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夢見る彼女は幸せを  作者: 緑野鳶
天佑神助を待つ者よ、汝、黎明を告げる
13/14

天佑神助を待つ者よ─7

そこは白と黒しかない世界だった。


──あぁ、私は『夢』を見ている。


見覚えのない、教会のような建物の前には人が沢山。子どもから大人、老人までいる。性別もバラバラ。ボロボロの格好をした人が多いけど、その中に鎧を身につけた人の姿がちらほら見える。重そうなもの、多少軽そうなもの、様々あるけどの人も共通して男の人。鎧ではなく胸当てのみの人、上着みたいなものをを羽織っている人なんかもいる。


視点が変わり、建物の中には鎧を身に纏った男の人が大勢いた。その中の一人──上着を羽織った怖い顔した男の人が何か叫ぶとみんなが一斉に出入口に向かって走り出した。天井からはなにかがパラパラと落ちて来ていた。建物の奥の方から火が出ている。


──崩れそう!逃げて!


そんな中、一人の若い男の人がその場から動こうとしない。他の人が声をかけた瞬間鎧を手早く脱ぎ始める。周りの人が止めようとするけど既に奥へと走り始めていた。


──行ったらダメ!


手前から順番に扉を開け進んでいく。開けては中を確認し、開けては中を確認し、を繰り返していく。その間にも建物が少しずつ崩れていき、火も大きくなっていく。

男の人がノブに花の装飾が施された扉を開けた。中を見渡し、入って行く。部屋の中、床下で何か見つけたみたい。五歳くらいの男の子を抱え出て来た。男の子は暴れている。この人が怖いのかも知れない。急に知らない人に抱き抱えられたらびっくりするもん。

そんなこと気にしていられるか、と言う顔で男の人は元来た道を全速力で駆け抜ける。少ししたら出口が見えて来た。外ではさっき指示を出していた上着を羽織った人が必死何かを叫んで待っているのが見えた。


──あと少し!…っ!?




その時、出口に向かう二人の頭上から瓦礫が落ちて来た─────
















視界が真っ暗になり、私は飛び起きる。嫌な汗をびっしょりとかき、息が上がっている。

人が死ぬ夢なんて…。まだ日は出ていないみたいで暗い。


大丈夫、落ち着こう。ただの悪い夢。


きっと数日したらどんな夢を見たか、そもそも夢を見たこと自体忘れてしまう。


「どうしたの…?」


最近よく私の隣で眠るようになったカリゴちゃんが眠たそうな声をあげる。いけない、起こしちゃった。


「いや、大丈夫。ちょっと悪い夢を見ただけ」


「寝れそう?」


どうだろう。でも今は寝たくないな。怖かったし、なによりあの続きを見たくない。

私が無言でいるとカリゴちゃんは自分が使っていたマットをピッタリと私のマットにくっつける。


「じゃあ私とお話しよ。うん、それがいいわ!」


「でも眠いでしょ?私のことは気にしないで良いから…」


そうしている間に、他の子も起こしてしまったらしい。目を擦りながら起き上がってくる。


あぁ、みんな起きちゃった。ごめんなさい。


「イチちゃんが怖い夢を見ちゃって寝れないらしいの。私も目が覚めちゃったし、お喋りしようかなぁって!」


じゃあ私も、とみんなが私の方にマットを寄せる。

この部屋以外はどこも寝静まっている。だから静かに。


「なんだか悪いことをしているみたい…!」


一人がそう言うと、小さな声で私たちはお喋りを始めた。どこから来たのか、とか、好きなものはなにか、とか。とにかくたくさん。話のネタは尽きなかった。



◇◇◇











日が昇る頃、部屋はしんと寝静まっていた。それは悪夢にうなされた少女も例外ではなく、心地良さそうに眠っていた。

主人公ちゃんの名前が「イチ」だと思っている部屋子どもたち。多分このまま「イチちゃん」って呼ばれ続けます。……え?主人公ちゃんの本名?んもぉ…、みなさんお分かりでしょぉ?


次回は二月六日を予定しています。予定です。

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