。手紙には学校でやりたいことや将来の夢などが書かれており、希望に満ちていた。それを見て、こちとら明日世界が終わるんだぞと過去の自分にむかついた。3枚あるなか、2枚目を読み終わる頃にはビリビリに引き裂いてやろうかとも思った。だが破るのはやめた。正確には破けなかった。そこには好きな人について書いてあったからだ。その文の好きな人は『あの人』とは真逆で今ではそんな人と付き合うなんて考えられない。今日もずっと、どこに行っても『あの人』を思い出していた。そうだ。自分は『あの人』のことが本気で大好きなのだ。そして明日告白しようと思っていた。だがそれは叶わない。今までの怒りや悲しみは、世界が終わることに対してではなく、思いを伝えられないことに対する八つ当たりだったのだ。

 

 体育館へ向かうと、綺麗に生徒分のパイプ椅子が並び、花や紅白幕が飾られていた。そしてステージの上には『卒業式』と書かれた看板が飾られていた。でもこれらはもう無駄なのだ。ああ、どうして明日なのだろう。あと一日あれば言えたかもしれないのに。嘆いてもどうにもならないと、そうわかっているのに思ってしまう。今なにをしてるんだろう。最後に会いたい人は誰なんだろう。もし告白できたとして返事はどうなったんだろう。

「会いたいな」

 気づくとそう口から漏れていた。

 視界も滲んできた。もうここにいてもなにもできないんだ。そろそろ帰ろう。そう思ったときだった。

「なにしてるの?」

 背後から急に声がした。

 その声は聞き慣れた心地よい声で、その声が聞こえたら嬉しくなってしまう、そんな声だった。振り返るとそこには思った通り、その声の持ち主である『あの人』がいた。『あの人』は体育館の前で立っている自分を不思議そうに見ていた。なんでなんだろう。この人に会うと本当に何でもかんでもどうでも良くなる。たとえそれが終末だとか卒業とかでも。ただ好きだという気持ちでいっぱいになる。もう抑えきれなくて気づけば声に出していた。

「あなたのことが好きです」

 

 今日は地球最後の日。学校生活も最後の日。そして片思いも最後の日。

話し手と『あの人』の情報を極限まで少なくしたので、性別や年齢、生徒や先生など様々な立場に置き換えてぜひ読んでみてください。

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